ジョウ・シュン、ヴィッキー・チャオという中国二大女優が競演を果たし、中国一の美形スター チェン・クン、アジアNo1アクションスター ドニー・イェンという豪華トップスターキャストが顔を揃えた本作は、中国の怪異譚「聊斎志異」を原作に、心から人間を愛してしまった妖魔、お互いを信じあうことが試される夫婦、それぞれが運命に翻弄され“真実の愛”が問われる、これまでなかった美しくも儚い怪奇ロマンス大作です。このたび、主要キャストによるオフィシャルインタビューが届きました。





どんな男をも虜にする美貌と怪しげな魅力で王生を誘惑する妖魔・小唯を演じるのは、『ウィンター・ソング』で第25回香港電影金像奨・主演女優賞に輝いたジョウ・シュン。愛する夫のため、揺るぎない誠実さと献身で妖魔に立ち向かう佩蓉を演じるのは、本作で第16回北京春燕奨・最優秀映画主演女優賞を受賞したヴィッキー・チャオ。対立する役柄を演じる中国二大女優の迫真の演技が、それぞれの想いの強さと切なさを見る者に問いかける。二人の間で翻弄され、苦悩する王生役には、中国一の美形スター チェン・クン。妖魔の正体を暴くため戦う元将軍・役のドニー・イェンが繰り広げるアクションシーンの見ごたえも十分である。監督は香港のヒットメーカー、『メダリオン』『剣客之恋』のゴードン・チャンが務める。

本作は“怪奇ロマンス”というこれまでにない幻想的な世界観の悲恋物語が支持され、中国国内で『レッドクリフ part1』に次ぐメガヒットを記録。2009年度米アカデミー賞に香港代表作品として出品された。原作は中国の清代に蒲松齢によって書かれた短編小説集「聊斎志異」の一編。1989年には同書所収の「聶小倩」が『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』として映画化され大ヒットした。日本では芥川龍之介や太宰治などに影響を与えたと言われる怪異譚「聊斎志異」からまたひとつ、胸がはり裂かれるような愛の物語が生まれた。

狐の妖魔・小唯(シャオウェイ)役:ジョウ・シュン
●小唯という役について
こんなに無情な役を演じたのは初めてです。経験を頼りにすることができず、感覚や推測で演じました。自分の中にある“悪”を徹底的に出し切りました。小唯は見た目は可憐ですが、実はとても非情で独占欲が強い。そういった点がとても恐ろしいと思います。

貞淑な妻・佩蓉(ペイロン)役:ヴィッキー・チャオ
●三角関係について
私が演じた佩蓉は、夫のために全てを捧げます。完璧な妻を演じることは私にとって、とても大きな挑戦でした。でも、もっとも難しかったのはジョウ・シュン演じる小唯を憎むこと。だって、彼女とは普段とても仲がよくて喧嘩なんてしたことないですから。劇中では真っ向から対立するけれど、撮影が終わると一緒に食事をしたりしていました。

●佩蓉という役について
オファーが来たときは、男っぽい性格の私が貞淑な妻を演じられるかしら?と思ったけれど、監督の励ましもあって挑戦してみました。撮影中に徐々に女性らしさが出てきたかな…と思いましたが、衣装を着た写真を見てみたら、まさしく良妻賢母(笑)!伝統的な中国女性そのものでしょう(笑)?

心優しき将軍・王生(ワン・シェン)役:チェン・クン
●ヴィッキーとのベッドシーンについて
ヴィッキーからは「リードしてね」と言われていたけれど、とても緊張しました。でも思い直したんだ。同級生のヴィッキーとこんなシーンを撮影できる機会はめったにないから精一杯演じよう、と(笑)。

●王生が本当に愛したのは、佩蓉と小唯のどちらだったのでしょうか?
それは答えられません(笑)。女性は愛というものに対してシンプルに向き合うけど、男性は違う。とても利己的です。王生は男性の心の葛藤——既に持っているものと手に入れたいものとの間の葛藤——に直面している。この考えは僕個人の悟りからきてるんですが…なんだか哲学的な話になったね(笑)

傷心の侠客・パン・ヨン役:ドニー・イェン
●繊細な恋愛模様を軸に描かれた本作への出演について
監督からオファーを受けたときには、どうして自分にオファーが来たのか不思議だったし、いつもと違った役を演じることに不安もあったよ。だけど、強敵だった『ウォーロード/男たちの誓い』を抑え、この映画がアカデミー賞香港代表作品に選ばれたことを、キャストの一員としてとても嬉しく思っている。

執筆者

Yasuhiro Togawa

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