不思議な世界に迷い込んだ姉弟の成長物語『ルート225』DVD発売! 多部未華子さんインタビュー
今注目の若手実力派女優・多部未華子主演作『ルート225』のDVD発売が決定!ナチュラルな演技で観る者を惹きこむ多部さんは、本作で14歳の少女が√225=15歳へと成長していく様子を見事に演じきっている。
『ルート225』はちょっと変わった物語。主人公は多部さん演じる中学2年生の姉・エリ子と弟・ダイゴ。2人は家に帰る途中で不思議な世界に迷い込んでしまう。ダイゴが持っていたテレカだけが元の世界にいるママに通じる唯一の手段。果たして無事に帰ることはできるのだろうか・・。
芥川賞作家・藤野千夜の同名小説を映画化した本作は2006年春に劇場公開され、そのストーリー性と十代の心を鋭く捉えた描写が話題を呼び、多くの人々の支持を得た。
今までに見たことないような世界、そして新たなハッピーエンディングとも言えるラストが楽しめるこの映画について主演の多部未華子さんにお話を伺いました。
—— 弟・ダイゴとの掛け合いなど、思わず笑ってしまうシーンが多い映画ですが、人を笑わせる演技は難しかったですか?
「演じてた時は、観た人におもしろいって言われると思いませんでした。あまり意識はしてなかったんです。台本を読んで、自分で演じても、それが第三者から見て笑える会話だとは思ってなかったですね。二人のやりとりがおもしろかったって言ってくださる方はいっぱいいたんですけど、私にとっては意外でした(笑)。」
—— 台本を読んだ時はどんな感想を持ちましたか?
「原作から読んだんですけど、すごく楽しかったです。やっぱり最後の結末には「結局そうだったんだ!」って思いました。普通のハッピーエンドな終わり方ではないので、これをハッピーエンドにしちゃうのはすごいですよね。本を読んでる途中で考えた予想とは違う展開になったのでビックリしましたし、今までにない感じだと思いました。台本にはオリジナルキャラクターも出てきませんし、ホントに原作通りだったので、ただ台本読んでもおもしろいなと思いました。」
—— ラストはすぐ受け入れられました?
「やっぱりすぐには受け入れられなかったですね。エリ子はこっちの世界でもやっていこうと思ってそれがハッピーエンドになるけど、何で?って思いました。原作を読んだ時にも思いましたけど。」
—— 多部さんにはお兄さんがいらっしゃるそうですが、映画の中で弟ができてどんな感じでしたか?
「弟はいらないですね(笑)。よく友達から”末っ子っぽいね”って言われるし、自分も甘えたがりなので。弟がいたらお姉ちゃんなんだからしっかりしなきゃいけないっていうのがあるじゃないですか。だから嫌です。末っ子でいたいですけど、でも弟か妹だったら妹がいいですね。女の姉妹って小さい頃はよくケンカをするけど、大人になったらすごく仲良くなるっていうイメージがあるんです。だから女同士として相談できる人が姉妹としていたらいいなって思います。羨ましいですね。」
—— 弟役の岩田力くんと共演されてどうでしたか?
「撮影当時は私が高校2年で、岩田くんは小学校6年ぐらいだったんですけど、年がそれだけ離れていたので基本的なことが合わないんですよ。向うは「ケロロ軍曹」みたいなアニメが好きだったんですけど、私は興味がなくて(笑)。撮影前に”好きなテレビ番組”とか”好きな食べ物”とか、2人の共通点を探すために表を作ったんです。2人で相談して1つでも共通点を見つけてくれって監督に言われてやったんですけど、結局1つも見つからなかったんです。全然ついていけなくて。なので撮影中はあまり話しませんでした。ほとんど私はメイクさんと衣装さんとずっと話をしてて、岩田くんも好きなことやってたので、一緒にはいなかったですね。」
—— もしもこの映画みたいに不思議な世界に入り込んでしまったらどうしますか?エリ子みたいに落ち着いていられますか?
「どうだろう・・。でも親がいない世界なんて考えられないですね。すごく慌てるとは思うんですけど諦めも早いので、すぐ”あ、もうだめだ”って思うと思います。」
—— 映画では14歳から15歳への変化の時期が描かれていますが、当時高校2年だった多部さんが演じる時はどう思いました?
「自分の実年齢より年下の役を演じるのは結構多いので、それに関しては違和感はなかったですね。」
—— 14や15の頃から比べて変化を感じられたりしますか?
「中学生の頃はジャズダンスに燃えていて、本当に休まずに週に何度も何度も通ってたんです。学校から帰ってきたらダンス仲間と遊びに行って、そのまま地元のダンススタジオに行ってしゃべったりご飯食べたり、早めに行ってダンスを踊ったりしてて。とにかく毎日ダンスの生活を送ってたんです。それで14とか15の頃は、今が楽しければそれでいいってずっと思ってました。でも今は将来のこともちゃんと考えないとな、って思い始めてるんです。そういう意味では変化を感じていますね。」
—— 今高校3年ですよね。大学で楽しみにしてることはありますか?
「制服が着れなくなるのが淋しいんです。卒業したら制服みたいに短いスカートは穿けなくなるのかな?って思います。卒業したとたんに着れなくなるってよく言いますよね。卒業して制服着たらコスプレになっちゃうし。」
—— どういう作品に興味がありますか?
「戦争映画を今年の4月か5月頃まで撮ってたんですけど、今まで戦争を身近に感じることができなかったので、自分達が経験していない過去のことぐらいにしか思えなかったんです。でも戦争映画を通して今までとは違う目線で感じたので、戦争を題材にしたドラマなどにもすごく関心を向けるようになりました。たぶん普通に歴史を習って、普通に勉強してるだけじゃ全然続かないんですけど、映画を通じてそういうことにも目を向けるようになったというのがすごく自分の中でも大きかったんです。だからこれからも歴史も交えたお話があればやりたいですね。そしたらもっと興味を持つようになるかなって思うんです。」
—— 『ルート225』と同じ時期に『夜のピクニック』の番外編『ピクニックの準備』のDVDも出ますよね。長澤監督は2作目ですが、やりやすい監督なんですか?
「すごく個人個人が自由にやらせてくれる方なので自由にできてやりやすいんですけど、演技指導がほぼないのでちゃんと自分で考えなきゃいけなくて、これでいいのかな?って思う時もあるぐらいなんです(笑)。撮影中に誉められることもなければダメだって言われることもないので、
あまりにも自由すぎて不安に思ってしまうっていう難しさはあります。」
—— 中村監督はどうでした?
「リハーサルが撮影前に結構あったんですけど、その時から岩田くんとのやりとりにもそんなに指示は出されませんでした。普段からのほほんとしてて、すぐ怒るわけでもなく、すごく誉めるわけでもなく。中村監督もすごく自由にやらせてくれました。」
—— ホラーをよく撮られている監督だからなのか、この映画でも少しゾクっとするところがありました。
「私はあんまり感じなかったんですけど、私の父は「おお、これはやっぱりホラーやってるだけあんなぁ。やっぱりそうきたか!」ってひたすら言ってました(笑)。父は映画に関してうるさいんですよ。私は傍で相槌打ったりしてました(笑)。」
—— お父さんと映画について意見を言い合ったりするんですか?
「いい映画はすごく薦めてきて部屋に持ってくるんで、ものすごく溜まってくるんです(笑)。だからさりげなく父の部屋に返したりするんですけど(笑)。映画は一緒に観にいくことが多いですね。父と一緒に観にいく時は邦画よりも洋画の方が多いんですけど、私は邦画の方が好きなんです。邦画はすごく技術的なところを見てしまうんですが、洋画だとそういうことは全然なくて、一人の観客としてただ楽しんで観てます。邦画って1つでも”違うな”ってところを見つけちゃうと、もうその映画は私にとってはダメになっちゃうんですよね。カット数とか数えちゃったり、ここはこう撮ってるんだな〜って思いながら観てます。だから仕事する前の方が素直に楽しんで観れましたね。」
—— 服のデザインが結構奇抜ですよね。
「既製のもので、衣装さんが選んでくれたものです。衣装合わせの時はあんまり他のものを着たりせず、これで一発だったような気がします。」
—— 『ルート225』をこれから観る人に何かメッセージがあればお願いします。
「全てを知らない人は最後の結末にきっとビックリすると思うので、ホントに最後の最後まで余所見できない映画だと思います。楽しんで観てください!」
執筆者
umemoto