岡嶋二人氏原作のホラー・ノベルを、最新のデジタル機材を駆使し、刺激的で斬新な編集により映像化した『クリスマス・イヴ』が、4月21日よりレイト・ショー上映がスタート。公開劇場の新宿シネマ・カリテでは、主演の黒坂真美さん、山村アキラさん、脚本の最合のぼるさん、監督の雑賀俊郎さんによる舞台挨拶がおこなわれた。おりしもこの日の東京は、作中の季節にあわせたかのような4月下旬とは思えぬ肌寒い1日であったが、劇場内は新たな映像体験を楽しみにする満員の観客の熱気で満ち溢れていた。







舞台挨拶は、脚本の最合のぼるさんからスタート。「雑賀監督がオール・スタッフの顔合わせの時にこの作品を愛してくださいとおっしゃったことを思い出し、愛のある作品かもしれないと思いました。だから実はこれは、愛の話。観ていただければわかるかもしれません」と語った最合さん、原作ものということで、原作から何を感じることができ、またその過程で原作には無い場面を感じいかに盛り込んでいくかということにポイントをおき脚本に取り組んだそうだ。

ミュージシャンとして活躍中の山村アキラさんは、この作品の高橋喬二役が映画デビュー作。「撮影現場はかなり寒かったので、その寒さ加減がよく出ていると思う。ちゃんと演技したのはこれがはじめてなので、ぎこちないところもあるかと思いますが、楽しんでいただければいいかなと思います」と、映画初体験の感想を語った。

ヒロインの光瀬敦子役の黒坂真美さんにとって今回の現場は、特殊メイクによる殺人場面などが普段体験できない新鮮な体験だったとか。「丁度1年前に、一ヶ月かけて撮影した作品で、私自身はこの作品を究極のラブ・ストーリだと思っていますので、楽しんで見てください。」と、最合さんと同じくやはりこの作品が“愛”の作品であることを強調していたのは印象的。

小さな頃から人を驚かすのが好きだったというあたり、やはり根っからのホラー好きを感じさせる雑賀俊郎監督も、この作品が劇場デビュー作。観客が始めて見る作品を目指し、デジタル映画らしく260カットという膨大なカット割の作品を撮った雑賀監督は、「この作品は、ただのホラーじゃありません。きっと1回観てもはっきりいってわからない方も多いかと思いますが、そういう方は2度3度と観ていただければ嬉しいと思います」と自信のほどが伺える挨拶を行った。なお、作品のキーワードは“時計”と2フレだけ登場する犯人の顔。これからご覧になられる方は、この二つに注意してほしい。






舞台挨拶に続き、今回の上映を記念した公開記念オークションの商品が舞台で紹介された。商品は全部で4点で、まずは黒坂真美さんが撮影中に着用していた黄色の衣装。今回の撮影中は「ほとんどこれだけ(笑)」(黒坂さん)という言葉どおり、劇中で強い印象を残すパーカーで撮影に用いられた3着の内の1着で、袖口の血糊がポイント。2点目は、オープニングの特殊メイクシーンで使用された、胸をX字に切り裂かれた女性のダミー・ヘッド。「演じる女優さんと同じ色にするのが大変だった」(雑賀監督)という、かなり精巧なつくり。本編中で効果的に使用されながら、残念ながら現時点でサントラ盤の発売予定の無い、神尾憲一さんの音楽をこの日のために焼いたサントラCDが3点目。そして最後は、黒坂真美さん御自身が提供してくださった、香港土産の手提げバッグと小物入れだ。「普通の方に使ってほしい(笑)」と黒坂さん。

オークション商品は、21日から26日の期間シネマ・カリテ新宿のロビーに展示され、そこに設置された受付ボックスで入札が受け付けられ、連日最高値が発表される。26日の終映を持って受付は終了。落札者には、翌27日のオークション発表会にて出演者の皆さんから直接手渡しされるとのこと。ファンの皆さんは、是非参加しよう。

なお、“GAGA+TOEI VIDEO DIGITAL CINEMA PROJECT”の第一弾として製作された『クリスマス・イヴ』は、27日(金)までシネマ・カリテ新宿にて、レイトショー公開中。

執筆者

宮田 晴夫

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作品紹介
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