映画『うつつ』舞台挨拶
2002年6月1日よりシネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー公開の映画『うつつ』。リアルな恐怖が迫る、大人のためのサイコ・ホラー作品の舞台挨拶が、6月9日(日)に、シネ・リーブル池袋で行われた。
今回は、当摩 寿史監督と、佐藤浩市(池島隆 役)、大塚寧々(池島公美子 役)、そして音楽を担当した中田ヤスタカのステージコメントの一部を紹介する。
■コメント
当摩寿史(監督)
俳優さんたちのお芝居とストーリー展開で、とても楽しめるエンタテインメント性の高い作品に仕上がりました。自分の愛に自信が無くなったら、その不幸を他人に分け与えるためにも、大勢の方にこの映画を見てほしいですね(笑)。
音楽に中田ヤスタカさんを起用したのは、俳優さんたちの安定した芝居に反してぶつかるようなビートの効いた音楽をあえて使いたかったからです。
連城三紀彦さんの書かれた原作は割と短いお話で、その原作を借りて世間一般の恋人や夫婦の本音と建前…心の中をガラス張りにしたらどうなるか?と思い、映画にしたいと思いました。
佐藤浩市(池島隆 役)
この映画は、とてもブルーになる映画です(笑)。でも、そういう楽しみ方もあると思うので、一緒にブルーになってください。
監督とは10年ぶりに一緒に仕事をしました。「どういうものを持ってこられるかな?」と思っていましたけど「夫婦とういのは、お互いにべったり寄り添っていられるものではなく、案外、日常的にすきま風みたいなものが吹いているものだ」と言われました。
お話自体はとても小さなもので、映像の裏側にあるテーマも感じ取ってもらえればうれしいですね。
大塚寧々(池島公美子 役)
この映画を見ると、夜寝る前にいろいろと考えてしまうかもしれません(笑)。
隆と公美子はすれ違いのある夫婦です。でも、夫婦の間に出来上がっている空気感みたいなものを、佐藤浩市さんのリードのおかげで出すことができました。撮影現場はほかと同じくなごやかでした。
中田ヤスタカ(音楽)
監督からは僕が思った以上のことを要求されましたね。「ドラムとか、こんなに出していいのかな?」と思い、ヒヤヒヤしながら曲を作りました。とても楽しかったです。
映画音楽の作曲は初めてでしたけれど、監督がすごかったですね。最初は映像に沿うような音楽を作っていたんですけど、監督から「もっとガンガンと当たっていくように」とか、対向意識を燃やすようなことを言ってきたので、燃えて作りました。
そうですね…監督パワーとでも言うんでしょうか。いい経験をさせてもらいました。勉強になりました。
執筆者
TAISUKE SAITOU