実写にコミック映像を織り交ぜた60年代フランスの幻の名作(!?)「コミック・ストリップ・ヒーロー」(アラン・ジェシュア監督作品)が舞い戻ってくる!!仕掛け人はゴダールの「MADE IN U.S.A.」、カトリーヌ・スパーク主演「女性上位時代」のリバイバル上映でもお馴染みの配給会社N.S.W.とセレクトショップ「ドレステリア」のコンビ。両社の雑談から公開が実現してしまった本篇でコミック部分を担当するのはバンド・デシネ(フランスのコミック)の大御所、ギィ・ペラート。ここ数年、日本でも人気急上昇中で、カルチャー通なら一度は彼のイラストを目にしたことがあるはず。映画公開に先駆け、7月27日からは「ドレステリア」神南店でスチール・フォト展を開催中。劇場で、店頭で乾いた60年代ポップの残暑見舞いを受け取るがよろし。「ある日突然…コミック中毒の青年が、ヒーローを夢見て美しい人妻を誘拐し、ジャガーEタイプを盗んで夏のスイスをつっ走った…つづく」。

※「コミック・ストリップ・ヒーロー」は8月11日からシネセゾン渋谷でレイトショー公開





「映画のサントラを先に見つけたんですよ。フィルムもどこかにあるはずだと、探したのがきっかけで…」(N.S.W.映像事業部企画・宣伝赤萩徹さん)。とある作家夫婦の前に現われたはボブというクレイジーな男。彼の奇行をもとにコミックを執筆し始めたために、夫婦は思わぬ事件に巻き込まれてしまう…!?67年にフランスで公開された「コミック・ストリップ・ヒーロー」は同年のカンヌ映画祭最優秀脚本賞を受賞したほか、音楽を同国屈指のジャズ・ピアニスト、ジャック・ルーシエが担当するなど何かと話題も多い。
N.S.W.とは今回3度目の協賛になるドレステリアだが、偶然にも3作とも60年代の映画だ。「特に時代にこだわっているわけではないんですけれど。過去の作品でありながら、決して旧くならない作品というのか。『コミック〜』のギィ・ペラートにしても完全に今の人になっていますからね」(ワールド「ドレステリア」V・M・Dサポート・プランナー近藤真実さん)。60年代を代表するバンド・デシネ作家でありながら、まだ39歳(本人談)らしいペラート。ブーム再燃のきっかけを作ったのはなんと日本だったとか。今春夏パリコレクションではデザイナー、カステルバジャックが彼のイラストをモチーフにするなどファッション界でも要注目の人物である。
本作の公開につき、「ドレステリア」ではオリジナルTシャツと缶バッチ付き劇場鑑賞券を店頭で販売。これらは劇場でも発売するが「ドレステリア」は全国に4店舗しかないため、Tシャツ目当てに駆けつけるマニアもいる。これまでの協賛作品同様、“ショップを通じて映画を知る”または“映画を通じてショップを知る”相乗効果を生み出しそうだ。

執筆者

寺島まりこ

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