プロの運び屋のルール。1、質問はしない2、依頼品をあけない3、その2つのルールを破った時は死。リュック・ベッソン製作「トランスポーター」はひょんなことから依頼品(美しい女性)を開けてしまった運び屋(トランスポーター)が巻き込まれるサスペンス・アクションだ。主演は「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」「スナッチ」の個性派俳優、ジェイスン・スティサムと人気急上昇中の香港女優スー・チー。同作は東京国際映画祭に出品、会期中に記者会見が行われた。会見にはリュック・ベッソン、共同監督の一人であるルイ・レテリエ、主演のスー・チーが出席。質疑応答をレポートする。

※2003年2月、渋谷東急ほか全国松竹・東急系ロードショー!!










−−本作にはフランス人のスターが出ていません。言語も英語ですし、海外を意識したのでしょうか。また、フランスでの評判はいかがでしたか?
リュック・ベッソン どうかな。スー・チーもイギリス人のジェイソンもウォールを演じたマット(アメリカ人)にしても素晴らしい役者だったんだ。僕としては海外のマーケットを意識したわけではなくて、そういう事実がまずあった。国旗や言語はどうでもいいわけだ。このことはゴッホを例にあげてよく話すんだけど、ヴァン・ゴッホはオランダ人で、「アイリス」という有名な絵をフランスで描いた。けれど、どちらの国のものかなんて誰も気にしないよね。
 フランスでの上映は「マイノリティリポート」と重なって、劇場は限定公開になった。けれど、あの作品に負けないくらい安定した興行をあげたんだ。思うに、観客が求めるのはフレッシュかどうかってことだったんじゃないかな。スーチーもジェイソンもフランスでは知られていない。でも、逆にそれが新鮮さにつながったんじゃないかな。

 −−共同脚本のロバート・マーク・ケイメンは打ち合わせのなかであらゆる会話をメモする人だと聞いてますが、監督とはどのようなディスカッションをされましたか?
ルイ・レテリエ 今回の脚本は、台詞について事前に何度もディスカッションしたよ。ただ、撮影に入ったら自由に僕の好きなように撮らせてくれた。編集は話し合いながら、決めていったね。何にせよ、僕にとっては初めての長編映画だったし、これほどの作品がスムーズに運んだのも彼の力が大きいね。

 ーースー・チーさんはブラッド・ピットとの共演の噂がありますが、それは本当ですか?
スー・チー (ちょっとびっくりして)今のところ、ないと思います。

 −−本作に出演して女優として影響を受けたことはありますか?
スー・チー 香港での撮影スピードはとても速いので、フランスの現場は新鮮でした。今回、撮影が長かったので役作りに関しても違ったアプローチができました。ベッソンさんからは「役は感じるじゃなくて、設計していくものだ」ということを学びました。そうしたアプローチができるようになったことを感謝しています。

執筆者

M・T

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