「いや〜ん、まいっちんぐ!!」の決め台詞で、80年代を席巻した伝説のヒロインマチコ先生こと麻衣マチコ。えびはら武司原作のコミック『まいっちんぐ マチコ先生』は、爽やかなH描写と、ありのままの自分を隠すことなく人をあたたかく受け入れていく素直なマチコ先生のキャラクターが、男の子は勿論のこと同性である女の子たちからも強く支持され単行本は総計280万部の大ベスト・セラーとなり、3年にわたって放映されたTVアニメーション・シリーズも高視聴率を記録し続けた。
 そんな伝説的な作品が、オリジナル実写ビデオ映画として堂々の復活を果たした。ヒロインのマチコ先生役には、元JALスチュワーデスで人気沸騰のグラビアアイドル仲谷かおりが初主演するのをはじめ、ライバル校の校長・浦田役に同じく80年代を賑わし、『コミック雑誌なんかいらない』には本人役で出演していた三浦和義があたるなど、華やか&異色のキャストが集結、そして“宇宙一のC調監督”の異名で知られ、本作を監督するために生まれてきたかのような河崎実の手により先ごろ完成、1月15日に完成記者会見が開催された。

$navy ☆実写版ビデオ映画『まいっちんぐ マチコ先生』は、2003年3月22日よりビデオ&DVD同時リリース!$










会見では、まず本作の特別予告編がマスコミ陣に初御披露目された。河崎監督自ら編集した3分ほどの予告編からも、原作そのまま…いや、ちょっと過激に、健康的なHシーンと脱力系ギャグに磨きがかかっているのは間違い無さそう。続いて、原作者、監督そして仲谷をはじめ8名の出演者が舞台に登場した。まずは、作品を終えたそれぞれのコメントを紹介しよう。

えびはら武司(原作者)——私の25・26の時に四畳半一間で書いたマンガが、こんな大袈裟なことになってしまって感無量です。どんな映画になるか不安でしたが、メチャクチャ面白い映画が出来ました。皆さん期待してください。

河崎実(監督)——私の代表作がやっとできたって感じですね。こんな北からの脅威がある時に、「まいっちんぐ」は無いだろうって感じで、脱力感のある作品になってますので、宜しくお願いします。

まるやま香里(テンコ役)——えびはら作画スタジオのアシスタントをしています。河崎監督の『電エース』を初めて見て、世の中にこんなに面白い作品があるのかと感動して、無理矢理ださせてもらいました。

仲谷かおり(マチコ先生役)——『まいっちんぐマチコ先生』は、私が小学校の時再放送でやっていて、母がマンガ好きでよく夕方食事の支度をしながら見ていたのを一緒に楽しみにみていて、マチコ先生みたいに明るく楽しい、皆のアイドルのような先生はいいなと憧れていましたので、今回主役を演じられてすごく嬉しいです。

三浦和義(浦田校長役)——歴史的な名作に、端役として出れたことは大変光栄です。河崎先生から地のままで結構ですと言われたので、正義感の役だろうと思ったら、悪徳校長役ということで違うんじゃないかとビックリしました。拙い演技で申し訳ありませんが、本当に面白い映画に仕上がったと思いますので、是非見てください。

麻生めぐみ(ミチコ先生役)——今回はライバル役として、“まいっちんぐ!!”に対抗する“こまっちんぐ〜”を印象づけるよう頑張りました。河崎監督の作品は、去年の『恋身女子校生パティ』というVシネマに続いて2作目なんですけど、今回もとても遣り甲斐のある役で嬉しかったです。

北川絵美(ヒロミ役)——本当にこの作品の撮影は凄く楽しく、生徒としていつも大騒ぎをさせてもらいました。マチコ先生もいつも一生懸命なんだけど、ドジッたりとかで生徒ながら冷や冷やする部分もありますが、普段の仲谷さんもいつもニコニコと鼻歌歌ったりしてるんですが、本当にこんな先生が自分の先生だったら毎日楽しいだろうなって感じで撮影をやらせてもらいました。

草加大介(金三役)——今回河崎監督の作品に出させてもらったんですけど、えびはら先生のマンガは中学生くらいの時によく読んでいて、まさか自分が出れるようになるなんて思いもよらなかったのでとても嬉しかったです。







 今回の実写版は、『まいっちんぐ大旋風』、『マチコ先生、ストリップ嬢になる』、『こちら学園から来た女』、『マチコ先生アイドルになる』『最終決戦!まいっちんぐVSこまっちんぐ』の5話からなるオムニバス長編。仲谷はオヤクソクの“まいっちんぐ!!”ポーズに加え、各話ごとに“ラテン”“バレエ”“フレンチポップ”“ヘビメタ”などなど、趣向をこらした“まいっちんぐ!!”ポーズも披露する。原作者からも「原作よりも色っぽく、楽しければいいというイメージのさらに上を行っている」と御墨付きをもらっている仲谷は、憧れの存在でありながらちょっとHなイタズラを次々に受けちゃう役所について「楽しいですよ。今回マチコ先生のキャラが、素の自分に近いんですよ。天然ボケだったり、パンツを家で履かなかったり、ホントに同じですよね。でも今日はちゃんとはいてますよ(笑)」と、あっけらかんとコメント。その天真爛漫なキャラクターは、河崎監督の実写でここまでやるか的な脱力系ギャグ演出と絶妙にマッチしたようだ。
 実写化に当っては、新たな展開やライバル・キャラ等、原作とは異なる展開も多々加えられ、独自の味も盛り込まれている。「マンガをそのまま映画化しようとしても、有名作品は皆必ず文句を言うんです。作ろうとしたらライバル的な展開とか、そういうのがないと持たないと。それでこまっちんぐになってもらおうかなと書きました。ホント、くだらない作品で。面白ければいいんだということで撮ってますので。でもくだらないこと考えるのって、結構大変なんですよ(笑)」と語る河崎監督の確信犯的C調演出も楽しみ。
 そんな河崎監督の発案で登場したミチコ先生の“こまっちんぐ〜”ポーズは、“まいっちんぐ!!”ポーズ以上のベタさで本家に迫る。「結構お笑いっぽいポーズじゃないですか。でもやっているうちに、病み付きになってしまって、私生活でもやりますよ。とても楽しかったです」と答えた麻生は、マスコミ陣の前で生“こまっちんぐ〜”を披露。そうなると当然次は本家もということで、仲谷も生で「いや〜ん、まいっちんぐ!!」。会場に明るいエネルギーを発散させた。
 なお『まいっちんぐ マチコ先生』は、この実写版のみに留まらず初夏頃からは、ゲーム、フィギュアなど様々な商品展開もが予定されるなど、今年は“まいっちんぐ!!”旋風が巻き起こるのは必至か。実写版も「寅さんなみのシリーズになってくれれば」(えびはら)、「スター・ウォーズのようなサーガにしたい」(河崎)と、スタッフはシリーズ化にもなみなみならぬ意欲を見せている。そんな第1弾となる『まいっちんぐ マチコ先生』は、3月22日にビデオ(\8,800税抜き)・DVD(\3,800税抜き)が同時リリース予定(発売・販売:TMC)で、セル版DVDにはお宝映像満載のスペシャル映像特典もたっぷり収録されるとのこと。瞠目して待て!

執筆者

宮田晴夫

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