シネマ・カリテで連夜・好評上映中の新感覚ホラー「クリスマス・イヴ」。26日の上映前には雑賀俊郎監督VS映画評論家・塩田時敏氏のスペシャルトークショーが行われた。「人の回想というのは前後しちゃったりで非常に断片的なものじゃないですか。それを映画にしてみたら面白いかなというのが発端ですね」(雑賀監督)。謎の殺人鬼に追われ恐怖のなかで少女が感じる奇妙な錯覚、この錯覚が鍵になるが時間軸は交錯し、真相が見えてこない本編。「(お客さんには)そのことを覚えていてもらうとわかりやすいですね。知らないで観たら“なんじゃこりゃ”、ってことになりかねない(笑)」(塩田)。これが劇場デビューになる監督、毒舌・塩田氏のツッコミにどう挑んだか。








塩田 新人の1本目がホラーというのも、決まりきったパターンなんですけど(笑)。
雑賀 そうなんですよね、でもスピルバーグも『激突』だとか、ジェームズ・キャメロンも…。
塩田 「殺人魚フライング・キラー」とか(笑)。
雑賀 その1歩を踏み出せたってことが嬉しくもありますよね。とにかく、とことん血にこだわってみました。この作品は日本初のデジタル実写で、普通だったらレールを使うような撮影を編集で処理したりしていますね。
塩田 書くとき、苦労したんですよ。なんて説明しようかと。DJで言うところの“スクラッチ”だとか、“ニューフィアー”とか、当て込んでみたんですけど。
雑賀 いや、それですよ。わかっちゃったのか、悔しいなあと思いましたもの。殺人鬼が実は…っていうパターンは王道なんですけどね。
塩田 いや王道ではないでしょう。邪道でもないでしょうけど(笑)。
雑賀 ラストはどうしようかというのがあって、自分の中では今でも課題なんですよ。あの時はあれが一番、と思ってやったんですけどね。いろんな方からの感想をお聞きしたいです。
 
 「クリスマス・イヴ」のタイトルが持つイメージを逆手に「ホラーと言わず、公開しようかとも考えてたんですけど。立ち消えになって残念(笑)」という雑賀監督。ジャンルにこだわらず、面白い作品をたくさん撮っていきたいと締めくくった。

執筆者

寺島まりこ

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