ジョディ・フォスターが「ファイトクラブ」のデビッド・フィンチャー監督とコンビを組んだ!それだけでも見たくなるファンは多いだろう。パニックルームこと緊急避難部屋で愛娘を守り、犯人と死闘を繰り広げるジョディ・フォスターは強く優しく美しい。事実、3月29日に全米で公開された「パニック・ルーム」はジョディ・フォスター主演作で歴代ナンバー1の滑り出しを見せている。本作撮影後に第二子を出産し、私生活でも(思うに)強く優しい母親業をこなしているだろうジョディがこの度、緊急来日。4月1日に東京・帝国ホテルで行われた記者会見では持ち前の知的な話し方に、ウィットの効いたジョークをまじえ、会場を湧かせた。ここに会見模様を中継する。

「パニック・ルーム」はGW全国ロードショー!!












ーーカンヌ映画祭審査委員長を辞退して、本作に出演したそうですが。
 映画祭の仕事は打ち合わせに入っていたけれど、実際には2週間ほどのこと。辞退するまでの期間がそう長くなかったので、事務局に多大な迷惑を掛けずに済みました。
 何故そうまでしてこの役を引きうけたのかというと、監督のデビッド・フィンチャーとはずっと仕事をしたいと思っていたの。それプラス、シナリオの出来栄えが非常に良かった。

 ーー撮影中は第2子を妊娠中だったそうですが。
 アクションシーンもあって、難しい撮影だったことは事実。子供も撮影の第一週目からお腹にいて、どんどん大きくなっていくでしょう(笑)。で、私が何をやったかというと、とにかく眠る(笑)。ランチブレイクの時も、テイクとテイクの間も眠っていたわ。そうやって休みを撮りつつ、あの映画は完成したのよ。

 ーー娘役のクリステン・スチュワートは、あなたの子役時代をほうふつさせますね。
 この映画のハイライトは、クリステンとものすごく気が合ったということなの。撮影中の私は共演者とコーヒーを飲んでも、役柄を分析したりするよりも、本やレコード、学校の話をするのが好き。クリステンも全くそうだった。実際、私も子役時代、トムボーイ風だったしね。彼女の映画出演は今度が2回目だけれど、映画業界にいる両親の影響か、撮影の合間にカメラのレンズを覗きこんだりととテクニカルな面にも興味があったみたい。でも、それって私の子役時代って全く同じなのよ。
 メグの役は初め、ニコール・キッドマンがやるはずだった。彼女とクリステンは全く違うタイプでしょ。結果的に私がやることになって、2人がとてもよく似ていたというのも面白い偶然だったわ。
 
 ーーこの映画のような避難部屋が欲しいと思いますか?
 うちにはパニックルームはないし、この映画の言いたかったことはそんな部屋を作るのはバッドアイディアだってことなのよ(笑)。

 ーー仮にパニックルームに避難しなくてはならなくなって、3つだけ大切なものを持ちこめるとしたら何を選びますか?
 ・・・(笑)。まず、2人の子供たちをあんな場所には連れていけないから、ハワイに避難させたという前提にしましょう。そこで私が選ぶのは彼らと話すための電話。それにU2のレコード、もうひとつが枕、うさぎの絵が入っている白いピローケースと一緒にね。

 ーー本作もしかり、強い女性を演じることが多いですが、理想の女性像を教えてください。
 うーん、いい質問ね!初めて聞かれたわ。確かに私は強い女性が好きね。教養のない女性、余り頭の良くない女性、シャイな女性、いろいろ演じてきたけれど全部に共通することは強い、ということ。
私が理想とする女性も自分の意見を持っている、独立した人。それにユーモアのセンスが重要な位置を占めているわ。

 ーー母親として、女優として多忙な日々だと思いますが。
 そうね、母の役も女優の役もフルタイムで代休なしだから(笑)、両立させるのは大変なこと。今の仕事のパターンは本数を減らして、2年に1本のペースで映画に出るような感じ。この位の頻度なら私生活を犠牲にせず、役にものめり込むことができるの。

執筆者

寺島まりこ

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