ダサすぎてカッコいい、激レア野郎を大熱演!愛のピザ届けに1300キロ 「Go!」主演・高田宏太郎インタビュー
最初から最後までニヤニヤしてしまうシアワセーーー。高田宏太郎主演「Go!」(注:びっくりちょんマーク付きの本作は、窪塚洋介主演「GO」にあらず)はニコニコではなくニヤニヤしながら観るが相応しい。主人公はチンタラ暮らす高校生、康助。“あなたのピザが食べたい”と惚れた女に言われた日には熱血野郎に変身する。愛の手作りピザを届けるために東京→長崎間1300キロのジャイロの旅が始まったーー!!
「こんなバカな話があるかって思いましたよ(笑)。だけど、脚本がものすごく面白かった。そして、現場は康助より熱かった(笑)」。ダサいの極みがカッコいい激レア野郎を演じた高田宏太郎といえば、もとは“ストニュー”出身のカリスマ高校生、いまや出演作目白押しの新進俳優だ。実はつい先ごろ、テレビ・ロケでマラリアに伏せってしまった高田くん。本稿は文字通り、マラリア完治後の激レア・インタビューとなる。
※「Go!」は10月6日より、シネ・リーブル池袋、横浜・西口名画座でロードショー!!
——矢崎充彦監督自ら、“激レア野郎”康助に指名してきたとか。
俺、「9−NINE」って映画に出てるんですよ。矢崎監督がそれを観て……多分、観たんだと思うんですけど(笑)、それで声が掛かったんです。
最初はこんなバカげた話があるかよって思った(笑)。でも、脚本を読んでるうちに——普段、本は余り読まないんですけど—すっごく面白くなってきて“ああ、演りてぇな”って思って……で、監督にお願いしたんです(笑)。
——本篇を見てからというもの、康助と高田くんをついつい重ねてしまうんですよ。それって失礼なのかもしれないけど(笑)。
性格は似てないですね(笑)。でも、共感できるなって思ったところはありますよ。例えば、今、一番楽しいのは映画の現場だったり、趣味のバンドをやってる時なんです。そういう、本当に好きなことをやっている時って、ガーっていっちゃうタイプなんですけど、康助もジャイロで長崎まで行っちゃうくらいだし(笑)。
——康助って、実は女性からすると非常に魅力的なヤツなんですよ。
へぇー、そうなんですかねぇ(笑)。康助ってヤツはカワイイ。カワイイけど、結構、ギリギリのところにいるじゃないですか。人の財布盗んだりとか、お金払わないでラブホテルから出てくるとか…。でも、それもコイツだから許されるみたいなところを表現したかったんですよ。脚本読んで、何でこんなダサいヤツがいるんだろうと思ったし、でも、そのダサさもちゃんとやり通せばカワイくもなるし、カッコ良くもなりそうだったし…。
——監督からは何か言われましたか?
現場ではありますね。でも、それはやっぱり、お芝居であって、キャラクターは自分で作んなきゃダメですからね。うーん、作るっていうんじゃないな、俺が合わせるんです、俺が作るんじゃなくて。俺が康助というキャラクターに合わせる。脚本、読んだ瞬間に、キャラクターを掴むんです。台本2−3回読んでると、結構覚えるタイプなんですけど、あとはもう、大体のシーンを覚えておいて、実際の現場に臨むというのか…。
——“役づくり”ってことは、余り意識しないみたいですね。
考えないですね。ここはこうしなきゃいけないとか、ああしなきゃいけないとかは考えない。型にハマった芝居って好きじゃないんですよ。たとえば、舞台を観る分にはいいんだけれど(自分が)演りたいとかって全然思わないです。
——矢崎監督はどんな人でしたか?
俺より熱いですよ。どころか、康助より熱い(笑)。現場、すごかったっす。康助って監督の17歳の頃なんじゃないかって思いました。
ケツを出すシーンがあるんですけど、一体、何度出したかっていうほどで、監督は“もっと出せ、もっと出せ”って言い続けてた。
なんていうんですか、撮影でテンションあがってくるとね、みんながオープンになっていくんですよ(笑)。俺はオープンにしすぎたら、絶対、壊れてしまうと思ったから(笑)、必死で守り通しましたけどね。
——撮影は昨年の12月から1月に掛けて。むちゃくちゃハードだったとか。
ああ、もうびっちりでしたね。ロケバス移動だったんですけど、オレはピザーラの制服をずっーと着てて…寝て、起きたら県が違うんですよ。“さぁ、降りて。行くよ”って言われたら、バイクにまたがって(笑)。撮影前半は4時間眠れればいい方でしたね。
——熱が出た日もあったんでしたっけ?
ありました、ありました。微熱だったんで、撮影は続けましたけどね。やっぱ、寒かったんでねェ。クリスマスの日に、広島辺りで撮影だったんですけど、夜で雪が降ってた。
寒さ対策はしましたね。なんでしたっけ、股引じゃないし、えーと、ハッピじゃないや(笑)、パッチですね。初めて履きましたよ(笑)。
——話がそれますけど、最近マラリアに罹ってたんでしょ。大丈夫なんですか?
今はもう、平気ですよ。死んでたのは8月。「ウルルン滞在紀」でエチオピアに行ったんですけど、ロケ中に3日間熱を出し、高山病なんじゃないかって言われた。帰国後は「バックステージ」って映画の舞台挨拶をしたり、普通に仕事してたんですけど、なんだか調子悪かったんですよ。夜になると40℃近い熱が出る。で、病院で血液検査しに行って、マラリアだって。1週間、入院しました。現地で薬飲んでなかったら、死んでたって言われましたよ。
——いやはや、治って良かったですね。今日なんか肌つやつやしてるし。
むくんでるんですよ(笑)。今日は取材の直前まで寝てたんです。俺、よく寝るんです。普段は12時間くらい寝てます(笑)。
——「Go!」の時より、今の方が痩せたような気がするけど。……なんか、こんな質問ばっかりで健康調査してるみたいですね。
ハハハ。痩せたんじゃないかってよく言われますけど、体重は変わってないと思う。というか、太ろうが痩せようが別に気になんないんですよね。
——殆ど出ずっぱりの上、ロードムービー仕立てだから共演者も日替わり状態。プレッシャーは大きかったのでは?
走りのシーンはゲリラみたいなものだったから、かなり緊張しましたね。下関の場面なんか、交通量が半端じゃないんですよ。スタッフはあれを止めてるんですから、失敗は許されないでしょう(笑)。
芝居については康助は康助だったんで、相手の俳優に合せようとか、余り考えませんでしたね。でも、以前の俺だったら、飲まれちゃったかもしれない。「9−NINE」の頃は映画なんて全くわからなかったし。あの映画、2週間で撮ったんですけど、その間に7キロ痩せました(笑)。映画ってこんなに大変なものなのか、って思いましたから(笑)。その経験があって、多少は自信がついたのかな。
——さて、ファンが一番知りたいことを聞きましょうか。康助みたいな情熱的な恋愛経験は?
いやいや、ないですよ。長崎まで追っかけるなんて。
——距離的なことじゃなくても、“好きで好きでいても立ってもいられない”片思いなんかは?
……(笑)。ないですね。
——女の子から迫られることの方が多いのだろうか?
わ、僕ですか(笑)。
——いや、この辺はファンも気になるところと思うので、押さえておいた方がいいかなと(笑)。
わははは。いや、そんなことないですよ。僕から告白したこともありますよ。失恋したこともありますし。でも、あんまりクヨクヨしないですね。だからって、次に行こう、次に行こうとは思わないですけど(笑)。
——もう一つ、聞いておきましょう。好みのタイプは?
……(笑)。タイプはー、なんだろうな。顔のタイプはあんまりないですね。そうだな、場のいい子かな。あと、飯をよく食う子、口がデカくて(笑)。俺がよく食う方なんで。残しても全然、構わないんですけど、チビチビチビチビ食ってるの見ると“うっー!!”って思っちゃうんですよ(笑)。
執筆者
寺島まりこ