カリスマモデルとして活躍する田波凉子さんが女優デビューを飾った。タイトルは『雨よりせつなく』。
初出演にして初主演でもある本作での役は、仕事をテキパキとこなす聡明さと、ふとしたことから知り合った同僚との恋愛に悩む不器用な一面を持ち合わせた女性・綾美。雑誌を飾るモデルとしての田波さんとはまた違った、等身大の、伸びやかな演技で魅せた。

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◆DVD化にあたっての感想をお聞かせ下さい。
撮影した時の気持ちを思い出せる嬉しいですね。買ってくれた方も5年後に見て、また違った感じ方をしてもらえたらいいですね。

◆どういった経緯で映画初出演を決めたんでしょうか?
「主演でやってほしい」とまずお話をいただきました。実はこれまでも話はありましたが、今回出演を決めたのは役柄が同年代だったから。でも演技というものが初めてなので、自分自身、できるかどうか不安はすごくありました。

◆役作りは?
“綾美になる”ということがどんなことか最初はわからなくて。演じるって本当に難しいなと。
私があやみになりきらないといけないし、そうやって台詞を発しないとダメなんですよね。だから最初はとまどってばかりでした。ひとつひとつ監督に、こういう気持ちだから、こう話しているんだよと教えてもらいながらでした。

◆当摩寿史監督はどんな方でしたか?
監督は休憩になるととても面白い方で(笑)、物静かそうなのに、常に人を笑わせるんです。それにとても優しい方でしたね。最初、私は動作をしながら自然に話したりとか本当にできなくて。悔しくて落ち込むときもあったんですけど、次の日にはいつもの当摩監督でいてくれて。現場は常にあったかくて毎日笑ってました。

◆西島秀俊さんとの共演は?
前から素敵な俳優さんだと思っていたので、そんな方が一緒の現場にいて、普通にご飯食べているのが不思議でした(笑)。演技ではとても自然に倉沢さんになっていて、鳥肌が立つくらいでした。たとえば、カップラーメンを食べるシーンで「伸びてる」っていう台詞があるんですけど、とても自然に台詞を言っていて。もっと「あー伸びてるー!」っていう言い方もあると思うんですけど、あの自然な感じがすごいなと。発する一言、一言に引っ張っていってもらえたなと思います。

◆初めての映画の現場を乗り越えていけた原動力は?
主演というプレッシャーというか、責任でしょうか。撮影の間、あまり人にも会っていなかったんです。綾美があまり人と会わないような役柄だったので、私が演技を離れたプライベートで友達に会ってしまうことで、彼女を演じることに対して違和感を持っても嫌だなと思って。
ただ、撮影が終わって、雑誌のカメラマンさんに「ちょっと表情が変わったね」と言われたのはものすごく嬉しかったですね。『雨よりせつなく』の撮影の時も、モデルっぽいという表情があって素の自分を出すことができなかったんです。それが今は雑誌の撮影でも、素の表情を出せるようになりましたね。

◆田波さんから見た綾美の魅力とは?
あまり語らないだけで実は芯がある、すごく優しいけど、それをうまく人に伝
えられない。だから甘えられなかったりして、すごく切ない子だなと思います。西島さん演じる倉沢さんの過去の写真を見ても何も言えない。そういうのを見ると、今までの恋愛はどうだったのかな、とか思っちゃいますよね(笑)。私なら、その日は聞かないかもしれないですけど、後から「(写真)見ちゃったんだよね」って言うと思います。(笑)

◆本作にはいろんなタイプの女性がでてきます。ご自身と近いなと思う人は?
 仕事だけってタイプではないですけど、やっぱり綾美ですね。昔は黒坂真美ちゃんが演じる役に近かったんですが、今は仕事のこともしっかり考えますね。きっとこれまで色々な人と出会って、色々な情報を得たたりして、ちょっとずつ変わっていったんだと思います。今は、あんまりこういろんなことをやりすぎて中途半場になるのは嫌なので、モデルを一生懸命、映画を一生懸命それぞれやりたいです。

◆今後やりたい役はありますか?
意地悪な役とかやりたいですね。重要なことを知っている大事な役なのに死んじゃうとか(笑)。サスペンスものが好きなので。あと、11月19日から公開される『しあわせなら手をたたこう』という作品で恋愛コメディに出演しました。綾美とはまったく違う女の子を演じたので、また違った経験ができて面白かったです。

◆では最後にファンの方へメッセージをお願いいたします。
DVDを何度か見る度にまた違った感想を持てる作品じゃないかなと。綾美と自分を重ねながら見てもらってもいいと思います。綾美は「何でここで帰っちゃうの!?」って行動をとったりするんですけど、今後過去を背負っている人と付き合ってから見たら、綾美の気持ちがきっとわかるんじゃないかな。その時している恋愛で、作品への感じ方が違うのは面白いところですよね。過去の恋愛をずっと引きずっている男性について、男の人がどう感じるのか知りたいですよね(笑)。

執筆者

yamamoto

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作品紹介『雨よりせつなく』