“念願のパワード・スーツが着られて最高だね”『スターシップ・トゥルーパーズ3』キャスパー・ヴァン・ディーン、インタビュー
人類VSバグズの戦争は今も続いていた!
『スターシップ・トゥルーパーズ3』(以下『ST3』)は、第1作の主人公ジョニー・リコをカムバックさせるなどシリーズの原点に立ち返るとともに、前2作では実現できなかった大迫力の見せ場まで盛り込んだ注目作。最新CG技術が生んだ壮絶なアクション、そして新種バグズの恐怖と新型メカニック群の勇姿は観る者を圧倒する。
寄生型バグとの戦いを描いた第2作から一変し、『ST3』では第1作の流れを汲む壮大なスケールの宇宙戦争が再び展開される。爆弾バグ、スコーピオン・バグ、そして全バグズの原種でもある超弩級の大型バグなど新種も続々登場。そんな敵を殲滅すべく連邦軍が送り込んだのは、究極の決戦兵器パワード・スーツ“マローダー”。原作小説「宇宙の戦士」で機動歩兵部隊が着用する装備として描かれながら、映画版の前2作では諸事情もあって登場することのなかったパワード・スーツをスケールアップしたもの。原作者ロバート・A・ハインラインが描いたパワード・スーツ(小説での邦訳は“強化防護服”)は、『エイリアン2』、『マトリックス』シリーズ、『機動戦士ガンダム』など数々のSF作品に多大な影響を与えてきた。
『ST』シリーズすべての脚本を担当したのがエドワード・ニューマイヤーは、『スターシップ・トゥルーパーズ』の世界を誰よりも知り尽くした人物。そんな彼が『ST3』でついに監督デビューを飾ることになった。「第1作にあったものを取り戻したいと思った」というニューマイヤーは、その意図に相応しいオリジナル・ストーリーを書き起こし、見事に映像化してみせた。
なお、今年は第1作の日本公開からちょうど10年目にあたる記念すべき年に、全世界に先駆けて日本における劇場公開が決定した。
今回は伝説のヒーロー、ジョニー・リコを演じたキャスパー・ディーン・ジョーンズのインタビューをお届けしよう。
今回、ジョニー・リコとして10年ぶりにカムバックしたわけですが、ジョニー・リコとはあなたにとってどんな存在なんでしょうか?
「ジョニー・リコとしてこの作品に戻ってこれたことは、ものすごく嬉しいことだね。第一作目に自分を起用してくれたポール(・ヴァーホーベン)にも感謝してるし、(今回の監督の)エドには特に感謝してるね。『彼こそがジョニー・リコだ』と言って、自分を見出してくれてたわけだからね。エドもいつかジョニー・リコを復活させたいと思ってずっとこの企画を練っていたんで、非常に感慨深いよ」
第一作目は、戦争を賛美してるんじゃないかと言う人と、逆に皮肉っているんじゃないか、という人と両極端の意見が現れて、賛否両論を巻き起こしたと思うんですが、その点についてはどう思われますか?
「賛否両論を巻き起こすということは、映画に力があるということだよね。もしこのシリーズが、軍隊を賛美しているという風にとられるならば、それは僕は否定はしない。逆に平和を説く人たちに別の意味合いが伝わるんだったら、それはそれでいいしね。
ひとつの映画に別々の意見が沸き起こるというのは、映画に力がある証拠だし、脚本の力でもあるよね。エドはものすごく力のある脚本家なので、そういう意味でものすごく力のある脚本だったということだね。『ST3』でも同じことが起きるだろうから楽しみだね」
『ST』シリーズは残虐な描写が多いですが、どことなくユーモラスでもありますよね。
「ユーモアのセンスというのはお国柄というのがあるんだよね。最初の作品では、ヨーロッパ人や日本人は我々の意図するところをよく分かってくれていたんだけど、アメリカ人は半分くらいしか分かってくれなかったんだ。面白い映画というものは、必ずしも、滑稽なことをしなければいけないものでもない。そういうことをしなくてもユーモアというものは発揮できるものだと思うんだ」
本作では、原作でも人気の高いパワード・スーツの“マローダー”がいよいよ登場するわけですが、“マローダー”に乗った気分は?
「僕は原作を12歳の頃に読んでいて、その頃から大好きだったんだよ。それだから一作目に出演する話が来たときに大喜びしたんだ。パワードスーツが着れると思ってね。是非とも! という感じだったんだけど、残念なことに一作目には登場しなかったんだ。だから今回、念願がかなって、このパワードスーツを着ることが出来て最高だった」
執筆者
壬生智裕