女子中高生のカリスマ的存在と言われるベストセラー作家・Yoshiの同名小説を完全映画化した『ディア フレンズ』。

”友達”を主題にした作品はこれまでにも溢れるほど排出され、すぐに時代に飲み込まれてきた。
そんな中に生まれた本作『ディア フレンズ』は、一際違った色を放つ。
「友達って何?」
そんなメッセージを役者が、スタッフが、まっすぐ問いかけてくるのだ。

真剣に自分と、他人と向き合うこと。
希望を持つこと。

この作品にはあなたを素直にしてくれる力がある。

DVD発売にあたり、主演の北川景子さんと本仮屋ユイカさんにお話を伺いました。




今回ご自身が演じた役柄と似ているところはありますか?
——北川景子(以下:北川):「リナって誰に対しても態度が同じなんです。極端すぎるかもしれないけど、自分の主張がハッキリしていて嫌なことは嫌ってちゃんと言う子なんです。そういうところは似ていると思いますね。相手がすごく偉い人だからといって言いなりになったりはしないし、言いたいことは私もちゃんと言います。」
——本仮屋ユイカ(以下:本仮屋):「一つのものに真っ直ぐ向き合うところ。それしか目に入っていないようなところが似てますね。」

演じる上で苦労されました?
——北川:「私は結構感覚で演じるんです。周りも素晴らしい役者さんばかりだったので、苦労はあまりしませんでした。私が気づかない分、苦労は周りの人たちがしてくれたんじゃないかと思います。」
——本仮屋:「体験したことがないことを映画の中で演じたというのもありましたし、エピソードがたくさんあったのでそれをどう繋げていくかを考えていました。演じている時は必死でしたね。」

病気というデリケートなテーマを扱う上で気をつけたことはありますか?
——北川:「明らかなメイクで青ざめた顔を作ったりとか、病気ってこんなもんだろうって考えて演じるんじゃなくて、気持ちの面から作っていきました。本当に病気の人にも観て欲しいと思えるような作品だったし、大げさにならないように気をつけました。リアルにできたらいいなと考えながら演じていましたね。」
——本仮屋:「実際に病気の方のお宅に伺う機会があったんです。その時にすごく衝撃を受けました。私たちがお話を伺った方は、とても美しい人でした。常に生きることに対して逃げないで、心に余裕を持って、とても朗らかに生きている方でした。その方にお会いして、”彼女の強さ”に感動しました。この感動をしっかりと演じていこうと思いました。」

この作品は特に10代の女子高生の間で評判になり、とてもヒットしましたね。どうして10代に受け入れられたんだと思いますか?
——北川:「10代って精神的に大人になろうという自我が芽生えてくる時期なんだと思うんですけど、かと言って何をすればいいのかわからないじゃないですか。そういうジレンマで結構荒れちゃう子って多いと思います。マキは今までは友達を作るのが下手だったかもしれないけど、リナっていう友達ができた。そしてリナにも親友ができた。最初から『できない』って自分で思っていることでも頑張れば実現することを2人は教えてくれました。そういう姿が、10代の子達にとっては『やりたいことがまだ見つかっていなくても大丈夫なんじゃないかな』っていう勇気になったんだと思います。」
——本仮屋:「高校生特有の不安感や焦りや孤独は誰でも感じたことがあるんじゃないかなって思います。この映画はそれを昇華しきれないリナがマキに出会ったことで成長する物語です。誰でも感じたことがある経験をテーマにしたことがキーポイントになったんじゃないでしょうか。」

友達を大事にする上で大事なことって何だと思いますか?
——北川:「あんまり自分の考えを押し付けないようにしています。基本は受身でいて、友達と話をする時はよく聞き手側に回ります。」
——本仮屋:「難しいですね。なるべく相手が今何を望んでいるのかを考えるようにしています。それで空回ることもあるけど、仲良くなれたりもします。」

最近『泣ける話』がよく話題になったりしますよね。こういう世の中をどう思いますか?
——北川:「悪くないと思いますよ。映画でも観ないと泣くような機会があまりないのかもしれませんね。」
——本仮屋:「泣くっていう行為は、幸福感を得やすいらしいですよ。人間を満足感で満たしてくれるらしいんです。そう考えると、人間の欲望に忠実な作品が多いのかもしれないですね。自分の気持ちを正直に言えないからこそ、非日常の映画館っていう空間で泣けるのかもしれないですね。」

今後、どういう女優になりたいですか?
——北川:「このリナの役は、私にとって初めての大きな役でした。この役を演じてから、『北川さんのお芝居を見て元気を出そうと思いました』っていうファンレターを頂くことが増えたんです。そういう風に、これからも皆に何かを与えられるような役を選んで幅広くやっていきたいですね。」
——本仮屋:「いろんな役を演じることで、その中に新しい自分を出していけたらいいなと思っています。目の前にあることを一生懸命にやって、いつか世界で活躍できたらいいなと思います。今演劇を勉強しているんですが、舞台にとても惹かれるんです。チャンスがあれば何でもやってみたいですね。」

DVDの見所を教えてください。
——北川:「DVDには特典映像もたくさん入っているので、映画本編以外の部分も見て欲しいです。特にこの作品のキャンペーンではいろんなところを回りましたし、すごく一生懸命にプロモーションしたことを思い出します。私自身も発売されるのが楽しみなんですよ。イベントや舞台挨拶に来れなかった人達にも是非見て欲しいですね。」
——本仮屋:「特典で『ケータイビデオレター』っていうのがあるんですよ。これは私達がケータイの動画でメッセージを撮ったものなんです。私が景子ちゃんにメッセージを送って、その返事を景子ちゃんがくれたりして。ホントに貴重な、時間の記録です。撮影中にずっとやっていたんですが、これを見れば舞台裏が覗けちゃうので楽しみにしていて下さい!」

メッセージをお願いします。
——北川:「2ヶ月間本当に一生懸命にやったので、是非何度も見て欲しいなと思います。」
——本仮屋:「私自身も学ぶことがたくさんあった作品です。すごく大切な作品なので、是非皆さんのお家に置いて頂けたら嬉しいです!」

執筆者

Tomoko Umemoto

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