マジ当てにこだわって新しいアクションを目指します 坂口拓インタビュー
『VERSUS—ヴァーサス—』、『地獄甲子園』と主演をこなし、山口雄大監督や北村龍平監督とのコラボレーションともいえる作品では、コミカルかつスタイリッシュに役を演じている、最近では、本格的にアクション監督として、TV版「BE-BOP-HIGHSCHOOL ビー・バップ・ハイスクール」、「里見八犬伝」などでも高い評価を得るなど、俳優として演じながら、本格的なアクション演出もこなす、今、注目すべき俳優・坂口拓。
ようやく、10年近く一緒にアクション映画を追求する下村雄二監督との本格的なコラボレーション作品が完成した。
−−−監督との出会いは?
坂口「20歳くらいの頃、インディーズムービーフェスティバルの前になると思いますが、彼が倉田プロ(※香港映画などで活躍したアクションスター・倉田保昭さんが主催するプロダクション)にいて、自分がJACの養成所にいて出会って一緒にアクション映画を撮ろうということになって、その作品を手伝って、フェスティバルに出品したんです。」
−−−そこで、出会って『VERSUS-ヴァーサス-』が生まれたんですね。
坂口「そうですね。あの第1回のフェスティバルで、北村龍平監督、山口雄大監督など全員に出会ったんです。そこで、下村雄二と山口雄大が仲良くなって、下村雄二監督を通じて、自分が山口雄大監督に紹介されたんです。」
−−−下村監督との『忍 SHINOBI』のアクションは凄かったですね。
坂口「あのシーンは、1カット撮影だったのですが、実際に使われたのは、分割されてましたね。1カットで撮影されたバージョンのほうは面白いですよ。」
※『忍 SHINOBI』(アクション監督・下村雄二、夜叉丸役・坂口拓)
−−−今回の作品についての役割は?
坂口「自分は、監督の立ち回りがあまり好きではないので、『VERSUS-ヴァーサス-』時でも、自分のパートは、自分で考えて立ち回りを作っているんですが、いつもやっていることなので、監督も良く分かっているし、ただ主役なので、その分だけ自分の仕事量が多いだけでしたね。アクションに関しては、撮影に入る前と撮影する前日に考えましたね。」
−−−お気に入りのシーンは?
坂口「この作品のどことかではなく、アクション映画のバイブルにしようかと考えていたくらいで、柔術から様々なものを取り入れ、ガン・アクションなどはまったく新しいものを取り入れてありますよ。これからアクションを撮る人の参考になればと。」
−−−作品への関わり方は?
坂口「そもそも、マジ当てのアクションを撮りたくって、監督とは“誰も見たことのない、日本人にしかできないアクション映画”を撮ろうと企画しており、今回のシナリオにも監督にはアドバイスはしていましたけど、結局自分が言っていたものにはならなく、監督と回りのスタッフでシナリオを作ったようです。シナリオを頂いてから考えてましたね。
あと、キャスティングで、『魁!クロマティ高校』、『手鼻三吉とトゥワイス志朗が往く・北の0年』などで一緒に仕事して公私共に仲がいいし、俳優としても素晴らしいので、監督に推薦をしたくらいですね。」
−−−マジ当てに関するうこだわり
坂口「監督は、あまりマジ当てにはこだわってなくって、こだわっていたのは自分だけで、最近の観客は、PRIDEやK-1などを見て生のアクションに感動しているので、映画では新しいものを取り入れようと考えたときに、柔術などを取り入れてマジに当ててみようと考えました。TVでやった「BE-BOP HIGHT SCHOOL」(アクション監督、坂口拓)もマジ当てでアクションしています。TVでは革命的で、怒られましたからねぇ。アクションシーンだけは、かなりグレードが上がりましたね。もっと過激にしたかったのですが、ギリギリですね。」
執筆者
Yasuhiro Togawa