トップ・プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマーが、昨年の夏日本でも大ヒットした『パイレーツ・オブ・カリビアン』に続き世に問う時代劇スペクタクル『キング・アーサー』。
 作品はアーサー王伝説を題材にしながらも、原典にあったファンタジー要素を削ぎ落とし、現在の世情を思わせるリアルな世界での戦場英雄譚として仕上がった。さらにCGIオンリーに頼らず可能な限り組まれた現実のセットによる重量感溢れる撮影、計算された殺陣による迫真の合戦場面などが、そのリアル志向を強力に支えている。
 24日からの全国拡大ロードショーを目前に控え、監督・主演陣と共に来日したジェリー・ブラッカイマーに、渾身のプロデュース作品について話を聞いてみた。

$navy ☆『キング・アーサー』は、2004年7月24日より丸の内ルーブル、丸の内プラゼール他にて全国ロードショー公開!$




——今回古典的な題材をリニューアルしたポイントは?
「本作はキング・アーサーものであっても、伝説ではなく歴史上のキング・アーサーものなんだ。これまでの多くの作品では、15世紀に甲冑を着てといったものが多かったわけだが、今回は5世紀というもっと初期の時代を選んでいる。それは、自分でも大好きな黒澤明監督作品にも通じるものだと思うんだ。」

——同時に、かなりストレートに現在の世界を思わせる部分がありますが…
「確かにそのとおり。5世紀に行われていた政治的な戦いが、今日でも又繰り返されている。歴史は繰り返すということが真実なのだと実感しているよ。当時はローマ帝国が、あちらこちらに入っていったわけだけど、今はアメリカがイラクやアフガニスタンに入っていっている。これは勿論私としては、アメリカはいい意味で入っていってると思いたいのだが、そうした状況と似ているような気はするね。」

——精力的な作品作りを続けられてますが、プロデューサーとして最も大事なポイントとは?
「常に一番大変なことは、優れた脚本を得るということなんだ。その中にいい人物が描かれていて、ユーモアやペーソス、ドラマ、テーマ…そういったもの全てが含まれているかどうか。そうしたことに常に気を遣っているんだ。」

——メインの若い俳優が魅力的でしたが、キャスティングのポイントは?
「素晴らしい俳優は、有名・無名といったこととは全く関係が無い。正直に演じ、その役になりきれるかどうかが一番のポイントだね。演技していることが意識されてしまうと、それはもう駄目だと思うし、完全に役になりきる俳優を常にキャスティングしているんだ。私にっとってそうした部分は、経験からすぐにわかるんだよ。」

——最後に日本の観客にメッセージをお願いします
「今回の『キング・アーサー』は素晴らしいものに出来上がったと思う。キーラ・ナイトレイは美しいし、クライヴ・オーウェンはじめ、男性陣も素敵な顔ぶれが揃っている。ドラマがあり、様々なバトルがあって、見応えのある作品に仕上がっているので、是非とも単身で欲しいね。」

(2004年7月19日、新宿の某ホテルにて)

執筆者

殿井君人

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