完全犯罪を成し遂げた犯人が長い沈黙を破り、今、すべてを告白する。
その瞬間、止まっていた事件の時計の針が再び動き始めた!

『家門の栄光』(09)『検事プリンセス』(10)、そして、『王女の男』(11)と、出演ドラマごとに輝きを増す“ブラウン管の皇太子”パク・シフが映画初出演で連続殺人犯を演じ、激しいアクションにも挑戦した本作。そんな彼を15年にわたって追い続けてきた刑事チェ・ヒョング役は『黒く濁る村』(10)のチョン・ジェヨン。メガホンをとるのは、アクション・スクール出身のチョン・ビョンギル監督。29歳で初監督作品のドキュメンタリー『俺たちはアクション俳優だ』(08)で、アクション・スクールの厳しい訓練過程と、笑いと感動のエピソードを交えながら生き生きと描き、実力派の新人監督として脚光を浴びています。
チョン・ビョンギル監督&パク・シフ&チョン・ジェヨンのインタビューが届きました!







■チョン・ビョンギル監督
Q:どういうきっかけでこのストーリーを書いたのでしょうか。
2003年の兵役中に「殺人の追憶」を見たとき、がら空きの映画館で映画の最後までずっと座っているある中年男性を見つけました。ふと、この中年男性が映画の中で起こっていたファソン連続殺人事件の犯人だったらと妄想し始めました。この犯人が非常に美形で、しかも自分の犯した犯行について謝罪したなら世間の反応はどうなるのだろうと想像が膨らみました。劇中では時効が重要な要素となっており、時効成立が15年だった2005年に時代背景を設定したのです。

Q:迫力のあるアクションシーンでした。撮影についてお聞かせください。
カーチェイスは危険すぎて無謀な挑戦と思われても仕方ないようなシーンで、もちろん実際演じた俳優たちが苦労しましたが、その苦労を苦労と呼べないほどの困難の連続でした。映像にするのは非常に困難な上、苦労して撮影できたとしても高い完成度で出来上がるとは思えないと憂慮しました。そんな中、僕とアクション監督・撮影監督とで意気投合して無理やり進めました。また、15回の撮影を予定していましたがそれでは予算オーバーでした。なので7回に減らし、代わりにカメラを6、7台回しました。

Q:観客たちにどのように観てほしいですか。
最初シナリオが完成した時には、刺激的で且つ重苦しい題材だと思いまししたが、映画を観終わるころには観客の皆さんの胸の中がすっきりし、笑いへと変わればと思いす。アクションシーンに関しては特に力を入れており、今までにないタイプの大衆映画として楽しんでいただきたいです。

■パク・シフ
Q:出演を決めた理由をお聞かせください。
すぐに決められませんでした。連続ドラマの撮影終了後なので体力的にきつかったですし、正直断ろうと思っていたのですが、ちらっと聞いた映画のあらすじに興味が湧き、台本を読んだら非常に面白かった。実際にそのような殺人犯がいるかもしれないと、キャラクターに共感できました。またチョン・ジェヨンさんの出演がすでに決まっていたので、思いきって先輩に身を任せられればという思いもありました。

Q:イ・ドゥソクの無表情な顔が非常に印象的でした。
普段から周りの人たちに無表情な時、何を考えているかまったくわからないとよく言われます。
実はただ、ぼーっとしているだけなのですが(笑)

Q:モデルにした人物はいましたか?
いえ、いません。ただ、サイコパスと聞くとすぐに思い出す俳優はいます。「真実のとき」のエドワード・ノートン。劇中ずっと本当の姿を隠していてある瞬間激変する演技が非常に印象に残っています。いつか僕もあのような演技をしてみたいです。

Q:アクションについて
隣でジェヨン先輩が雨にずぶぬれになりながら撮影している姿を見て大変そうだと思っていたら、彼からお前の方がもっと大変だよと言われました。走る車の上から別の車へ飛び乗り、ボンネットの上でのアクションなど。スタントなしで、すべて自分でやることに、最初は戸惑いました。本当にここまでしなくてはいけないのかと。役者がまさか自分でこれをやるわけないだろうと思っていたら、なんとなく自分がやらないといけない雰囲気がそこにできていました。撮影初日から真冬なのにガウン一枚で車の上のアクションシーンを10日間撮影しました。マネージャーからストップしましょうかと何度も言われました(笑)

Q:今後演じてみたい役は?
「ラブストーリー」のような正統派、「トワイライト」のようなファンタジー、「私の狼少年」のような感性豊かなラブストーリーが非常にすきで、映画でもこのようなラブストーリーにぜひ出演してみたいです。

■チョン・ジェヨン
Q:数ある出演作の中、刑事役は初めてのようです。今回出演を決めた理由をお聞かせください。
何よりも話が気に入りました。シナリオが完璧で新鮮でした、連続殺人犯がベストセラー作家となるという設定が奇抜でしたし、話全体が新しく感じました。シナリオの完成度が高いのですぐに出演を決めたのです。また、刑事役は常にやってみたかったキャラクターのひとつでした。何度もオファーをいただいたのですがしっくりくる役がなかったのですが、今回は別格でした。

Q:撮影で一番大変だった場面を教えてください。
アクションシーンはすべて大変でした。今まで出演した中でも一番大変なアクションだったと思います。その中でも肉体的に一番大変だったのは、雨の降る中で撮影したオープニングのアクションシーンです。10日間撮影したのですが、初の撮影部分だったので慣れるまで時間がかかりつらかったのですが、その後は比較的スムーズでした。しかし、あれだけ苦労してアクションシーンを撮影したのに本編を見るとさっさと終わってしまいます(笑)

Q:映画のセリフが印象的でユニークした。アドリブの場面などはありますか?
劇中コーヒーの名前をちゃんと言えない部分なんかは、実際僕も細かいコーヒーの名前なんてわかりません(笑)
最近ではアメリカンをよく飲みますが、2、3年前まではインスタントコーヒーが大好きでしたから。

執筆者

Yasuhiro Togawa

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