「グラインドハウス」のクエンティン・タランティーノに挑戦状を叩きつける日本発バイオレンスアクションが完成!

20XX年の荒廃した横浜、家族を失い生死の狭間から体に武器を仕込む手術をうけて生還した殺戮マシーン、ミリー。復讐を果たすためジャックブラザーズと生死を賭けた闘いに挑む。

監督は、「真・女立喰師列伝 荒野の弐挺拳銃 バーボンのミキ」で衝撃的なアクションを展開した新鋭、辻本貴則。日本発、ハイクオリティースプラッターサウンドを採用し、アクションの臨場感とともにバイオレンスな破壊音が随所に炸裂する。

「踊る大捜査線」など大ヒットドラマに出演する一方「恋人はスナイパー」「真・女立喰師列伝荒野の弐挺拳銃」などで本格的なアクションに挑んでいる日本最強の女性アクションスター水野美紀にインタビューを行った。





『女立喰師列伝』に続いて、再び辻本監督と組むことになったわけですが、水野さんと監督の相性が良かったということなんでしょうか?

「監督はスタントを使わずにアクションを撮りたい人なので、私がちょうど良かったんだと思います。前から監督と、もっと飛ばしたものをやりましょうよ、という話はしていたんですよ。それでいただいた台本を読んでみて、『そうこなくちゃ!』と思いました」

続編を匂わせる終わり方でしたが、もし続編が作られることになったらどうですか?

「もう嬉々としてやりますね。辻本監督という人はカッコよくアクションを撮れる監督ですからね。それとユーデン(フレームワークス)の園村(健介)さんというアクション監督のチームがついてくれたんですけど、みんなアクションおたくの集まりなんですよ。アングルにも、ものすごくこだわって。殺陣もちょっと変化球を入れたり、ものすごく独特で面白いんですよ。自分のやったことが、それ以上に見えるという感じがよかったですね。労力が報われるというか。だからこのチームとまた一緒にやりたいんですよね」

変化球の殺陣というのは具体的に言うとどんな感じなのでしょうか?

「たとえば今回の殺陣は、男同士が闘うような殺陣だったんですよ。だから、私の役を男の人に変えて、あのままの殺陣をつけても全く違和感がないと思うんです。普通だったら男性につけるような殺陣を私につけてくれたというのは変化球といえば変化球ですよね。それに関節技やプロレス技、それにブレイクダンスの要素を付け加えたりして。そういう変化球の殺陣は面白かったですね」

女優さんなのに、顔をガンガンやられてましたよね。

「ああいうのも変化球ですよね。アクション監督の園村さんは、私と虎牙さんの殺陣がうまく出来ると、すごく嬉しそうな顔をするんですよ」

激しいアクションシーンでしたが、思わずパンチや蹴りをもらってしまった、というようなことはなかったんでしょうか?

「虎牙さんは百戦錬磨ですからね。あの人はもともとボクサーなので、ものすごく動体視力がいいし、まばたきもしないんです。現場で虎牙さんに聞いたんですけど、ボクサーはまばたきしている間にパンチをくらうから、訓練して3分間まばたきをしないようになるんだそうです。
 だから私のパンチがぶれたり、リズムが狂っても、虎牙さんの方でコントロールしてくれるんで、まったく本当に当たるということはなかったですね。思い切ってやりました」

血のりの量が半端なかったですね。

「アクションが好きで、ゾンビものやホラーものが大好きな私のような人間には、最高の映画でしたね」

ゾンビものが好きなんですか。オススメのゾンビ映画とかありますか?

「最近観たものだと、『28週後…』が良かったですね。物語が骨太なのに、ちゃんと怖いし、でも話は深い。とても見ごたえがありました」

今回の作品をやるにあたり、参考にした作品などはありますか?

「この作品をやる前に参考にした作品は特にないんですが、アクションはいろいろと観てますね。アクションは自分でもやっているので、他の人が見るよりも、楽しく観ることができると思うんですよ。こういう動きはこうやって撮影してるんだろうなとか、ここはワイヤーで釣ってるんだろうなとか。現場の様子が想像できて楽しいですね」

そうすると圧倒されるアクションとかもあるでしょうね。

「ありますね。『トムヤムクン!』の走り飛び膝蹴りとか。あれは観ていて、ものすごく爽快ですね。その俳優さんのすごさがものすごくよく分かりますね」

あの蹴りはすごいですよね。女性の方と『トムヤムクン!』の話が出来るとは思ってませんでした。

「私の周りはそういうのが好きな人が多いんですよ。あとはタランティーノの『デス・プルーフ』や『プラネット・テラー』とか。『デス・プルーフ』は最高! 映画を観終わって、あんなにスカッとすることはないですよね。『プラネット・テラー』もよかったな」

もちろん水野さんがアクション女優であることを知る人は多いとは思いますが、それでも『踊る大捜査線』や『あの空をおぼえてる』のような作品のイメージを水野さんに抱いている人も多いのではないかと思います。そういう人がこの作品を観たら、驚くかもしれませんね。

「イメージを裏切るのは大好きです。自分という存在を使って、いろんな遊びがしたいんですよね。だから遊び場は一個に限定したくないし、イメージもひとつに限定されると飽きちゃうだろうなと思って。あえてファンの方のイメージを裏切ろうとは思ってませんが、自分の好きなものを選んでいくと、今までのイメージを裏切るようなものになってしまうという感じですね。これは自分の性分なので、仕方がないかなと思ってます(笑)」

それでも今回は、今までで一番コアなところにいってますよね。

「そうですね。この状態をキープしたいんですよ(笑)。『あの空をおぼえてる』みたいなのをやりつつも、もう一方でこういうのもやっておきたいですね」

執筆者

壬生智裕

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