HMVジャパンが、音楽ファンのマインド、ライフスタイルのベースにあるファンタスティックなエモーションを刺激すべく、魅力的な題材のキャンペーンを展開しているHMV2001ファンタスティック・プロモーション。第3弾として好評のうちに開催された「円谷プロNOW&THEN」キャンペーンも、10月21日に最終日を迎えた。
この日、HMV渋谷4階のイベント・ステージでは、キャンペーンを締めくくるべくインストアイベントとして、『ウルトラマンネオス』と『平成版ウルトラセブン』シリーズを手がけた円谷昌弘プロデューサーと平成版ウルトラ警備隊のサトミ隊員こと鵜川薫さんが来場しトーク・ショーが行われ、撮影のこぼれ話や、新作の情報など興味深い話が披露された。またトーク後にはウルトラ・ヒーローやデジタル・カネゴンも舞台に上がって、撮影会・握手会も開催され小さなお友達から大きなお友達まで広いファン層から、熱烈な歓迎を受けていた。









 左右にバルタン星人とペギラが設置された舞台には、ウルトラセブンにエスコートされ…というよりもセブンを付き従えて、円谷昌弘プロデューサーが登場。昌弘プロデューサーは、“特撮の神様”としてその名を知らぬ者などいない、故円谷英二氏のお孫さんにあたられる。小さな頃から特撮ステージに遊びに行き、「特撮には小さい頃から親しむというより、慣らされた(笑)」と語る昌弘プロデューサーは、『平成版ウルトラセブン』シリーズや『ウルトラマンネオス』など、オリジナル・ビデオシリーズを中心に、続々と特撮作品を生み出し広いファン層に夢と希望をつむぎだし続けている。
 そんな、昌弘プロデューサーの『平成版ウルトラセブン』で「気が強くて男勝り、文武両道で、事件が起こると率先して走り銃を撃ちまくる」サトミ隊員を演じたのが、鵜川薫さんだ。ウルトラ警備隊の制服姿で登場した鵜川さん、作品中では颯爽とウルトラ・ホークを操縦し、ポインターを乗り回しているが、実は免許を取ってから初めて運転したのが、この撮影用のポインターだったとか。
 『平成版ウルトラセブン』撮影中のエピソードを尋ねられた昌弘プロデューサーは、「今となっては楽しい思い出と言えるけれど(笑)」と苦笑しつつ、良しにつけ悪しきにつけ、自然の力の大きさについて語った。平成セブン六部作は、病院での撮影からスタートし、翌日からは勝浦に場所を移して撮影が行われたそうだ。海岸での撮影では、鵜川さんはじめキャストの熱演とともに、荒天による大波が逆に自然の素晴らしさを感じさせてくれたが、同時にこのロケ中に雨による落石で1台の撮影用車両が全損してしまったことがあったそうだ。この日は、鵜川さんらキャストの皆さんは雨がやむまで撮影待機中であったため、この場で昌弘プロデューサーから話をきくまでそんなことがあったことは知らなかったとか。裏方として現場を支えるスタッフ陣の、人知れぬ苦労が垣間見える話だ。また、通常本編・特撮の二班体制を取ることが多い円谷特撮作品だが、昌弘プロデューサーの製作作品は「本編と特撮部分のコンビネーションがよくわかるから」ということで、一斑体制で本編を撮り終えてから特撮部分に入る方式を撮っているそうだ。
 因みに気になる『平成版ウルトラセブン』の新作も現在企画が進行中で、来年春から全5巻のオリジナル・ビデオ・シリーズとしての発売を目指し脚本が検討されているところだとか。前作のラストで宇宙に帰ったウルトラセブンを呼び戻そうとする話になるらしく、かなりショッキングな事件も起こるかもということで、ファンには期待が高まる発言だ。








 ここでウルトラセブンが一度舞台から退場、変わって登場したのは昌弘氏が生み出したもう一人のウルトラの戦士、ウルトラマンネオスだ。新時代に誕生したヒーローということもあり、会場の小さなお友達からは、「ネオス!」「ネオス!」と呼びかける可愛い声援が盛んにあがる。そもそも、『ウルトラマンネオス』は、ウルトラマンティガ、ダイナ、ガイナに先立つ企画としてパイロット版が作られたもので、そのまま眠らせるには惜しいヒーロー像だということで、オリジナル・ビデオとしての製作が決定したものだそうだ。因みに、このシリーズの第4話には、鵜川さんもTVレポーター役で出演している。「隊員服を脱いでも、やっぱりちょっと気が強い役でしたね(笑)。でも制服を脱ぎ違った状況での撮影は、凄く新鮮で楽しく撮影に臨みました」と、撮影を振り返る鵜川さん、その凛とした姿には、大きなお友達から魅了されての溜息が漏れることもしばしだ。因みに、作品の九州でのロケは、こちらもやはり台風の時期に重なってしまい、何かと苦労も多かったが充実した現場であったことがうかがわれた。
 この後、会場からの質疑応答が行われたが、小ちゃいお友達からの「ネオスはまた地球に戻って来てくれるの?」という素直な質問や、「がんばってください」という可愛いエールがネオスに送られ、いつの時代も子供たちのヒーローであり続けるウルトラ・ヒーローが持つ、世代を超えてアピールするその姿を強く感じさせてくれる一幕。会場の観客は、年齢に関係なく全ての人が子供になり、ヒーローへの憧れに瞳を輝かせていたのだった。
 「これからもいい作品を作り、ウルトラセブンもまた来年やりますから、是非これからも応援して欲しい」(昌弘プロデューサー)、「(昔の作品同様に)30年経っても色褪せることなく、こうして皆さんの前で発表できるような作品だと思っていますし、もっともっといい作品を観れるように努力しますので、宜しくお願いします」(鵜川さん)とメッセージを送り、トークショーは一先ず終了。続いて、ウルトラマンネオスとともにウルトラセブンとウルトラマン、そしてデジタルカネゴンが舞台に登場して、会場に集まった小さい子供からから大人まで多くの方々一人一人と握手会が開催され、スレンダーで大きなウルトラ・ヒーローやユーモラスなカネゴンを前に、年齢を問わずに全ての人々が子供のような笑顔を浮かべ、力強く握手や記念撮影を行っていた。

 なお、ニュース欄でもお伝えしたように、この後もHMVでは11月3日から開催される『HMV“WE LOVE GODZILLA”キャンペーン』や11月4日から開催予定のHMVプレゼンツ「ジョージ秋山フェア」など、多彩なファンタスティックプロモーションが開催予定なので、小さなお友達からいつまでも子供の心を失わない大きなお友達まで、これからも是非とも期待して欲しい。

執筆者

宮田晴夫