大阪アジアン映画祭正式出品:映画『シスターフッド』ヌードモデル・兎丸愛美 公式インタビュー
この度、3月1日よりアップリンク渋谷にて公開の映画『シスターフッド』(出演:兎丸愛美、BOMI、遠藤新菜、秋月三佳、戸塚純貴、栗林藍希、SUMIRE、岩瀬亮)が、3月8日から17日まで開催される第14回大阪アジアン映画祭のインディ・フォーラム部門に正式出品されることが決定した。インディ・フォーラム部門は、気鋭監督による斬新で挑戦的な作品を上映する部門。
西原孝至監督にとっては、2013年の劇映画『青の光線』(出演:森岡龍、黒川芽以)と2015年の劇映画『Starting Over』(出演:秋月三佳、遠藤新菜、戸塚純貴)に続き、3回目の正式出品となる。
西原監督は、学生団体「SEALDs」の活動を追ったドキュメンタリー『わたしの自由について』が北米最大のドキュメンタリー映画祭・HotDocsに正式出品、毎日映画コンクール ドキュメンタリー部門にノミネートされるなど、ドキュメンタリー監督としても活躍しており、本作は、西原監督が初めてドキュメンタリーと劇映画を織り交ぜて制作したモノクロ映画。
西原監督は、2015年から、東京に住んでいる若い女性たちの生き方をオムニバスで紹介するドキュメンタリー映画を作ろうと動き始めたが、2017年10月に#MeToo運動が広がると、劇映画部分を思いつき、4年間撮り貯めてきた登場人物の生活に加え、新たに劇映画の要素を撮影し、1本の映画にまとめた。
<西原孝至監督 コメント>
大阪アジアン映画祭への参加は、本作で3回目となり、とても光栄に思います。大阪からアジア、そして世界へ、『シスターフッド』がどう受け止められ、広がっていくのか、心から楽しみにしています。
また、大阪アジアン映画祭正式出品を記念し、ドキュメンタリー部分と劇映画部分の両方に出演した主演のヌードモデル・兎丸愛美のオフィシャルインタビューが解禁になりました。
・ 兎丸さんは、肩書きが「ヌードモデル」です。ただの「モデル」でなく「ヌードモデル」という言葉を使っている理由をお教えください。
わたしは自分に素直でいたくて、ありのままの姿で生きていきたいから「ヌードモデル」として活動していくことを決意しました。ただ服を脱ぐだけではなく、心を裸にするという気持ちも込めて、「ヌードモデル」という肩書きで活動しています。
・ 劇中でもヌードモデルになったきっかけが出てきますが、遺影として撮影したんですよね?
ずっと死にたかったです。死にたかったというより、生まれ変わりたかったのかもしれない。そのきっかけが遺影でした。遺影を撮ったとき、それまでの自分とはお別れしました。真っさらなわたしで生きてみようと思えました。
・ 本作は、西原孝至監督が2015年から、東京に住んでいる若い女性たちのドキュメンタリー映画を作ろうと動き始め、2017年に#MeToo運動が広がると、劇映画部分を思いつき、新たに劇映画の要素を撮影し、1本の映画にまとめたと聞いています。最初はドキュメンタリーの撮影のオファーが来たかと思いますが、どのようなオファーがあったのですか?
メールでお話をいただいて、現代社会における問題とかを見出していくのかなと思っていて、わりとすんなり撮影に入りました。当時は、なんで自分が今悩んでいるのかだとかをわからなくて、暗い何かを抱えていて。でもその吐き出し方をわからなくて。だから、私は写真を撮っていたと思うんです。ドキュメンタリー部分の映像を見ると、やっぱりそれが滲み出ていて、面白いなと思いました。
・ その後、劇映画部分にも出演してほしいというオファーがあったのかと思いますが、どう思われましたか?
(ドキュメンタリーの撮影中、)監督の答えが出るまで時間がかかったと思うんです。記録みたいな感じで撮ってもらっていたけれど、私も正直、それがどう転がっていくのかわからなくて。劇映画部分を加えるとなった時に、「ああ、監督に答えが出たんだな」と思いました。私は西原監督のことを信用しているので、「監督がそうしたいなら、ぜひ協力します」という感じで引き受けました。
・ その前にも舞台などに女優として出演されていたかと思いますが、本人役でのオファーというのはどう思われましたか?
どういう気持ちで挑んだらいいかわからなくて、監督に「私はどうしたらいいんですか?」と聞いたら、「そのままでいいよ」とおっしゃってくださったので、あまり演じることなく、普通に挑みました。
・ 脚本を読んでどう思われましたか?
ドキュメンタリーとフィクションが入り混じっているというのは面白いと思ったんですけれど、脚本を見ても「これはどうなるんだろう?」と、わからなかったです。でも完成したものを見た時に、私はそのままで、演技とかではなく、今の私の状態でフィクション部分に挑んだので、脚本に書かれていた言葉じゃない滲み出る表情だとかで、言葉では伝わらない何かが表現できたのではないかと思いました。フィクション部分にもリアリティがあり、観た方たちは、「何がフィクションで何がドキュメンタリーなのかわからない」とおっしゃています。私もどこまでが本当なのかわからないです。ドキュメンタリーの部分を今見ると、それすらもフィクションと感じる位人が変わっています。
・ 女子大生役の遠藤新菜さんとのシーンが多かったかと思いますが、共演していかがでしたか?
新菜ちゃん、本当にいい子でしっかりしていて、普通にファン目線で応援したくなっちゃいました。目がとてもきれいで、視線が強くて、魅力的な女の子だなと思いました。
・ 西原孝至監督はいかがでしたか?
西原監督は撮影中もいつもと変わらず、終始おだやかな様子でした。そのおかげでインタビューシーンもさほど緊張せず、色々お話できたのだと思います。懇親会のシーンではエキストラの方がたくさんいらっしゃっていて、ひとりひとりとお話している姿も印象的でした。
・ 撮影中のエピソードは何かありますか?
ドキュメンタリーの撮影は西原監督がひとりでカメラを回していて、そのときのことは鮮明に覚えているのですが、西原監督がいた記憶があんまりなくて。いい意味で存在感を消してくれるので、いつものわたしでいられることができました。
・ 観客の方に特に注目してもらいたい部分はありますか?
BOMIちゃんの幸せについて語るドキュメンタリー部分です。私もずらずら語っているんですけれど、あれは私の中ではドキュメンタリーとフィクションが混ざっています。そこだとかに注目してもらいたいです。
・ 公開前にインタビューを読んでいる皆さんにメッセージをお願いします。
わたしは昔から自分と他人を比べてしまうような人間でした。自分の幸せを考えるときも、他人の幸せと天秤にかけてしまって、悲しい気持ちになってしまうことがよくありました。わたしは裸になったおかげで自分を認めてあげることができました。わたしはわたししかいないんだって、そんな当たり前なことにようやく気がつきました。それは幸せになる一歩だったのかもしれません。きっかけは人それぞれです。この作品が自分の幸せについて考えてあげられるきっかけになったら、とても嬉しいです。
<あらすじ>東京で暮らす私たち。
ドキュメンタリー映画監督の池田(岩瀬亮)は、フェミニズムに関するドキュメンタリーの公開に向け、取材を受ける日々を送っている。池田はある日、パートナーのユカ(秋月三佳)に、体調の悪い母親の介護をするため、彼女が暮らすカナダに移住すると告げられる。
ヌードモデルの兎丸(兎丸愛美)は、淳太(戸塚純貴)との関係について悩んでいる友人の大学生・美帆(遠藤新菜)に誘われて、池田の資料映像用のインタビュー取材に応じ、自らの家庭環境やヌードモデルになった経緯を率直に答えていく。
独立レーベルで活動を続けている歌手のBOMI(BOMI)がインタビューで語る、“幸せとは”に触発される池田。
それぞれの人間関係が交錯しながら、人生の大切な決断を下していく。
【出演】
兎丸愛美 BOMI 遠藤新菜 秋月三佳 戸塚純貴 栗林藍希 SUMIRE 岩瀬亮
【スタッフ】
監督・脚本・編集:西原孝至 撮影:飯岡幸子、山本大輔 音響:黄永昌 助監督:鈴木藍
スチール:nao takeda 音楽:Rowken
製作・配給:sky-key factory
(c) 2019 sky-key factory 2019 / 日本 / モノクロ / 87分 / 16:9 / 5.1ch
公式サイト:https://sisterhood.tokyo Twitter:@sisterhood_film
facebook: @sisterhood.film.2019 instagram:@sisterhood.film