11/1公開!“孤独っち”ウォッチャーの20歳女と孤独死寸前70歳老人の死闘を描くブラックコメディ!映画『グレイトフルデッド』内田英治監督・瀧内公美・キム・コッピ インタビュー
20歳にして潤沢な遺産を相続し、贅沢かつ孤独なニート生活送りながら、自らの心の平穏を保つため孤独な他人をウォッチングして楽しむ女・ナミ(瀧内公美)。
ナミは孤独を極めた最強の“孤独っち”塩見老人(笹野高史)のウォッチングにのめり込んでいたが、老人は、教会のボランティアスタッフであるスヨン(キム・コッピ)との触れ合いで生きる術を取り戻す。老人を歪んだ愛で見守ってきたナミは激昂し、塩見老人を暴力的に翻弄する。大切なものを奪われた塩見老人は、緩慢にしか動かない身体に鞭打ち、ほうきの柄を削った竹やりもどきの武器で応戦に打って出る。勝つのはナミの果てしない支配欲か?どん底から這い上がった老人の生きる底力か?
高齢化社会を背景にしたブラックコメディ『グレイトフルデッド』は、主演・瀧内公美さんが映画初出演にして狂気の女ナミを魅力的に演じ、衝撃の逆レイプシーンも堂々とこなす。
名優・笹野高史さんがナミの標的となる衰弱しきった頑固な独居老人が生きる力を取り戻す姿をパワフルに演じ、韓国の実力派若手女優のキム・コッピさんが孤独な塩見老人に生きる希望を与えるスヨン役を繊細に演じる。
本作は全米最大級のジャンル映画祭であるファンタスティック・フェスト、イギリスのレインダンス映画祭、香港アジアン映画祭、ポルトガルやブラジルの映画祭、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。世界の映画祭にて計10ヶ所以上での上映が決定し、イギリスとドイツでの配給も決定!日本ではいよいよ11/1、新宿ミラノにて公開を控えている。
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≪新宿ミラノ・初日舞台挨拶≫
11月1日(土)12:25の回上映後。
登壇予定は、瀧内公美さん、笹野高史さん、
木下ほうかさん、渡辺奈緒子さん、Heartbeat(ハービー)さん、内田英治監督。
詳細は、こちらまで。
http://www.tokyucinemas.net/news/1111/
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ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で行った内田英治監督、主演の瀧内公美さん、キム・コッピさんのインタビューを公開したい。
■世代間の争いを描いたブラックコメディ
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——相手が気付かない所から孤独な人間を観察して楽しむナミの存在が、インターネットのような匿名性の高い環境で様々な情報にアクセス、観察する我々に被るようで面白く感じました。
内田:そうですね。部屋にこもっている訳ではないけど、ある意味一つの世界にこもっている。昔は“引きこもり”と言えばニュースだけの存在でしたが、今は“知っている知り合いのお子さんが”とか。孤独が身近かで感じられる機会が多いじゃないですか。そういった現状が出ているかもしれないです。
——制作が実現するまで時間がかかったとのことですが、プロデューサーの木下ほうかさんや、役者のみなさんはどこに共感して参加されたと思われますか。
内田:脚本だと思いますね。老人と若い人の世代間の争いがブラックコメディとして描かれているところが面白いと思って頂けたのかなと。どうでしょう?(笑)。例えば笹野高史さんに脚本を読んで頂いてお会いしたんですけど、その場で「やりましょう!」と言って頂きました。どこが気に入ったかと言う細かい指摘はありませんでしたが、そういう方が多かったですね。
■新人・瀧内公美のナミへの挑戦!
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——“孤独っち”ウォッチングが趣味のナミは無邪気で可愛らしい面もあるけど、狂気に囚われている難しい役柄ですが、瀧内さんは最初に脚本を読んだ感想はいかがでしたか。
瀧内:オーディションでは、脚本の一部をもらったんですね。そのシーンが今は本編にはないんですが、釘を目に近づけて脅すというえげつないもので。演技を始めて4ヶ月ほどで、今までの自分の実体験しか感覚的に分からないから、この人が何故こうなってしまったのかを凄く考えました。脚本の一部でしかないので、その怖さは中々理解できませんでした。
ナミ役を頂いて脚本の全体読むと、寂しさや苦しさがすごく伝わってきたんですが、苦しいだけではなくて、この中で生きることが楽しかったんだろうなと。演じる上では私は苦しいけど、彼女は決して苦しくないというのが難しかったですね。
——内田監督が瀧内さんをキャスティングされたポイントは何でしたか?
内田:当時はこんなに大人っぽい感じじゃなくて、ムチムチしてて。上京したばかりでその辺を歩いていた女の子が突然部屋に入ってきたみたいな。ギラギラッ!やるぞ!みたいな(笑)。野良犬みたいで(笑)。そういうところが良かったかも。全然役者っぽくなかったですね(笑)。
瀧内:突っ走るようなことばっかり言ってましたね。脱ぎたいです!みたいな(笑)。
——目指す女優さんの姿はありましたか?
瀧内:あんまり人に囚われずにいたいなっていう。こういう系統の作品だと近年は『愛のむき出し』の満島ひかりさんがおられて尊敬しています。でもそうなりたいと意識したわけではありません。将来的に1人の女優として居たいわけです。目標とする女優さんは沢山いて、左幸子さんのようになれたらいいなと思います。
——ナミを演じるに当たって準備したことはありますか?
瀧内:役作りが何かさえわからない時にやったので、監督がDVDが勧めてくださった『青春の殺人者』、『ミザリー』、『フルメタルジャケット』などを観ました。撮影前にナーバスになった時があって、監督にずっと支えてもらいましたね。
——どのようにフォローして頂きましたか?
瀧内:何が不安なのか、一つ一つ説明してもらいました。リハーサルでも大勢の人に見られることが凄い怖くて。現場に入るとたくさんスタッフの皆さんいるのを、「みんな敵じゃないから」「現場でも恐れなくていい」「自分を信じてやればいいから」とずっと言ってくださって。
笹野さんも台本を見て「ここはこうなんじゃないか」という解釈を教えてくださったりしたので、自分の準備はあまりなくて、逆ダイエットくらいでしょうか。太ろうとしたくらいです(笑)。
——役柄的にはムチッとしたキャラクターだったんですか?
瀧内:撮影前に舞台に参加していたんですが、そこでしごかれてどんどん痩せてっちゃって。全然ムチムチ感がないので、監督が「えっ?えっ?」って(笑)。
内田:オーディションに来た人と違う人がいたという(笑)。
■スヨンの情の深さは自分の中にもある
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——コッピさんは脚本を読んでどのキャラクターに共感しましたか?極端なキャラが多いですが。
コッピ:自分の役はスヨンでオファーが来ているので、どうしてもスヨンの立場で物語をどう見るかになりました。
他のキャラクターで言うと、やはりナミに対して共感できるのを感じました
——どういったところでしょうか?
コッピ:ナミが持っている過去が非常に興味深いと思いましたし、非常に魅力的な女性です。やりたいキャラクターということならナミだと思いました。
——スヨンの役柄は頑な老人の心を溶かしたり、ナミの心にも響く一途な信心を持った役柄でしたが、演じるに当たっての苦労はありましたか?
コッピ:スヨンの中にも自分にも似たような部分があるんです。笹野さん演じる塩見さんに対して最初は同情なんだけど、単なる同情ともちょっと違うんですね。思うに私自身、情が深いということです。他人に対する愛情と言いますか。聖書に出てくる言葉で言うと、「愛を分ける」といった感じでしょうか。スヨンを演じるにあたって、自分の中にある内面的な部分を引き出す努力をしました。それは自分自身がイエスになった慈悲深さのような感じだと思いました。
■キム・コッピ、笹野高史と瀧内公美との楽しい現場を語る
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と、ここでオフィシャルのライター平ノ四月彦さんからコッピさんに質問。
平ノ:笹野さんとの撮影で思い出で残っていることは?
コッピ:エピソードが多すぎて何から言えばいいのか分からないくらい(笑)。聖書を読みながらイタズラっぽい仕草をするところがありました。「海の中でうんこをしてはいけない」は彼のアドリブです(笑)。
また、私は撮影中に誕生日を迎えてスタッフの方々が気を使ってくださったんですけど、その中で笹野さんは自分に膝掛けをブレゼントしてくださったんです。そのひざ掛けは今も使っています。非常に心配りをされる楽しい方。非常に考え方が若いんですよ。iPhone、iPadを使いこなして凄いなと(笑)
平ノ:瀧内さんとのエピソードは?
コッピ:性格が楽しい方です。初めて現場に入った時に彼女から積極的に接してくれたのが嬉しかったですね。
撮影では、お互いの感情が交差するシーンが非常に印象に残っています。感情を吐き出してぶつけ合う感じで、共演俳優として高め合うことができました。
——コミュニケーションは何語で?
コッピ:(日本語で回答するコッピさん)日本語で(笑)。時々LINEで(笑)。
——:個人的にはどんな話をされたんですか?
コッピ:お互いの近況を聞き合って、彼氏はどうとか、そういうことばかりよく聞いて来ましたね(笑)。耳年増ですね(笑)。
■キム・コッピは監督キラー!
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——内田監督は新人の瀧内さん、経験豊富なコッピさんで演出が違ったと思いますが、現場ではどうされましたか?
内田:笹野さんとコッピさんは、カメラ回せば指示したように演じてもらえるし、何度も同じ事が出来ます。瀧内さんの場合は5回やると5回全部違う。なのでカメラも照明も演出もこっち側が動いて行かないと。でも制限すると魅力が半減するので、彼女を撮る時はこちらも比較的フリースタイルな撮影方法にしていました(笑)。コッピさんはカメラをどんと置いとけば大丈夫なので。
——コッビさんの出演作をたくさん見ておられると思いますが、現場で実際演出していかがでしたか。
内田:監督キラーですね(笑)。一回やるとまた撮りたくなります。特にアップの時の表情が。今回特に表情の演技が多かったので、そういう部分は演出はどうしょうもないですから(笑)。コッビさんと笹野さんのシーンは安心して見ていられるけど、瀧内さんの単独のシーンはハラハラ(笑)。
——その差は画面として面白いですね。
内田:例えば叩くシーンで、彼女の良さでもあるんですけど気持ちが入って本当に叩いちゃうんじゃないかと(笑)
——瀧内さんはどうでしたか?
瀧内:叩かないですよ!(一同爆笑)。 結構自分のことを俯瞰的に見ているところがありましたね。
次に何をやるかわからない面白さが私の今は良さだと思って、これからずっとそんなことやつていたらアブナイですけど(笑)、それも引き出しにして行けたらなと思います。
——コッピさんは日本映画の出演も多いですが、韓国の映画と日本の映画の違いなどは感じますか?
コッピ:国は関係ないですね。撮影ごとに違いがあります。今回の作品に関して言うと、自分はブラックコメディが好きなので、シノプシスもらって読んでとても興味深く感じました。
■こんなことが起こりそうな現代だから、怖くもあり笑える作品!
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平ノ:最後に一言ずつお願いします!
内田:サスペンスとブラックコメディで、あまり日本にないタイプの映画と思っているのでぜひ見てほしいと思います。
瀧内:見所、ちょっと考えていいですか?(一同爆笑)
コッピ:もちろんブラックコメディが好きな方には楽しんで頂けると思いますし、そうでなくても面白い映画ですからぜひみなさん楽しんでください!
——ブラックコメディのどんなところが好きですか?
コッピ:そう聞かれるとなんて答えていいかちょっと分かりませんが、ブラックコメディの面白さは、なぜブラックコメディを作るのかを考えると分かって来るんじゃないかと思います(笑)。
——それは難しいですね(笑)。改めて瀧内さんから見所をお願いします。
瀧内:普通に起こってしまいそうな現代が描かれていて、それが怖くもあり、笑えると思います。状況がどんどん変わって行くので、その1秒1秒の変化が見所じゃないかなと。私が一人一人と戦って行く姿を観て頂きたいと思います!
執筆者
デューイ松田
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