『マッハ!』『7人のマッハ!!!!!!!』のスタッフが生み出したニューヒーローはロケットマン!
貧しき人々を助け、自らの復讐に燃え、ロケット弾に乗って飛ぶ、蹴る!!
今回も、生身のアクションが炸裂、さらにタイのアクション映画らしさを損なわない絶妙な最新VFXを融合させて、驚きのニューヒーロアクションが誕生した。

そんなロケットマンを演じるのは、『7人のマッハ!!!!!!!』に続き主演第二作目となるダン・チューポン。幼い頃から体操、格闘技、剣術、棒術などを学び、アクション監督のパンナー・リットグライ主宰のスタント・チームに参加。
今作では、タイの格闘技であるムエタイによるアクションシーンも披露している。
現在、海外でも注目を集めるタイのアクション映画だが、その主演であるダン・チューポンにインタビューを行った。






——ロケットマンは、どのような役なのですか?

ロケットマンは、子供の時に出家して少年僧になったのですが、その時にこの映画の悪役である黒鬼が水牛泥棒に入ってロケットマンの両親が殺されてしまいました。
それを凄く恨みに思っていて、やがてお坊さん辞めてロケットつくりとムエタイを師匠に習い始めます。やがて成長して水牛泥棒を始めるのですが、単なる泥棒ではなく貧しい農民たちに水牛を分けてあげるのです。ロケットマンの性格は、外の世界にはあまり興味がなく、自分の世界にこもっている物静かな人物と言えますね。

——アクションシーンでは、前作『7人のマッハ!!!!!!!』と比べてムエタイのテクニックがより出されていましたが、どのようなコンセプトがあったのでしょうか?

『7人のマッハ!!!!!!!』では、絶対絶命のアクション技がメインでしたが、今回『ロケットマン!』では違いを出したいと思いムエタイを使いました。
トニー・ジャーのムエタイとは違った見せ方をしようと思い工夫を凝らしました。

——ロケットマンを演じるにあたり、監督からどのような指導を受けましたか?

僕はロケットマンと同じタイ北東部出身なので、演じるのに苦労はありませんでした。
監督も、パンナー・リットグライもタイ北東部出身で話が通じやすかったですね。
タイ北東部の人達というのは、凄く暖かくて、ひとつの家族のようです。ほどほどの生活というのをわきまえている人達です。

——クライマックスで、スタントの師であるパンナー・リットグライとの闘いは、どのように演じたのですか?

パンナー・リットグライとの決闘シーンは、最も気が重かったシーンです。彼は僕にアクションを教えてくれた師匠なので、闘うのは恐れ多いと思いました。
撮影の初日に、花とロウソクを持って行き(タイの習慣で目上の人にお願いをする時に持って行く)挨拶をしました。
やはり最初は傷つけてしまうのが怖くて本気を出せませんでしたが、パンナーさんが僕を蹴って怒らせ、リアルな感情を引き出そうとしてくれました。
パンナーさんの20年の経歴で、師弟での競演はこれが初めてなので誇らしく思います。

——ヒロイン・サオを演じるカニャパク・スワナクードさんは新人という事で、アドバイスはしましたか?
また、どのような女性が好みですか?

彼女は、映画出演は初めてですがCMには出演した事があるので演技は上手でした。ワイヤーに吊られるのが初めてだったので、吊られ方をアドバイスしました。
性格が明るく打ち解けやすい方なので、競演シーンも演じやすかったです。
好きな女性のタイプは、顔にはあまりこだわらないので、性格が一番大切だと思います。
僕が愛したら、愛し返してくれる女性が理想ですね。

——ロケットマンは、サオの前ではシャイで口下手ですが、実際自分自身は好きな人の前ではどうなりますか?共通点はありますか?

好きな女の子の前でシャイなロケットマンと僕は似ていると思います。特に大勢の人の前では照れてしまいますね。
共通点は、一人でどこかへ行ったり何かをしたりするのが好きなところと、口数が少ないところです。

—— 一番撮影が大変だったシーンは?

ナイホイ・シンと彼が連れている水牛の群れとのアクションシーンが一番大変で、1000頭との牛と共演しました。
動物なのでコントロールが難しく、水牛は暑がりなのでケアも必要でした。カメラを構えて立ち位置を決めても全く動いてくれなかったりと一番時間がかかり、人間よりも水牛の方が偉いのだなと思いました(笑)

——前作の『7人のマッハ!!!!!!!』の時と比べて、俳優としての変化はありましたか?

俳優としても心構えは前作も今回も変わらず、与えられた役を精一杯演じるという事ですね。監督が、自分を役者として期待して起用してくれているので、それに応えるというのが第一だと思っています。

——次回作はどのようなものに挑戦したいですか?

実は、今次回作は準備中で、今回と同じくチャルーム・ウォンピム監督によるアクションコメディーです。役者として自分のキャラクターの幅を広げたいと思っていて、色々な役を演じてアクション意外にも演じられるのか能力を試してみたいです。

執筆者

池田祐里枝

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