“小さいけれど大切なこと”を気づかせてくれる映画「晴れたらポップなボクの生活」。

会社を辞めたら、寮を追い出されたボクが行き着いた先は、河川敷のダンボールハウス村。
そこで出合った先輩ホームレスのユウさんと東京中をひたすら歩く“旅”にでるボク。でもそれはただの旅ではなく、償いの旅だった。
人には悲しい事、辛い事がたくさんある。時には逃げ出したくなる事も!でもボクはユウさんと歩いて分かった。この足さえあれば、家がなくても、お金がなくても、晴れたらいつだって前を向いて歩いて行ける!
ちょっと変わったロードムービースタイルで、繊細な人々の心を優しく、ポップに描いた本作。37年ぶりの主演となるピーターこと池畑慎之介、片桐はいり、板尾創路、木村祐一、多岐川裕美、そして山城新伍など個性ある俳優陣が勢揃い。

そんな中、ユウさんとの“旅”を通し少しづつ成長する主人公ナオキを演じたのは、カラテカの矢部太郎。 どんな“小さいけれど大切なこと”に気づいたのだろうか? 撮影中の秘話や思い出などと共に心境を語ってもらった。

☆2006年1月21日(土)より、テアトル新宿にて公開中




−− 主演のオファーが来た時はどう思いましたか?
主演と聞いてびっくりしました。ボクでいいんですか!?まずいですよ…と思いました。
でもホームレスになりかけてる役と聞いて、なら出来るかなぁとちょっと安心しました。
今も結構そんな感じですし(笑)

−− 撮影前に監督からアドバイスを受けましたか?
毎日沢山歩いてくれ!と言われました。監督自身、とても歩く事が好きな方なんですが、なんでもよく歩く人は自分の歩幅が一定でリズムがあるんだそうです。それを身につけて欲しいと。なので毎日いっぱい歩く様にしました。1駅族っているでしょ。えっ!知りませんか?1つ前の駅で降りて、そこから歩く人のことですよ!(笑)ボクは1つではなく、2〜3駅前で降りて歩くようにしました。
元々歩くのは好きなんです。免許は持ってますがペーパードライバーですし、実は以前姉からジャガーを貰ったのですが、1度運転したら居心地が悪くて。皆回りが変な目で見るんですよ『こんな奴が乗ってるのか??』って感じで。だからやめて、しかも自転車は盗まれてしまったし。歩いてますよ〜

−− 役作りなどはおこないましたか?
役作りは、相方にホームレスの体験をした方がいいよとアドバイスされ、新宿の公園で一夜を明かしたりしましたが、ちょっと怖かったです(笑)
それと、日焼けする必要があって、板尾さんはサロンに通っていたそうですがボクはちょっと恥ずかしかったので、太陽で自然焼けをして頑張りました。でも板尾さんがサロンで寝てる姿を想像すると…なんだか可笑しいですよね。

 −− 撮影中は監督から何か言われましたか?
何もしないでいいよ!と言われました。何も考えなくていいよ。と。
時々ボクなりに抑揚つけたり、ひねったりしてみたのですが、その度に『違う!そのままでいい!』と言われてました(笑)。

 −− ピーターこと、池畑慎之介さんとの共演は?
撮影前はすごくドキドキしました。でも今回は汚いおっさんの役で、いつも見る“ピーターさん”ではなかったから、それ程緊張しないですみました。

 −− どのシーンが楽しかったですか?
2人で自動販売機にお釣りが残っていないか探すシーンや、夜の銀座をユウさんと2人で酔っぱらって歩くシーンが楽しかった。
ユウさんは、ボクが彼女に電話をしているシーンがリアルな感じで良いね!って言ってくれました。
他にも楽しい、素晴らしいシーンが沢山ありますよね。
すごい役者さん達が勢ぞろいですから!

 −− 矢部さんはこの映画を通して気づいた“小さいけれど大切なこと”は?
お金がなくても大丈夫。頑張りすぎなくても大丈夫、そして売れなくても大丈夫(笑)

 −− 最後にこれから見る人に一言お願いします
是非見に来てください。そして見たら、歩いて帰ってくださいね。“1駅族”ですよ!!

ナチュラルで独特な雰囲気、そして回りをホンワカムードにさせる不思議な魅力を持つ矢部太郎さん。彼のそんな魅力が映画にも溢れんばかりに表現されている。
あなたも“小さいけれど大切なこと”を見つけに映画館に歩いて行ってみてはいかがですか?

執筆者

桜井裕子

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