「撮影中も監督と日本に来ることを話していたんだ。今日、ここに来れて本当に嬉しい」(トム・クルーズ)。12月14日、本日が全米公開の「バニラ・スカイ」、本日がジャパンプレミアの「バニラ・スカイ」。昨日の記者会見同様、会場となった国際フォーラムは早くから長蛇の列。当然といや、当然で今日のこの日はただのプレミア試写ではない。監督のキャメロン・クロウ、主演のペネロペ・クロス、そしてトム・クルーズが舞台挨拶をする。18時30分過ぎ、トム一行が赤絨毯に現れたるや嬌声が響き渡り、彼らが楽屋入りするまで20分以上はあったのではないか?その間、握手、サイン、投げキッスとファン泣かせの大サービス。舞台挨拶後もステージに掛け寄ったファンに握手してたトム。こんなスターは滅多にいるもんじゃない!?

 






「バニラ・スカイ」はスペイン映画「オープン・ユア・アイズ」のリメイク。同作をいたく気に入ったトム・クルーズが権利を買い取り、キャメロン・クロウにメガホンを持たせた。ペネロペ・クロスは両作で同じ役を演じている。舞台挨拶で大変だったことを聞かれたトムは一言「NO.」。「まぁ、それは冗談だけど(笑)。俳優として学んだこと全て、プロデューサーとして学んだこと全て、それがこの映画を可能にしてくれたんです」。「そして、キャメロン・クロウ。監督と作った”ザ・エージェント”はオスカーにもノミネートされました。ペネロペ・クルスはこの映画のなかで最もロマンティックな存在ですね。それに、キャメロン・ディアスも出てますよ。彼女も非常にエキサイティングな女優でした」。
 恋仲の噂も久しいトム&ペネロペは舞台挨拶中も手をつないで、頬にキスしての仲良しぶり。ペネロペも「仕事というより、学ぶことの多かった映画です。トムからも監督からもいろんなことを教わりました」だそうだ。
 さて、今年は「あの頃、ペニーレインと」でアカデミー脚本賞を受賞したキャメロン・クロウ監督。「バニラ・スカイ」もオスカーの呼び声が高い。これから鑑賞の向きにヒントをひとつ、ふたつ、みっつ。「オープニングは『麗しのサブリナ』のヘップバーンが出てきます。これはトムが演じる主人公の憧れの象徴です。次に無人のタイムズスクエアが映し出されます。このシーンの広告の渦が物語を解き明かすヒントになっていますね。この映画は観客がゲーム感覚で楽しめる作りになっているんです。人生とは何が現実なのか、そんな問いかけと、もうひとつ、あなたにとってシアワセとは何か、そんな素朴な疑問を投げ掛けました。私にとっての幸せはこの2人と仕事ができたということなんですけどね(笑)」。

執筆者

寺島まりこ

関連記事&リンク

作品紹介