2001年10月20日(土)、新宿のシネマスクエアとうきゅうにて、『リメンバー・ミー』の初日舞台挨拶が行われた。壇上にはキム・ジョングォン監督と主演女優のキム・ハヌルさんが上がった。近年、多くの韓国映画が盛んにこの日本でも紹介され、舞台挨拶などで監督やキャストの方々を直接見る機会が増えた。そのつど思う事は、あちらの方々は実に誠実だという事。今回の二人もやはり同じように感じた。また、その誠実さが伺える舞台挨拶であったと思う。
この作品、日本でも『時の香り〜リメンバー・ミー〜』の題でリメイクされ、そちらも11月に公開予定となっている。







2001年10月20日(土)に封切られた『リメンバー・ミー』。本国韓国では100万人を動員したというヒット作だ。原題は漢字で『同感』。
この日、新宿のシネマスクエアとうきゅうにて行われた初日舞台挨拶。壇上に上がったのはキム・ジョングォン監督と主演女優のキム・ハヌルさん(美人だ)。

——初日ということですので、まずは観客の皆さんに挨拶をお願いします
監督「やっと来日することができました。この作品はリメイク作品が日本でも制作され、『時の香り〜リメンバー・ミー〜』のタイトルで公開されます。特に違いは無く、内容的にはやはり同じテーマを扱っているので、日本版も実に素晴らしい作品となっています。そちらも是非観て頂きたいと思います」

キム・ハヌル「まず、みなさんにお会いできて大変うれしいです。楽しんで観てください。そして、お友達にも宣伝してください」

——監督は長編初監督ながら、いきなりこの作品をヒットさせたわけですが、どんなお気持ちですか?
監督「自分も新人ですが、韓国では多くの新人監督の作品が公開されています。でもその中で2作品目、3作品目と作り続けていける人は少なく、1作品目が最後の作品となる人が多くいます。幸い私はキム・ハヌルさん、ユ・ジテさんはじめ多くの役者の方々や、他のたくさんのスタッフのおかげで続けていけそうな状況です。この作品はタイトル通り(原題『同感』)、みんなで、気持ちを一つにし、一丸となって作り上げた作品であり、ヒットしたのはその結果なのだと思います。また、今回若い世代の人々も大勢観てくれました。今までの韓国の伝統的なメロドラマは、恋愛映画特有のドラマティックな展開のお涙頂戴ものが多くありました。ですが、この作品は割と淡々と描かれています。自分の運命を静かに受け入れる主人公の女性の生き方が共感を呼んだんだと思います」






——ではキム・ハヌルさんに。すごくナチュラルに演じているように思ったんですが、実際演じてみていかがでした?
キム・ハヌル「やはり韓国の伝統的なラブストーリーのキャラクターとは違うな、と思いました。出演の理由も、この主人公の造形に惹かれて決めました。私よりも忍耐強く、大人っぽいと思います」

——出来上がりを観てどう思いました?
キム・ハヌル「想像を越える素晴らしい作品でした。演技をしている頃から、いい作品になると思っていましたが、実際観て、より感動しました。」

——最後に観客の皆さんに何かお願いします
監督「この作品はアーティスティックな作品に属しません。『なんでこうなってしまったのか?』、という後ろ向きの見方ではなく、『これからどうなっていくのか?』、という前向きな見方をして欲しいと思います。また、皆さん日々を楽しく生活していらっしゃると思いますが、人間ですので、泣きたい時は素直に泣いて欲しいと思います」

キム・ハヌル「初恋の時の切ない気持ちを思い出して、また、その時の気持ちを想像しながら、映画を観て頂ければ幸いです。映画を観て温かい気持ちになって頂ければうれしく思います」

※2001年10月20日(土)より、シネマスクエアとうきゅうにて公開中。

執筆者

永見 憲宏

関連記事&リンク

作品紹介
作品紹介(日本版リメイク)
キム・ハヌル来日記者会見&日本版制作記者会見