昨今のハリウッド映画に多大な影響を与えているといわれる香港映画。その香港映画の今日を伝える香港映画祭が、10月28日、渋谷東急を会場に開幕した。11月3日の閉幕まで16作品が上映される。
 オープニングセレモニーでの、チュン・マンイー実行委員長(香港特別行政区政府駐東京経済貿易代表部・首席代表)の「若い世代の作品を知っていただきたい」という言葉が示すように、上映される16作品のほとんどは1999年から2000年にかけて制作、現地公開されたとびきりフレッシュで個性的な映画がメイン。返還から3年が経ち、スターも監督や製作者も新しい世代が表舞台を飾るようになり、より洗練された作品が作られている。

「本当にこのところ香港映画は面白い作品が多く、どれを選ぶかはとても難しい作業でした。どれもオススメの作品だと自負しています。今回の上映を逃すと、いつ見れるかわからない作品もあります」
 と市山尚三プログラミング・ディレクター。

 選りすぐった16作品のなかからオープニング・フィルムに選ばれたのは、映画祭会場である渋谷など全編東京で撮影されたアクション映画「東京攻略」。今年の旧正月映画として公開され大ヒットした(香港では正月は旧暦で祝い、映画もこの時期に大作が揃う)。ゲストとして、今回「星願」というラブロマンスも出品しているジングル・マ監督、そして主演のイーキン・チェン、共演の阿部寛が舞台に上がった。
「日本の俳優はプロ意識が強いですね。私自身も勉強させていただきました」
 と語るマ監督。その日本の俳優を代表してやって来た阿部は、
「香港映画の現場には、常にパワーがありますね。一緒にやっていて、元気になれる」
とコメント。
 主演のイーキンは
「とてもリラックスした作品です。アクションに注目してください。」とアピール。10月が誕生月ということで、客席のファンからのハッピーバースデーの合唱に笑顔で応えていた。

執筆者

みくに杏子