「日本は僕にとって特別な国」——。11月4日、舞台挨拶に立ったエドワード・ノートンはファン泣かせのコメントを残してくれました。初監督作品「僕たちのアナ・バナナ」が東京国際映画祭コンペティション部門でダントツの人気となり、当日のオーチャードホールは桟敷まで埋め尽くされる状態。大阪の水族館(!?)でバイト経験もあるノートンの、日本語まじえたティーチ・インをレポートしましょう。




本作は東京国際映画祭コンペティション部門で真っ先に完売。ノートンは午前11時過ぎ、学生時代からの友人である脚本家のスチュアート・ブルムバーグとレイコさん(アナのモデルになった女性。純粋におトモダチ、とのこと)を伴って会場入り。2000人強を収容するホールは1階席も、2階席も、3階席も、右の通路から左の通路までぎっしり。ノートンも大感激でまぶしそうに客席に見入っていました。

上映前の舞台挨拶に続き、上映後には再びスチュアートとティーチ・イン(Q&A)に登場。質問は?と尋ねると、挙がるわ、挙がるわ、たくさんの手が。それを見たノートンは「今朝、築地に行ってきたんですけどね。なんだか競りのマグロになった気分です」。”ユダヤ教とカソリックからクレームは来ませんでしたか”の質問には「NO!脚本は両派に送っていたんです。気に入ってもらえたらしく、”教会を使ってください”と両方から返事が来ましたね。ラビのひとりは撮影を見に来てくれ、アドバイザーまでやってくれました」。ベン・スティラー、ミロシュ・フォアマンなど監督でもあるキャストとの仕事はスムーズで、「初日の撮影はコーヒーショップの場面だったんだけど、僕はめちゃくちゃ緊張していた。緊張をほぐすために『レインマン』のダスティ・ホフマンの真似をすると、ベンが”それ面白い!入れてみよう”ってことに。現場は楽しかったですね」。



さて、気になる彼の日本語力は!?うっかり失言のファン(”劇中の歌はまずまずとして…あっ、ごめんなさい。これ、通訳しないでくださいっ”)にも、通訳を介さずしっかり意図を汲んでしまったらしく、ノートン、苦笑するのみ。カラオケは大好きだそうで「ワタシタチはロサンゼルスでカラオケよくシマス」と日本語で回答。”来日中、何処に行きたいですか”と尋ねられた時も「大きなカラオケ屋は近くににありますかねぇ」。余談になりますが、このクエスチョンに対し、はじめは「どこが楽しいですか?」と逆聞き。質問者は「巣鴨!」と爆笑ものの提案をするのですが、”おじいちゃん、おばあちゃんの原宿”と説明されたノートンはやっぱり興味が湧かなかったようで…。

執筆者

寺島まり子

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