製作費166億円!!コロンビア映画史上最高額のバジェットも話題のVFX大作「スパイダーマン」がいよいよ5月全国ロードショーになる。公開に先駆け4月5日、東京・フォーシーズンズホテルで、サム・ライミ監督、主演のトビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト、ウィレム・デフォー、プロデューサーのローラ・ラスキン、アビ・アラドが来日記者会見を行った。「スパイダーマンは僕のヒーロー!!」と何度も強調する監督を横目に、トビー・マグワイアは「監督には申し訳ないけど、僕にとってのヒーローではなかったんだよね(笑)」とペロリ。和気あいあいとした会見模様を一部中継する。
(撮影:飯塚克味)

※ 「スパイダーマン」は5月日劇1ほか東宝洋画系にて全国ロードショー!!











——監督に。コミックヒーローの映画化にプレッシャーはありましたか。
サム・ライミ 「スパイダーマン」は子供の頃から大好きだった。とても共感できる、いってみれば仲間の一人のような気がしてたんだよ。彼は学校でも家でも目立つ存在じゃなくて、だけどある時からヒーローになってしまうんだ。
40年間も人気を保ち続けたコミックだから、読者の期待を裏切らないようにしようとそればかり考えながら撮影に挑んだよ。この映画でスパイダーマンを知る子供たちもいるだろうし、憧れにたるヒーローにしなきゃいけないってプレッシャーは相当あったね。

——監督は12年前、やはり「ダークマン」というコミックヒーローを映画化していますね。コミックヒーローという存在、特に「スパイダーマン」とご自身とに通じる部分があれば教えてください。
サム・ライミ 「ダークマン」はアメリカのスーパーヒーローで、「スパイダーマン」は世界のスーパーヒーローなんだ。彼はどの国にいても不思議じゃないキャラクターだと思う。僕との共通点というのは…何か気の利いたことが言えればいいのだけどちょっと少ないかもね(笑)。常々思っているのは彼のようになりたいってことかな。

——スパイダーマンを演じたトビー・マグワイアに。あなたにとっての「スパイダーマン」とは?
トビー・マグワイア サム、スミマセン。スパイダーマンは僕にとってのヒーローではなかった(笑)。ただ、この役を演じられたことには本当に満足しているんだ。本当のところ、スタジオ側では必ずしも僕を押していたわけではなく、サムが是非にもと言い張ってくれたお陰でこの役を手に入れることができたんだ。決まってからは原作を読んで、僕なりに解釈したりしてみたけれど、結果的に僕のスパイダーマンは何百人という映画のスタッフとともに共同作業で作られたものだと思う。サムをはじめこのチームで仕事ができて本当に良かった。

——キルステンに。スパイダーマンと彼に変身する前のピーター・パーカーで揺れ動く女性を演じてますね。
キルステン・ダンスト スパイダーもピーターも基本的には同じ人間なんですけどね(笑)。メリーはピーターに気づくまで表面的な部分でしか男の人を見てなかったんだと思う。彼の存在を意識し出して、ちょっとずつ成長していったとでもいうのかな。対し、スパイダーはミステリアス。そこに彼女は惹かれていくのね。

——あなたならどっちを選びますか?
キルステン うーん(笑)、ピーター・パーカーかな。彼はすごく可愛いと思う(笑)。

——ウィレム・デフォーに。本作では善と悪、二面性のある役柄を演じてますね。
ウィレム・デフォー こういう役を演じるのは非常に楽しいよ。今回の役は本当のところ、誰にでもある邪心を強調するとこうなるという感じだと思う。

——悪役を演じる時はプライベートでも怖くなってしまうといった噂を耳にしたことがあるのですが。
ウィレム 単純な意味での怖さではないと思うんだけど(笑)。どちらにしても役作りにおいて何処までなりきれるかは細心の注意を払っているよ。そこで得られた経験は自分の中に蓄積されてゆくけれど、撮影が終わった時点で一旦は完結するものなんだ。

——本篇での実写とCGについて。プロデューサーに。
ローラ・ジスキン 様々な手法を織り交ぜて撮影を進めたわ。たとえばトビーにアクションシーンを実演してもらって、ビルの40Fなどの背景はCGだったり。基本的にはサウンドステージの前で演じてもらったもの、ロケハンして現場で実演してもらったもの、それとCGの3つ。どのシーンがCGなのか、実写なのか、どちらも遜色なくスクリーンに映るよう、注意を払いました。
サム・ライミ監督 この映画はリアルさを追求したかったので全くのCGのみというのは避けたかったんだ。
 でもね、皆さんお気づきかどうか、ここに座っている僕は本物みたいに見えるかもしれませんが、実はCGであった本人ではありません(笑)。

執筆者

寺島まりこ

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