全世界大ヒット・シリーズ!戦慄のソリッド・シチュエーション・スリラー第4弾!!

2004年の『ソウ』から毎年製作され、観る者を恐怖のどん底に突き落として多くのファンを生んだ本シリーズ。前作『ソウ3』では、ゲームの仕掛け人であるジグソウとその助手のアマンダが死に、全ては終わったかに見えた。だがしかし、『ソウ4』ではSWATのリッグ刑事を新たなゲームが襲う。
ジグゾウは言う“私の仕事は続く、ゲームは始まったばかりだ”。
果たして、今回ゲームを仕掛けているのは誰なのか!?
さらに、ジグゾウの過去も明らかになり、さらなる衝撃の展開があなたを襲う!!

スタッフやキャストは『ソウ』リシーズ常連が顔を揃えている。
監督は『ソウ2』、『ソウ3』に続きダーレン・リン・バウズマン。製作総指揮にはシリーズ生みの親であるジェームズ・ワン&リー・ワネル。
SWATのリッグ刑事のリリク・ベント、ホフマン刑事役のコスタス・マンディラー、ジグゾウの妻ジル役のベッツィ・ラセルなど、『ソウ3』から引き続いての出演。

そして今回、第1作からジグソウ役で出演しているトビン・ベルがついに来日!
落ち着いた口調なのは役柄同様だが、インタビュー中にはバウズマン監督をネタにして笑いも起こる冗談好きな一面も。
注目の『ソウ4』、ジグゾウ役トビン・ベルのインタビューをお届けします。










——シリーズ第一作の『ソウ』出演当時、こんなに続くと思いましたか? 

「いいえ。1が撮影し終えた時には2が作られる事は知らなかったし、2を終えた時に3ができるかとうかは皆知りませんでしたし、3ができた時にも4ができるとはわからなかったので、今『ソウ4』が終わりましたが未だに5の事はわからないのです。噂は色々ありますし、話し合いなどもありますが、ハリウッドでは何も信じてはいけないのです。ちゃんと銀行に小切手が届いて、現金化されない限りは(笑)
この『ソウ』シリーズを手掛けているクリエイターたちはとても賢くて、作品が公開されてファンのリアクションを確認するのを待ち、それ以上話を進めないのです。」

——4まで制作される人気シリーズとなった理由は何でしょうか? 

「スケボーをしている13歳くらいの少年たちに、“何故『ソウ』が好きなの?”と聞いたら“すごくクレイジーで、すごくリアルだから”と言われました。それに加えて、学ぶ事もあると言うので“何を学んだの?”と聞いたら、ジグソウがマシューズ刑事に、自分の死の瞬間を正確に知っていたらどのように生きて変わるかという事を聞く場面があるのですが、それに対して自分の手にしている物を感謝する心を学んだという事でした。
それがだけ理由だとは思っていなくて、コンビネーションだと思います。シチューのようなもので、ブイヤベース、チャウダーでもいいのですが、あと私は野球が好きなのですが、あとはカーブなど(笑)そのような様々な要素が少しずつ混じっているからヒットしたのだと思います。繊細で賢く知的で、首根っこをつかまれるような要素もミックスされていますし、リズムは変化しなければいけないし、音楽と一緒ですね。」

——今回はジグゾウの死から始まる訳ですが、冒頭シーンで自分の死体をスクリーンで見た感想は?

「面白いですよ、なかなかそういう機会というのは皆に滅多にあるものではありませんし、大いに楽しんでいます。あのシーンを見ると、今回一緒に仕事をしているスタッフの才能に、なんてリアルなものを作ったのかと感動します。さっきの少年と同じで、“とてもクレイジーでとてもリアル”ですね。」

——ご自身は、ジグソウというキャラクターをどのように感じていますか?

「フロンティア、先駆者など、そういうところに身を置いている男だと思います。月面に住んでいてもおかしくないような進んでいるところがあるのです。孤独ですし、彼に対しては色んな思いがありますね。
また、あなたがたと同じであるところもあって、多面性であって、もちろん子ども時代もあって、強い信念を持っています。世の中には、文句を言うけれど何もしない人は沢山います。けれども彼は違います。彼のやっている事は同意してもしなくても、行動する事は決めているのです。」

——『ソウ』シリーズに出演して、周囲の反応はいかがでしたか?

「普段一緒に時間を過ごす人たちは、あまり映画を観ないので特にそういったリアクションはないのです。子どもだったり、中流階級の親であったり、ホラーというジャンル、様式化された作品に特に興味を持っていない人たちも多いので、彼らの目には私は野球のコーチとして映っていますね。私はリトルリーグの監督であり、父親であり、隣人であるというイメージなので、例え私が俳優でジグソウ役であるという事を知っていても、プライベートな事には立ち入らないですしね。」

——自分の中での心境の変化はありましたか?

「特にないですね、他の役と同じように役柄にアプローチしていきました。『ミシシッピ・バーニング』でFBI捜査官を演じた時も、『ザ・ファーム/法律事務所』でも、『 ザ・シークレット・サービス 』でも、『24』も『ソプラノズ』でも、プロセスは毎回同じで、天使を演じようが悪魔を演じようが自分が誰なのかを知らなければなりませんし、俳優として変えられる事ではありません。
ただ、より経験は豊かにはなりました。作品のレベルというのは関係無く、経験が増えれば増えるほど、自分がやろうとしている事がより上手にできるようになりますからね。どうでもいいような作品からも学ぶ事はあって、より頑張らなければならない訳ですから、より学ぶ事は多かったりもします。」

——これまでジグソウが仕掛ける数々の拷問シーンが登場しますが、一番印象的だったものは?

「注射針ですね、穴に注射針が入って落ちるというトラップなのですが非常にシンプルで、皆が潜在的に持っている恐怖ですしね。時にシンプルなものの方が怖かったりするんですよね。
『ディセント』というとても怖い映画があるのですが、女性の冒険家が沢山出てきて、洞穴に入っていくと中にはクリーチャーがいるという話です。女性の一人が、穴蔵のようなところにはまってしまって、前にも後ろにも行けずに友人も助ける事ができずパニックに陥るのです。もちろんクリーチャーも良い出来なのですが、自分にとってパニック状態というのが一番怖くて、その女性が気にかかりました。」

——自分にとって、「恐怖」とは?

「上がっていく潮ですね、自分は包囲されてどうする事もできずに呑まれてしまうという状態が一番恐ろしいです。
人が恐怖をコントロールするのではなく、恐怖が人をコントロールするのだという事ですね。全てはエネルギーが変化したものな訳で、集中する事でそのエネルギーの方向を変える事ができるのです。
例えば、舞台に上がる前に緊張している役者がいるとします。リー・ストラスバーグという有名な演技指導者は、“その恐怖は君の俳優としてのエンジンがかかった状態なんだ。恐怖はベストフレンドだ”と言っていました。ですから、そのようにいかに変化させるかという事を学ばなければなりません。車が間違った方向に行かないように、すべき事をするのです。」

——今回初めてジグソウの過去が明かされる訳なのですが、これまでのジグゾウと比べて気持ちの変化はありましたか?

「これから起こる暗いものを予感させてはいけないとは思いました。やはり、観ているシーンが今起きているというように見せたいと思いましたね。強さや、楽観さというものを感じて欲しかったですね。何と言っても健康体であるという事、仕事でも成功していますし、そこで未来を想像させるようにはしたくなかったのです。
俳優が予感するというのは良くない事で、ジグソウ自身はこれから起きる事は知らない訳ですから。様々な可能性にオープンに演じるべきで、自分で筆を取り出して色を付け、ジグゾウ自身の中には生きているけれども誰も見た事がない子どもをイメージして描くのです。観客には、彼の目の中に子どもが生きているのを見て取れるような演技を心がけたつもりです。」

——ダーレン・リン・バウズマン監督と続けて仕事をなさっていますね

「彼は踊りがとても下手なんですよ(笑)
スタッフやキャストの持つ才能を引き出して、一つにまとめて映画を作り上げるという監督で、ビジョンもしっかりありますし、やりながらどんどん学んでいるという感じです。一緒に仕事をしていて凄く安心感がありますね。監督の最初の責任は、いい作品を作るという事で、二番目は自分の俳優を守るという事です。悪い演技をしないようにね(笑)」

——次回作もバウズマン監督と一緒に仕事をすると伺いましたが?

「『Repo! The Genetic Opera!』(原題)の話は確かにありましたが、参加はしていません。私も他の事で忙しく、野心的な作品だった為に120%の力を持って望まなければなりませんでした。必要なエネルギーを持って参加できないのであれば、参加しないようにしているのです。」

——現時点で、ご自身がジグソウにメッセージを送るなら、どんな言葉を送りますか?

「彼は自分の心の声を、時間をかけてちゃんと聞いていません。それは彼自身にとって危険過ぎるからです。目的地はわかっているのですけれどもね。
それを伝えたとしても、正しいのかどうかさえわかりません。自分の事は彼の方がよくわかっているだろうし、自分がどこに向かっているのか正確にわかっているけれど、私にはわからないのです。」

——ジグソウとの共通点と、相違点は?

「彼は本当に脳で考えるところがあるのですが、そういうところは似ていると思います。分析力もありますし、読書家で、類の進化や人間の本質のようなものに興味を持っていますね。ディティールにこだわるところもあるようですし、科学への興味も持っているところが共通項で、彼という役を演じる上で役に立っています。
共通しないところで言えば、痛みを作り出そうという意思ですね。孤立の仕方が極端なところも、私も一人でいるのは好きですが、彼ほど好きではありません。
あと、踊りも駄目ですしね。私は踊れますから(笑)
2と3では病院にいますが、私自身は病院が大嫌いです。ジグソウは病室にいる時、楽しいゲームをやっていたし、そこそこエンジョイしているように見えましたね。
『ソウ2』のエレベーターを覚えていますか?あれはかなりクリエイティブだと思うのですが、貨物用のエレベーターをキッチンに変えてしまったのです。彼は何が楽しいのかという事に関して、凄くいいものを持っていると思いますね。ただ悪いだけではなく、マジシャンのようにトリックを仕組んで想像力を掻き立てるようにゲームを仕掛けているのです。」

執筆者

池田祐里枝

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