「アーサー王伝説にはアメリカの俳優はそぐわない」との、ジェリー・ブラッカイマープロデューサーの拘りで、若手英国俳優によるキャスティングがなされた『キング・アーサー』。
 主人公アーサーにとって無二の親友であり、二本の剣を自在に操る最強の剣士ランスロットを、寡黙な佇まいに情感をこめて演じているのが、海洋冒険テレビ・シリーズ『ホーンブロワー』の主役をはじめ、様々な出演作品で注目を集めるヨアン・グリフィズだ。既に、日本でも熱心なファンによるファン・サイトがあるほどのヨアンだが、本作のランスロット役で、女性観客を中心にその人気がより広くブレイクするのは間違い無いだろう。
 スーツ姿でインタビュー・ルームに現れたヨアンは、劇中でワイルドな印象を与えていた髭も剃り落とし、常に笑顔を絶やさないその姿はまさに英国の若きジェントルマン。一つ一つの質問に、丁寧に答えてくれたヨアンの声をお届けしよう。

$navy ☆『キング・アーサー』は、2004年7月24日より丸の内ルーブル、丸の内プラゼール他にて全国ロードショー公開!$




——“アーサー王伝説”の映画化作品にランスロット役での出演が決まった時の感想は?
「キング・アーサーは英国文化において重要な歴史上の人物であり、文化の中でも大きな部分を占めていると思う。私自身は、ウェールズ出身のウェールズ人。キング・アーサーの伝説は勿論ウェールズでも浸透しており、私自身はキング・アーサーはウェールズ人であると思っているくらいだ。今回ランスロット役を演じることが決まった時には、多くの方がその名前を聞けばこういう人だと思い浮かべられる人物を演じられることを嬉しく思ったよ。」

——本作はファンタジー要素を排除したリアル志向の作品になってますね
「私自身、最初に脚本を読んだ時には、時代設定がローマ時代(5世紀)になっていることに驚いた。通常キング・アーサーと聞けば、中世(12世紀くらい)の話を思い出すけど、本作はそれよりもかなり遡ったものになているからね。でも歴史的な要素があり、かつアクション映画である今回の作品は、これまでのような神話的な要素の多いキング・アーサーとは一味違い、もっと観客が身近に感じられるものになっていると思う。それに神話や伝説は、もともとどこかに核となるオリジンがあって成り立っているものであって、今回はそれが、ローマ人の司令官がいたということに置いているというわけだね。」

——寡黙なランスロットの佇まいが印象的でしたが、演じる上で特にポイントをおかれたことは?
「実際脚本をもらったてみたら、それほど長々としゃべる台詞があるわけではなく、台詞が少ない中で練習し演じて行くのは、かなり大変ではあった。でも今起きている様々な出来事に対し、ランスロットならどう反応するか、どう対応するかを考えて、彼になりきることで、楽しみながら演じることができたんだ。スクリーン上のランスロットは言葉が少なくとも、どういう思いでいるのかを、観客がどう読み取ってくださるかがとても興味深いね。」

——アントワン・フークア監督からの演技指導等は?
「アントワン・フークア監督は、俳優から見て私たち自身に自由を与えてくれている感じだった。オープンで、俳優陣がそれぞれの役柄について、自分たちで自由に考え、役作りをさせてくれるんだ。ランチの時などにも意見を出し合い、一緒に決めていくこともあったね。なかなかいない素晴らしい監督だよ。
 ランスロットというキャラクターに関しての監督からのアドバイスとしては、あまり軽くならず、動きを多くすると言うよりはむしろ動かない静という部分を重視する。動かないことによって強さを出すように言われたんだ。」




——本作の大きな見所であるアクションはいかがでしたか?
「今回はこれまで私が演じてきた役に比べると、格段に身体をはった役だった。でもそれがとても楽しく、自分自身好んで演じることができたよ。子供の頃に、チャンバラゴッコをやったよね?今回はそれが、本当に騎士の格好をして、刀をふるって出来るということなんだから、最高だろ(笑)。実際今回の殺陣に関しては細かい部分まで計算されたふりつけがあり、その訓練は勿論行ったし、乗馬についても学んだんだ。
 私がランスロット役に決まったのは、かなり遅いタイミングだったので、水曜日に話をもらって、翌週の月曜にはアイルランドでの2週間のナイトスクールに参加してくれって感じでね。そこで騎士の所作や乗馬等について学んだんだ。だけど、実は乗馬に関しては8年くらい前にやっていて、かなり乗れるようになっていたので、スクールに参加したことで本当のプロ級にまでなることができたよ。
 一番難しかったのは、やはり剣戟アクションのシーンだね。1本ならばまだしも、ランスロットは2本の剣を巧みに操る達人だ。そのアクションは、通常の2倍どころか4倍くらいの労力を必要とすることもままあって、それらをどういう形の振り付けで戦うかという部分は大変だったよ。
 最後の合戦のシーンの撮影は、5週間くらいかかっていてね。私の戦いの部分だけでも、1週間はかかっている。それらは、まず全体としての振り付けがあり、例えば1・2・3くらいの呼吸で動いて、カメラ位置を変えて次に進むといった感じで、細かく刻んでいきまたので、テイク数は本当に膨大なものになったんだ。また、カメラ自身の台数も多く、様々な角度から配置されていたよ。私自身ではないけれど、役者の盾や兜にカメラをとりつけて撮影された部分もあったね。」

——本作、TVで大ヒットした『ホーンブロワー』と、時代劇での御活躍が目覚ましいですね
「特に時代劇を好んでという意識はありません。『ホーンブロワー』にしろ今回の作品にしろ、脚本が素晴らしく役柄に魅力を感じたからこそ出演を決めたんだ。そんな脚本や役柄だったら、断る理由なんかないよね?。同時に、今回の役柄も含めてその役に、私自身の中にあるものを反映させうる部分があるということで作品を選んでいる。今後も、そんな作品ならば、ジャンルを問わずにチャレンジしていきたいね。」

(2004年7月19日、新宿の某ホテルにて)

執筆者

殿井君人

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