エアフォース・ワンが無残に撃墜される冒頭から、サプライズに満ちた見せ場の連続が展開!
大統領があどけない13歳の少年と偶然めぐり合い、年の差と身分の違いを超えて、極限状況
の中で固い絆を育んでいく!

いよいよ今週末、8/15(土)より公開、サミュエル・L・ジャクソン主演、ノンストップで繰
り広げられるスリルと興奮のサバイバル・アクション超大作『ビッグゲーム 大統領と少年ハ
ンター』ですが、本作のヤルマリ・ヘランダー監督のインタビューが到着。





Q:『ビッグゲーム 大統領と少年ハンター』のアイディアはどのようにして生まれたのですか?

これはフィンランドのプロデューサー、ペトリと長い道のりを歩んだ末に生まれたんだ。このストーリーについては、長いこと温めてきた。どうやってこのアイディアが生まれたのかを説明するのは難しい。なぜなら、この形になるまで紆余曲折を繰り返したからね。最初は全然違ったんだよ。でも最終的に僕らはエアフォース・ワンがラップランドに墜落するというアイディアに至って、それがすべてを変えたんだ。

Q:オンニ・トンミラはあなたの甥であり、前作『レア・エクスポーツ 〜囚われのサンタクロース〜』(2010)にも出演していますね。今回、共に働くことで何か違った点はありましたか?

そうだね。彼は日に日に良い俳優に育ってきている。サミュエルとの共演は素晴らしかったよ。それに、僕が子どもの頃に少し似ているんだ。本当に、自分の少年時代を描いているようだった。

Q:『レア・エクスポーツ 〜囚われのサンタクロース〜』(2010)の後、サミュエル・L・ジャクソンのようなハリウッド・スターと働くのはどんな気持ちでしたか?

すべてが完璧に行った。きっと、彼はこの映画が気に入ったんだと思う。そうじゃなければ話を受けないだろうしね。それに、彼とオンニの相性も抜群だった。それがこの作品にとっては一番重要だったよ。

Q:この作品の大統領はどんな人物でしょう?

最初、大統領は国民にあまり好かれてないんだ。支持率は低下してて、多くの人が彼はアメリカの大統領にふさわしくないのでは、と思っている。これは、オスカリの立場と同じなんだ。彼の村では誰もが—彼の父親さえもね—彼が試練をこなせないのではないかと思ってる。彼らの出発点はすごく似ているんだ。

Q:各国の才能ある俳優と働けて嬉しいのでは?

これ以上幸せなことはないね。この映画の製作を始めたとき、こんな結果に結びつくなんて思っていなかった。大スターや素晴らしい俳優たちがいる。信じられないよ。特にジム・ブロードベントは、ハーバートそのものだった。僕は彼の写真を持っていて、それがハーバートのイメージにつながっていると思う。見た目も、中身もね。それが、本当に本人に演じてもらえるなんて思ってもいなかったよ!彼が実際に映画の中にいるなんて、不思議な気持ちだよ。

Q:映画はバイエルンで撮影されていますが、それでもフィンランド映画なのでしょうか?フィンランドにこだわった理由は?

フィンランドは、厳しい自然の象徴なんだ。映画の中のフィンランド人は、オスカリを除いて、みんな毛深くてタフだ。物も古びていて重厚感がある。そこに、サッパリしたヘアスタイルでスマートなスーツを身にまとった合衆国大統領が加わる。その対比がいいんだ。

Q:バイエルンのロケーションは、観客にどんな印象を与えるでしょう?

本当に素晴らしくて、西洋の景色そのものという感じだ。だからバイエルンで撮影したんだよ。僕は、山々や壮大な景色が好きなんだ。フィンランドは、素晴らしい森林があるけど、山はあまり多くない。でも、ドイツには美しい森と山々があるんだ。だから撮影には打ってつけの場所だった。あの景色は、本当に昔ながらの映画を見ているようだったよ。

Q:国防総省でのシーンもありますが、スタジオでの撮影は多かったのでしょうか?

ドイツのプロダクション・デザイナー、クリスティアン・アイゼレが本当に素晴らしい仕事をしてくれた。すべてのセットと、エアフォース・ワンの内部をデザインしたんだ。大統領の座席やコクピット、それにアッパーデッキや通信機器なんかもね。これ以上ないくらいの仕上がりだった。僕はこのデザインにすごく満足している。これもまた、対比なんだ。この映画は大自然から始まり、それから突然、すごく現代的で洗練されているエアフォース・ワンが映る。何もかもが美しくて、汚れひとつない。オスカリがいた環境と、大統領がいた環境は全然違う。それでも、2人とも同じような状況に陥っているんだ。

Q:どのようなトーンの脚本にしたかったのですか?

何より重要なのは、主人公が13歳の少年だということだね。でも、これは子ども向けの映画かというとそうじゃない。悪役はみんなリアルで、まさに『ダイ・ハード』(1988)などにも出てきそうだ。これはとてもいい組み合わせだ。『ホーム・アローン』(1990)みたいに、子どもが主役で、ちょっと滑稽な道化役の悪党が出てくるという話じゃないんだ。僕たちが描く悪役には、真実味がある。これまでこういう映画がなかったのが不思議なくらいだよ。

Q:政治的な一面もあるのでしょうか?

あまり政治的な面はないと思うね。でもストーリーは、“自分を強く見せたい”という願望から始まっている。“強い人間だと思われたい”ということが、この映画に出てくる人間すべてに共通する課題だ。これはとても重要なことだと思う。政治的な話ではなく、人間としてどうあるべきかという姿勢についての話だ。

Q:この映画を薦めるとしたら、どのように説明されますか?

アクション満載、面白くて、それでいて心温まる映画だ。それが、この映画で大切にしていることなんだ。この作品は、古き良き80年代のアクション大作みたいな要素がたくさん詰まった壮大なものだけど、それだけじゃない。『ワイルド・スピード』(2001)みたいだというだけではなく、他にも魅力がたくさんあるんだ。

執筆者

Yasuhiro Togawa

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