すらりとした手足に小さい顔、大きな目。
9頭身という、モデルになるために生まれたような小林涼子さん。
雑誌nicolaのレギュラーモデルとして、10代の女の子から支持を得ており、最近ではパイオニアハイビジョンDVDレコーダースグレコ、So-netのCMで知っている人も多いだろう。
映画『子ぎつねヘレン』では大沢たかおさん演じる矢島動物診療所・院長の娘・美鈴役を好演。5月20日から公開されている『富嶽百系』にも”娘さん”役として出演している。
現在16歳。モデル、舞台、TV,映画などで活躍している彼女のキャリアはこの年齢にして既に10年。
”一生女優を続けたい”とまっすぐな目で答える姿が印象的な小林さんの素顔に迫った。




—— 『子ぎつねヘレン』が大ヒットし、夕張映画祭では、当初の予定より上映回数が増やされるなど、大盛況でした。
「撮影した北海道で愛されて、とても嬉しかったです。観てくれる人がいてこそ作品は完成すると思うので、そのような作品に出演できて嬉しいです。夕張国際ファンタスティック映画祭は、初の映画祭参加。他の映画の方とお会いできたり、その場での雰囲気を楽しみました。」

—— 動物の世話をするシーンが多くありました。
「あまり動物と触れ合うことがなかったので、どのように接すればいいのか分からなくて悩みました。現場に行ったら嵐君が動物と仲良くしていて、“仲良くなろう”とか“怖い”とか思わないようして接っするうちに、仲良くできました。犬のロッシは大きくて、走るシーンでは引きずられて何度も転びました。(笑)」

—— お気に入りのシーンや、ロケ地での思い出は。
「嵐君を励ますために、パンを作って持っていってあげるシーンで、兄弟っていいなあと思いました。5月に撮影して寒かったけど、星も綺麗なのが印象的です。それと、スタッフキャストが凄く仲良くて、ホテルの裏の川で、バーベキューをしたのがとても楽しかったです。札幌は雪以外は東京とあまり変わらないと思いましたが、網走はのどかな所なので、老後を過ごしたいです。(笑)とても良い所なのであそこで育った子は伸び伸びとしているんだろうなと思いました。」

—— そういう自然を目の前にして、役作りをしたのでしょうか。
「その土地の特色によって人は変わると思います。美鈴は北海道で育っているので、相当自然っ子なはず。最初はどのように演じていいか分かりませんでしたが、その場にいるうちに私自身が伸び伸びとしてきて、開放的な気分でやることができました。東京に居る時の普段の自分とは違い、あの空気の中での自然な自分で演じることができました。自然と動物、景色には力があるんだなと感じました。」

—— 美鈴と小林さん自身との相違点は。
「美鈴は結構お節介でチャキチャキしていてお母さんの代わりとして行動していますが、私はチャキチャキはしていません。(笑)元気な部分は似ています。色々なことを心配していて、多分あの中で一番大人なんじゃないかな。心配性なところや、明るくて前向きなところは近いです。大人をお説教してしまうところは強くてカッコイイと思います。(笑)」

—— 5月20日に公開の『富嶽百景』にも出演していますが、どのような役柄なのでしょうか。

「塚本さん演じる修治が泊まっている富士山の麓にある「天下茶屋」の娘の役です。“娘さん”という役名なのですが、ヘレンとはうって変わって、髪型なども茶屋娘っぽい感じになっています。彼女は気が強くて真っ直ぐで、一生懸命色々なことを自分なりに考えている子で、感情を表に出すタイプではありません。ただそっと見ていて、思ったことはしっかり言うような、メリハリの効いた女の子です。」

—— 演じていて難しい点などありましたか。
「この子も東京の子ではないので、どうしようかと悩みましたが河口湖でロケだったので、美味しい空気を吸って自然と演じることができました。2日間の撮影予定が、天気の繋がりなどの関係で、一日で撮ったので、“2日目のセリフを憶えてない!”と焦りました。(笑)でも、本は何度も読んでいたので、なんとかなりました。(笑)監督には“思春期っぽく”と言われていて、一応私も思春期みたいなので(笑)その点は大丈夫かな。と。(笑)この映画の中で変化があるのは私と太宰さんだけ。周りの人はとんとんと、太宰さんを見ています。娘さんは思春期で、その時の感情で揺れ動いています。その動きによって太宰にも変化が起こる。なので、“気持ちの動き”を大切にしてくれと言われました。」

—— 演じる時に参考にすることはありますか。
「基本は台本を何度も読んで、その役がどういう役なのかを理解して近づくようにしていますが、友達を参考にすることもあります。『ブレスト』というドラマに出演した時は、役が今時のギャルで自分とかけ離れ過ぎてしまい、どのように演じるべきか分からなかったので、ギャルっぽい友達がいないか携帯の電話帳で調べて、『もしこういうことがあったらどうする?』と聞きました。(笑)そうするうちに、演じる役のタイプの子の考え方が分かってきます。それと、読書した時に考えたことや、本の中の登場人物を思い出してその時どのような気持ちだったかを考えます。」

—— 読書が趣味とのことですが、普段どのような本を読みますか。
「ハウツー本から物語りまで、なんでも読むので、自分でも何に興味があるだんろうと思います(笑)。基本的に等身大の自分に近い話が好きです。最近では、いしいしんじさんの『ぶらんこ乗り』が良かったです。お姉さんと弟のお話で、ブランコに乗るのがうまかった弟が、ある日ひょうが喉に当たって声が出なくなってしまう。その弟と、筆談で生活をしてゆくのですが、ある日弟がいなくなってしまう。しばらくたって、弟のいなくなった家で、掃除をしていると筆談に使っていたノートを見つけて弟を思い出す。というなんとも切ないお話なんですが、(笑)こういう泣いたり寂しかったりというお話が好きです。最近は、日常が描かれて、自分の中でふつふつと変化してゆくストーリーが好きです。前はミステリーも好きでしたが、最近は殺人事件とか多いので、読んでいて怖くなってしまうので向いてないかなと。」



—— 今後やりたい役はありますか。
「今まで怪人になったり、虐待されて殺されたり、女の子に恋をしたりと変わった役をすることが多く、それはそれで楽しかったのですが、今度は普通の何の変哲もない役をやってみたいです。(笑)今バレエに片道1時間かけて通っているのですが、その時間に恋愛の本を読んでいて、帰ると夜遅くなっているとなんて寂しい生活なんだろうと思います。(笑)なので、今度は映画の中では少女漫画のような恋をしたいですね。(笑)」

—— 具体的に演じたい少女漫画はあるのでしょうか。
「『僕等がいた』は、本当にキュンとなるお話で、大好きなので、実写化されたら本当にやりたいです。主人公の女の子が、私より髪の毛が短いのですが、もしこの役が出来るなら切ることを考えてもいいなと。(笑)」

—— スポ根ものをやりたいと聞きましたが。
「それもやりたいです。自分が作るなら、スポ根ものが作りたい。(笑)バレエでも、何でもやってみたいです。バレエも基本的にスポ根だと思っています。先生が凄く怖くて、ペットボトルとか投げてくるんですよ。(笑)足が痛い中、皆頑張って踊っているのであれもスポ根だと思います。チアリーダーも憧れていたので、チアリーダーもやりたい。小さい頃から、なりたいものが多くあったので、このお仕事を通して、ひとつずつ叶えていけて楽しいし、一生飽きないと思います。」

—— ”モデジョリーナ”になりたいとのことですが、どういうものなのでしょうか。
「モデル、女優、バレリーナを合わせたものです。(笑)将来何をしたいか考えた時に、モデルも、女優もバレエもやめたくないし、全部合わせてしまえばいいのではないかと。(笑)最初はモデジョタレリーナと、タレントも入れたりしてましたが、語呂も悪いので(笑)、モデジョリーナで落ち着きました。これは結構皆さんが興味を持ってもらえるので“モデジョリーナ”でいけるのではないかと。(笑)この3つは本当に続けていきたいと思うので、初の“モデジョリーナ”になりたいと思います。(笑)」

—— 尊敬している女優さんに宮沢りえさんと、仲間由紀江さんと言っていますが。
「宮沢りえさんは、共演させていただいた時に凄く優しくして下さって、色々と教えて頂いて、すごく尊敬しています。仲間さんはとても綺麗な方なので憧れています。」

—— めざす女優像は。
「透明感があって、存在感があって、演じる役が考えていることや人生観を伝えられる女優を目指したいです。」

—— 最後にファンの方へのメッセージを。
「これからも色々なことに私らしくチャレンジしていきたいと思いますので、応援して下さい!!」

執筆者

t.suzuki

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