飛行機事故で奇跡的に生き残った5人の乗客。
セラピストのクレア(アン・ハサウェイ)は乗客の記憶から浮かび上がる数々の謎を解き明かそうとする。

しかし、事故の核心に近づくたびに乗客が次々と失踪し、彼女の周辺でも不可解な事が続発する。錯綜する現実に翻弄され、自分さえも見失ってしまうクレア。
これは偶然か、それとも仕組まれた罠なのか?
そして遂に彼女が掴んでしまった驚愕の真相とは—。

初めてサスペンスに挑み、感情が交錯する様を見事に表現し演技派としての新境地をみせるアン・ハサウェイに話を伺った。




——脚本を読まれたときの感想は?
まず人物全員の人間性にとても興味を惹かれたわ。素晴らしいけれど欠点をもつ人たちが、とても大きな問題を抱えている。それにクレアにもとても惹かれたの。自分の人生を本当の意味で生きていなくて、恐怖心から無愛想な態度をとってしまうクレアに、それを打開するチャンスがやってくるという、そのキャラクター設定のアイデアに惹かれたの。

——クレアのキャラクターについて教えてください
クレアは、大人でいようとして自分を追い込んでいる。何事も真剣に捉えたい、ちゃんとした医者でありたいと思っている。でも年のせいで誰もそう受け取ってくれない。才能があって、賢い人間だということはわかっている。だから世間に対して、なんとか自分を大人に見せようとしている。でも同時に、内面的な生活とは折り合いをつけることができないでもがいているの。

——パトリック・ウィルソンが演じる“エリック”について教えてください
エリックはクレアを解放してくれる人だと思う。クレアは籠の中に閉じこもっている。籠の扉はいつも開いているのに、彼女は気づかない。いつも内側にいるの。エリックはその扉を開けてくれる。「外の世界は広いのに、君はこんなに狭いところに閉じ込もっている」と指摘してくれるの。

——ロドリゴ・ガルシア監督はどのような方でしたか?
これまで仕事をした監督とは全然違うわ。とても協力的ですばらしいわ。彼はモニターで演技を見ずに、目の前にいてくれるの。カメラの真横で見ている。だから、演技も緊張感も伝わってしまう。嘘を演じたり、波長が違っていたり、ごまかしていると、すぐに見抜かれてしまう。そして「もう一度!」って言われてしまうの。

——キャラクターの成長について感じたことは?
クレアはセラピストとしてどんどん成長していく。人間を尊ぶことを学ぶの。人の言葉を本当に聞くようになる。そしてプロとしての距離を保てるようになるの。そして全員を助けたいと思う。でもそれはどんなに才能があったとしても、とても難しいことだわ。

提供:ショウゲート

執筆者

Naomi Kanno

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