原作は日本の小説、原田マハ著書『一分間だけ』、合作映画に出演の池端レイナさんにインタビュー
原作は日本の小説、原田マハ著書「一分間だけ」。多くの女性たちの共感と感動をよんだベストセラー小説!
本作は、忙しい日々の中で働く女性と、愛犬の生涯を描いた感動の物語である。編集者として第一線で働きながら、愛犬が癌になり仕事と恋愛と闘病生活の日々を送る。様々な葛藤や試練とぶつかりながら、本当に大切なものは何かを見つけ成長していく女性の姿を描いた「一分間だけ」は、小説発売以降、日本のみならず台湾でも多くの女性に共感と感動をよびベストセラーとなった小説である。
映画化に向けては、『ブロークバック・マウンテン』 (05)や、『ラスト、コーション』(07)など台湾を代表する映画監督アン・リーの弟である、映画プロデューサーのガン・リーが本作のストーリーに惚れ込み、新鋭女性監督チェン・フイリンの映画監督デビュー作である。
出演はアジアンビューティーとして大注目のチャン・チュンニン、台湾を代表する俳優、ピーター・ホー、日本からは池端レイナが参加!
池端レイナは、日本の有名デザイナーの娘でありモデル役として出演し、雑誌の一大プロジェクトという物語の重要な役所に関わっていく。
−−−完成した作品をみて感想は?
映画の中には、恋人同士の愛、犬との愛、家族愛など沢山の愛が詰まっています。本当の愛を知ること、大切なものってなにか、そんなことを改めて考えさせられました。映画を通じて、大きな愛情を感じて頂けたら嬉しいですね。また、劇中のインテリアや風景も台湾らしさがあり魅力的で、日本の小説が台湾を舞台に映画化されたことの特別感を、映画を観て改めて感じました。このような素晴らしい作品に出演できたことは、本当に嬉しく光栄なことです。
−−−合作映画に出演して撮影の違い、苦労した点は?
スタッフが台湾の方々で、現場はとても面白く賑やかで、皆さんが映画を撮影することを楽しんでいて、とてもアットホームな現場でした。いつもスタッフの皆さんが私を温かく迎えてくれて、家族のようなそんな現場でした。
そんな中で苦労した点をあげるとしたら、やはり言葉の壁でしょうか。なので、その壁を無くし、スタッフの皆さんと中国語でコミュニケーションがとりたくて、撮影の2ヶ月くらい前から台湾に入って中国語を勉強していました。衣装合わせや演技指導などでスタッフの皆さんに会うときにも中国語を教えて頂いたりして、英語でコミュニケーションをとっていた時よりも中国語を学び始めてからの方が、皆さんと近づけたような気がしました。中国語を学び始めて、本当に良かったです。
−−−以前、出演の「ファッションストーリー」での日本の現場も参加されていますが、テーマは異なりますが、ファッションモデルの現場のシーンもありますし、何か違いはありましたか?
「ファッションストーリー」では編集者の役でしたが、今回はモデル役だったので、自分の演技の部分で言えば何もかもが違いました。ファッションモデルの仕事経験がゼロに近いという状況の中で、監督が思い描いているトップモデルの印象に合わせるために、参考になるビデオや映画などをいただいて勉強しました。監督とも、ポージングの練習や表情の作り方など、実際に撮影練習をしたりして、研究を重ねました。
−−−今回の役では、感情を表す異なるシーンがありましたが、大変でしたか?
怒るシーンは、自分があまり感情を露にするタイプではなく、撮影現場で怒るということもなかったので、苦労しました。監督からは、「すごく怒って」といわれて、自分でもこれくらいかなとは思いましたが、監督からは「もっと、怒って」といわれ、思いっきりやったのですが、逆にやり過ぎじゃないかと心配でした。(笑)
最後の父とのシーンでは、自分もしばらく会えていない父のことを思い出したりして、もし自分が結婚するとなると横にこうして父がいるのかなと想像し、演じてみました。
一番大変だったのは、監督が一番こだわりをもっていた父とのシーンです。父との歩くシーンや、父のセリフを聞いているときの表情など、ひとつひとつ、監督が思い描くイメージに合わせるために、何テイクも撮りなおしました。
−−−監督の演技指導について
演技は、以前は深く考えすぎているような感じだったのですが、今回は、監督の指導のもと、自然体で演技してみました。
表情の指導は撮影前からあり、父を思いながらの複雑な心情の変化など、監督からは撮影中にも細かく指導をしていただきました。中でも、悲しむ演技の表情で、こうしたらより女性らしさも残る表情になるよ、など自分では今まで気がつかなかった点を、女性的な目線で教えてくださって感謝しています。
−−−共演者とのエピソードなど
私の撮影では、チャン・チュンニンさんが一緒で、とても素敵な人で、優しく声をかけて頂き緊張がほぐれました。チュンニンさんの明るくムードメーカーな人柄が、撮影の現場を更にあたたかく楽しくしていたように思います。また、日本語のセリフがあったディン・チュンチェンさんとは、撮影中に日本語のセリフの発音を聞かれ、一緒に練習しながら二人でこっそりリハーサルをしていました。共演者の皆さんは、本当に素敵な方々はかりで、とても勉強になりましたし、楽しく撮影することが出来ました。
−−−好きな台湾映画は?
「台北カフェ・ストーリー」ですね。激しいわけでもなく、空気感がいいですね。台湾にきて、撮影に登場した街にいってきました。実際に来てみて、人々が明るく楽しく、暖かい街、人だなぁと感じました。あと、「愛」も好きです。撮影地がどこも台湾に行ったことがある方ならすぐにわかるところばかりで、しかも出演している俳優さんたちがとにかく豪華です。
−−−大切な愛するものが1つのポイント、池端レイナさんには大切なものはありますか?
一つの作品が完成の時に表に出るのは演じている側だけですが、実際には沢山の方が関わっています。スタッフさんや両親、友達や側で支えてくださっている全ての方々は、私にとって本当に大切なものです。
その人たちがいないとやっていけないですし、今の私はいません。自分が愛すれば、皆さんも愛してくれるでしょうし、与えられるだけではだめで、自分も愛することが大切だと感じています。
執筆者
Yasuhiro Togawa