若槻千夏、太田千晶、岩佐真悠子。グラビア、バラエティ、映画など各方面で活躍するフレッシュな彼女たちを主演に迎え、高校卒業後それぞれの道を歩きはじめた少女たちの戸惑いと葛藤をちょっぴりビターに描いた『想色〜オモイ・ノ・イロ〜』。
なかでも、新米スタイリストとして夢の実現に向けて戸惑いながらも精一杯頑張る女の子・祐香を好演したのは、グラビアやCMなどで活躍し、最近では『青い車』(奥原浩志監督)や『鍵がない。』(山田英治監督)など映画への出演も増えている太田千晶さん。
 「同世代の女の子に、悩んでいるのは自分だけじゃない、みんな同じ悩みを抱えてるってことを感じてほしいですね。」と語る。グラビアアイドルから女優へと活動の幅をひろげつつある彼女に作品について聞いてみました。








— 台本を読んでの感想は?
「3人それぞれ性格が違っていて、私の演じた祐香はあまり前に出ないで、杏奈と亜紀の性格をわかってあげて仲介してあげたりするような子で、私も地元の友達のなかでは、どっちかというと自分から仕切るタイプではなくてみんなを遠くから見ているタイプなので、この役はやりやすかったです。映画に入る前に、監督から「この役はどんな子だと思う?」と聞かれてよく話し合っていたのでやりやすかったです。」

— 若槻さん、岩佐さんという同世代の女優さん3人での共演はいかがでしたか?
「千夏ちゃんと岩佐ちゃんとは、顔見知りではあったんです。実は、千夏ちゃんのことは前から大好きで、以前仕事ではじめて会った時にナンパしたてるですよ(笑)。 「友達になってください!」て言って携帯番号とかメアドを交換して。だからメールで連絡はとりあってたんですけど、撮影に入るまで一緒に遊んだことはなかったです。だからまさか共演できることになるとは思ってなかったのでうれしかったです。3人が主役でという現場は、一体どんな感じになるんだろう?と思ってたら、…すっごい楽しかったんですよ! やっぱり同世代だし、騒いでばっかいたっていう(笑)。でも3人一緒のシーンって実は少なかったんですよね。それぞれのストーリーが同時に進んでいく構成なのでみんなバラバラが多かったです。だからもっと3人のシーンが欲しかったな、なんて実は思いました。3人で温泉に入るシーンもあるし、浴衣着て花火したり…っていうシーンもあったんですよ。」

— 回想シーンにでてくる、3人が旅行にいった時のビデオは素で楽しそうでしたよね。
「すっごい楽しかったですよ!電車の中でみんなでビデオを撮りあったり、お弁当食べたりして「わーい、わーい」って(笑)。演技と素が半々ですよ。」

— 今回はじめての主演ですが、いかがでしたか?
「すごくプレッシャーはありましたね。撮影初日からすでに前田耕陽さんとのシーンだったので、大先輩と一緒なのでパニックになったり。でも撮影が進んでいくと、若槻さんと岩佐さん3人一緒のシーンが出てきたりして、そういうシーンではすごくほっとしました。やっと3人揃ったな、と思いましたし、3人のシーンが一番リラックスしてます。」

— みんなそれぞれ悩んで葛藤する中で、実は太田さんの演じた祐香チャンが一番複雑な状況だったような…
「そうなんですよ。杏奈のことも好きだし、杏奈のお母さんはスタイリストの先輩で、そのお母さんの彼氏のことが好きで、また、ADの男の子のことも気になってて…という、すっごく複雑な状況だし心境もぐちゃぐちゃなんですよ。むずかしかった。私自身そんな一気に色んな人に恋することってあんまりないので(笑)。あと、セリフがなくて表情でみせる芝居も多かったんですよ。」

— 太田さんからみて祐香チャンはどういう女の子だと解釈しますか?
「けっこう複雑なんですよ。祐香は優柔不断なんですかねぇ…、でも仕事のこととか恋愛のこととか色んな悩みがあって、不安定な精神状態だったんですよね。誰かにそばに居てもらいたい、っていうのがあるんだと思います。」

— 高校卒業後の女の子たちの抱える悩みや葛藤は、同世代の太田さんにはどう映りましたか?
「わたしもお仕事をはじめて、いままでずっと一緒だった地元の友達と何週間も会えなくなったりそういうことはあるんですけど、その自分がいなかった時の話題とか起きた出来事とかそういうのをみんなと一緒に居れないのが寂しく思ったりしますね。やっぱり、ずっと友達ばかり優先はしていれないんですよね。この年頃って難しいんだなって色々考えることもあります。だから同世代の人たちに見てもらいたいです。悩みがあっても自分だけじゃないんだ、って感じてもらいたいです。」

— こんな風に女の子の複雑な心境を繊細に描いた「想色」ですが、ちなみに喜屋武監督ってどんな人なんですか?
「役者に対しては、「まず、自分の好きなようにやってみて」っていう感じの方で、とくにあれこれ言われたことはなかったです。演技は、とりあえずまず自分なりにやってみて、何パターンか試してみた後でやりやすいものにしたり、監督もいいと思ったものを採用したりしました。いいところはすごくほめてくれるし、ダメなところはダメってはっきり言ってくれる方でした。喜屋武(きゃん)監督だからってことで、岩佐ちゃんが、ニックネームで「きゃんとく、きゃんとく」って呼んでました。岩佐ちゃんはすごく明るくて現場でもムードメーカーでした。」

— 撮影で一番たのしかったのは?
「楽しかったのは、撮影中スタッフの方がカレーを作ってくれたこと。普段ロケ弁が多いのでそういうの新鮮だったし、みんなで食べたってことが楽しかったです。すごく癒されました(笑)。わたしは福神漬けとらっきょうを買いにひとりでスーパーにおつかい行ったんですが、何人分買ったらいいのか、とか計算したりしてて30分くらいスーパーでうろうろしてて。カレーはもう出来てたのに福神漬けが来ないってみんなゆってたみたいで(笑)。あの時のカレーはおいしかったなぁ。」

— 気に入っているシーンは
「自分たちをビデオで撮りあってるところです。旅行にいった土産物屋さんであれがかわいい、これがいいとか言い合ったりして。私と岩佐ちゃんがキーホルダーをべた褒めして、プロデューサーの方に買ってもらったり(笑)。私自身も旅行気分でした。箱根の方だったんですがすごくあじさいが綺麗な時期でした。もっと3人でお泊りとかしたかったです。」

— 撮影後は3人でつるむように?
「集まろうよ!って、そういう話はしているんですけど、2人とも忙しいのでまだ実現できてないんです…。そういう時間があれば3人でゆっくり撮影話とかできたらいいなぁ。」

— 今後の予定は?
「映画ももっと出たいし、グラビアもやりたいんです。テレビやドラマにも出たいんです。できることならなんでも挑戦したいと思っています!」

執筆者

綿野かおり

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作品紹介「想色〜オモイ・ノ・イロ〜」