『キングダム-見えざる敵』ジェイミー・フォックス、オフィシャルインタビュー

−−−あなたの演じた役はかなりタフでしたね。
ジェイミー・フォックス：どうでしょうね。ウィル・スミスはアクションがとてもうまいよね!!　この映画は、アンサンブルのような感じで、みんなで一緒になって作り上げている、というところが気に入っていますね。

−−−この映画が伝えるメッセージについてどう思いましたか？
ジェイミー・フォックス: そう、この映画のメッセージは怖いですよ。ハリウッド的なエンディングではないし、アメリカの愛国精神一色、というものでもないしね。だからこそ、ピーター・バーグがこのアクション映画を撮ったのは素晴らしいことだと思います。でもそれ以上に、彼はこの映画でサウジアラビアの王室ファミリーのモンタージュ写真や、サウジの警察官が自分の息子や娘たちと一緒にいる場面などを見せています。こういったものはアメリカでは目にしませんよね。目にするのはすべて悪い面ばかりで、私たちアメリカ人となんら変わりない家族の姿を見ることはありません。

−−−映画の中であなたは、アメリカは完璧などでは全くない、と言いますね。
ジェイミー・フォックス: 映画を観る人たちが、どちらか一方の味方につかなくてもいいようにしたかったのです。これは政治モノというより、サスペンス映画ですからね。ピーターはこの映画に正真正銘の真実を織り込んでいます。例えば、誰かがオサマ・ビン・ラディンの名前を口にしたとき、僕が演じるロナルドは「奴がどこにいるのか、彼らは知っているのか？」と言います。これは一種のジョークだけど、実際の現場の人たちはこういう感じですよ。連邦捜査官に会って話をしてみれば、彼らが私たちと同じようには考えていない、ということがわかる。これはゲーム。すごくリアルなのだけど、そこにユーモアのセンスがなければやっていられません！

−−−アリゾナの砂漠での撮影は大変でしたか？
ジェイミー・フォックス: フェニックスの近くで撮影していたのだけど、気温は(華氏)105から106度（摂氏40〜41度）ほどにもなりました。暑かったけれど、映画にはぴったりきていましたね。映画の中でその暑さを見ることができますよ。

−−−アラブ首長国連邦での撮影はいかがでしたか？
ジェイミー・フォックス: 8日間行きました。良かったですよ。広大で美しく、人はみんな親切でした。ちょっとラスベガスみたいで、どこもかしこも金ピカという感じでしたね！でも一歩外に出ると映画と同じ世界でした。安全のために常に高速で運転しなければならなかったですしね。ご存知のように現在の状況では、常に警護がつくのですが、アメリカにいるのとはやはり様子が違いますね。電話などが壊れたりすると修理の人が来るわけですが、その修理人を見張る別の人がやって来て、それからその見張りをさらに見張る人がやってきたりするのです！とても大きなプールがあったけれど、誰もいなかったし、広大なホテルでも誰も見かけませんでした。ちょっと妙ですよね。

−−−マイケル・マンがあなたをこの作品に起用したわけですよね。あなたと彼の関係はどんなものですか？
ジェイミー・フォックス: 今の時代、それにショービジネスの世界においては、こういう関係というのは本当に大事だし、今後も必要とされるものだと思います。僕は彼の幼い息子みたいなもので、彼のところに自分のアイデアを持ち込んでみるのです。すると大抵、やめとけ、全然なっていない！と言われる。でもマイケルに話をするのは大好きですね、彼は映画産業そのものですから。これは必ずしも商業的な意味だけではなくて、彼は自分の映画に対して高い品質と水準を保っているということです。