『ジョージアの日記/ゆーうつでキラキラな毎日』主演女優ジョージア・グルーム インタビュー
今は16歳になったジョージア・グルームは、2年前、絶賛された“London To Brighton”で強い印象を残した。
ノッティンガムを根拠地とする女優は、ヒットした『ベッカムに恋して』以来初めて、ティーンのテーマに戻ったグリンダ・チャーダ監督の最新作『ジョージアの日記 ゆーうつでキラキラな毎日』今までとはまったく違った役を演じる。
彼女は主演のジョージア・ニコルソンに扮する。ジョージアは、ルイーズ・レニソンによる人気のシリーズ小説の主人公で、親友のエース・ギャングたちと共に、転校してきた王子様のロビー(アーロン・ジョンソン)の気をひくという成功しそうにない野望をかなえ、やっかいなローティーン時代を乗り切っていく。
女性監督との仕事はどうだったのか、お話を伺った。
映画に出演する前から、原作の本のことは知っていましたか?
本のことは知っていました。1冊は読みましたが、でもそれはシリーズの途中の本でした。キャスティングの知らせが来て、原作の本があれば、私はいつでも読むことにしています。というのは、台本の一部しか渡されないことがあるからです。一冊目の本を読んで、とてもおもしろいと思いました。2冊め以降は読みませんでした。早い時期に読んでしまうのは危険だからです。彼女がどんな人なのか知りたくなかったんです。ただ、本では彼女がどんな人か、基礎を知りたいだけでした。撮影が終わってから、シリーズを全部読みましたが、とてもおもしろかったです。次の新作に期待しています。
ジョージア・ニコルソンの経験は、なんらかの形であなた自身の経験を反映していますか?
あの話は、実際はルイーズ・レニソンの生活に基づいているんだと思います。かなり自叙伝的な内容ですから。ちっちゃな水着やキスと抱擁の話ばかりではなくて、多くは、彼女の生活が書かれています。彼女の意見はとてもおもしろくて、全面的に共感できます。あの本を読んだ男の子たちでも共感すると思います。彼女が考えることは、男の子のことだけではなく、両親の話もあるので、“ほんとうにその通りだ”と思います。
映画でのジョージアと友達の関係は、とても本物らしく見えますが、彼女たちとは以前から知り合いでしたか?
エレンを演じるマンジーヴン・グルゥワルのことは、7歳のときから知っています。私の母が彼女に演技を教えているんです。私たちは一緒に演技を始めたような感じで、彼女は家族の一員のようなもので、それはステキなことです。それに、ジャス役のエレノア・トムリンソンとはとても仲良くなりました。彼女とよく一緒に過ごしました。私たちはみんな気が合いました。ロジー役のジョージア・ヘンショーも、仲良しでした。最初の2週間のリハーサルを皆でずっと一緒に過ごしたので、それが終わる頃には、もうすっかり私たちは仲良くなっていました。
映画の出演者にはたくさん“ジョージア”という名前の人がいましたが、それで混乱が起きたことはありましたか?
大勢のスタッフとキャストがいたので、人を呼ぶときには、役柄の名前を使っていました。どちらにしても私はジョージアでしたけれど(笑)
あなたは“This Is England”ではシェーン・メドウズと、“London To Brighton”ではポール・アンドリューと組みましたが、今回は変わって、女性監督との仕事はどうでしたか?
良かったです。というのは、女性監督であることで、女性的特質の強い感覚を与えるからです。スタッフはたいてい男性中心ですが、グリンダは強い個性の持ち主で、とてもおもしろい人です。彼女は、私たちが子供だと分かってくれていたところが良かったと思います。私やアーロンやエレノア、ほかにもたくさんの人が映画出演の経験があるので、彼女は私たちを大人扱いしてくれましたが、誰かが列を乱したり、後押しが必要だったりした時には、自分が子供扱いされたと感じさせないような形で、彼女は手を貸してくれました。私たちは一緒に仕事をする相手としては大変だったでしょうが、グリンダはボスであると同時に、友達でした。
アーロンと大事なキス・シーンをする前、ランチに何を食べましたか?
チキン・カレーにドーナッツ、チョコレートです。私たちはランチを食べに行って、同じものを食べました。一人が魚にするとかではなくて、二人ともチキン・カレーにしました。とてもおいしいカレーで、料理の仕出し屋さんもよかったです。二人とも<キス・シーンでは>急いでいて、ちょっとおもしろかったです。
映画の競い合うところでは、ちょっと『ミーン・ガールズ』のような特定のタイプのアメリカ映画を思い出しましたが?
私は『ミーン・ガールズ』が大好きです。あれはとても典型的なアメリカ映画ですばらしいです。ああいう言葉使いでとても排他的ですが、そういう言葉は実際に存在することはみんな分かっています。『ミーン・ガールズ』の内容はなにもかも人気になりましたが、実際に意地の悪い女の子たちはいますし、美術おたくや、ダサイ子もいるので人気になったんだと思います。そういうリアルさは、あの映画の良いところだと思います。ちょっとバカげていますが、あれはたぶん、アメリカのティーン映画としてベストだと思います。
でも、イギリス映画には匹敵するような適当な映画がありませんでしたね?
そうですね。『ジョージアの日記』の良いところは、家族が親しみやすいところです。映画には全般に学ぶべきメッセージがあります。この映画は女の子が男の子を手にする話ではなくて、人生のガイドのようなものです。原作本は、多くの女の子にとってまさにガイドとなっています。これは、ティーンエージャーでいることの浮き沈みに対する簡単なガイド本のようなものです。ティーンエージャーというのは人生で一番はっきりした時期ではありませんから。この映画のよいところは、これがイギリスのもので、アメリカではないところです。ただし、グリンダが言っているようにティーンエージャーはどこでも同じなので、アメリカの女の子たちもこの映画を気に入ってくれることを願っています。
この映画のために、南海岸に戻っての撮影でしたが、どうでしたか?
“London to Brighton”は、あそこで撮影しましたし、以前に、子供向けのテレビ番組をあそこで撮影し、その時は船に乗りました。あの日は死ぬんじゃないかと思いました。ひどい嵐だったからです。この映画であそこへ行ったときには、ひどい天気になるかと思いましたが、実際はとても良かったです。<イングランド南部の>イーストボーンには、映画の『28日後・・・』のようなところがあります。朝、外へ出てみると、誰もいないからです。でも、12時になるとコーチ陣がやってきて、年輩の人たちに囲まれるんです。とても変な感じです。イーストボーンは、穏やかで、海辺の町という感じがして、気に入りました。
あなたのお友達は、“London to Brighton”は見られなかったでしょうが、この映画は見られますね? ご自分の顔が載ったポスターがあちこちに貼られているのを見る準備はできていますか?
ちょっと怖いですね。少しクレージーな気もします。ただ待って成り行きを見るしかないことですね。
今後もこの仕事(演技)を続けていくご予定ですか?
そうなれたらいいと思います。もしそうならなかったら、演劇の世界で何か別のことをやりたいです。でも、私はマイク・リーの映画とかティム・バートンの映画に出演したいんです。この前、テリー・ギリアム監督の『ローズ・イン・タイドランド』を見ましたが、あの映画もとても気に入りました。映画が芸術作品であるところが好きですし、奇妙な部分や奥行きのあるところ、おかしなところも全部いいと思います。
提供:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
執筆者
Naomi Kanno