毎年6月に横浜で最新フランス映画の上映が行われるフランス映画祭横浜2001でヴィクトリア・
ラフォーリー主演。監督のパスカル・トマの『水曜日は大忙し!』が上映され、主演のヴィクトリア・ラフォーリー。監督、そして父でもあるパスカル・トマが舞台に立った。
今回11歳という最年少で日本に来日した小さなゲストは、しっかりして女優の風格たっぷり。





「本当の父親が『君のお父さん(劇中ではヴァンサン・ランドン)の方を見なさい』なんて言うんだもの。とっても変な感じでした」。小さな体で溌剌と語るのはファミリーコメディ「水曜日は大忙し!」のヴィクトリア・ラフォーリー。監督のパスカル・トマは実の父親でティーチ・インも親子揃って登場した。倒れた子供を道行く人々みんなで介抱する、ほのぼのシーンが劇中にあるが、髯もじゃパパもそんな場面通りの印象。「僕はお節介でしょうね。とかく、介入したがるんです。子供の扱いに困っている母親を目にしたらどうすべきなのか、教えてあげたくなってしまう(笑)」(トマ監督)。
 本篇の舞台はナント。劇中の町には川が流れるが、実際は川のない町だったはずでは。「町の近くにある川で撮影しました。いわば理想の町を作ったんです」(同)。初めはトゥールズが候補として挙がっていたものの、「ナントの自然光を見て気が変わった。あの光だけでもこの映画は成功すると思ったんです」(同)とのこと。
「映画に望むのは人生に近いこと」と言う監督、愉快なドラマと悲しいドラマとが二律背反した本作には確かに人工的な香りはしない。

執筆者

寺島まりこ

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第9回フランス映画祭2001横浜