『オズワルドは僕のお手本なんだよ』 「Hello!オズワルド」原作者で監督ダン・ヤッカリーノインタビュー
青いタコのオズワルドにホットドッグのウィニ−、ペンギンのヘンリーにアイスクリーム屋のジョニー・スノーマン・・・。アニメーション「Hello!オズワルド」は子供向けの番組ながら、大人の琴線にも触れるかわいい、優しいキャラクターがいっぱいだ。99年にアメリカでスタートした同作はイラストレーター、絵本作家で知られるダン・ヤッカリーノの原作・監督からなる。「アニメーションになると動きや声の要素も入ってくるから絵本に比べて大変だった。だけど、声優探しは最高に面白かったよ」(ダン・ヤッカリーノ)。劇場公開に続き、7月下旬から順次DVD&ビデオがリリースされる本作。再来日を果たしたヤッカリーノは「キディランドに行くのが楽しみ。お土産用にすごく大きい鞄を持ってきたんだ」と子供のようにはしゃぐ。人柄がうかがえるインタビューとなった。
※「Hello!オズワルド」は7月24日を皮切りに毎月末、ビデオ&DVD順次リリース!!
——青いタコのオズワルドはどのように生まれたのですか?
ヤッカリーノ 「Hello!オズワルド」はアニメーション企画として始まったものなのだけど彼らキャラクターはもうずっと以前から自分のなかにあったんだ。まず、僕が気に入っている丸い形で青い色を使ってオズワルドが生まれた。ホットドッグのウィニーだとか、ペンギンのヘンリー、ジョニー・スノーマンなんかの他のキャラクターの色や形も最初に描いたものと同じ。何度も試行錯誤したわけじゃなく、キャラクターは一発で決まったんだ。
——ウィニ−の話が出てきたところで・・・。ウィニーはどう見ても犬だし、ワンワン吠えもするのに実際はホットドッグ。なんでホットドッグなんですか?
ヤッカリーノ そう、ウィニ−はオズワルドのペットでホットドッグなんだよ(笑)。というのもね、アメリカではダックスフンドのことを俗称でウィンナードッグとかって呼ぶんだ。だから、ウィニーって名前をつけて、ほんとにホットドッグってことにしたんだよ。
——他のキャラクターの名前も由来はありますか?
ヤッカリーノ オズワルドはタコ、オクトパスだからOで始まる名前にしたかった。で、なんとなく思いついたオズワルドって名前があってる気がしてそうつけた。亀のバスタータートルはバスター・キートンから来てるし、ロボットのロドリックは義理の弟の名前だよ。
——なるほど。ちなみに、キャラクターの見た目でも性格でもモデルはいますか?
ヤッカリーノ うーん。でもね、ヘンリーは僕自身かもしれない。常識的で几帳面で安全が第一で・・・でも、そんな性格だけどオズワルドみたいに日々を自由に生きたいと思っている。僕自身はヘンリーで、なりたい理想像がオズワルドなんだ。
——自分の生み出したキャラクターだけに、声優探しは大変だったのでは?
ヤッカリーノ そう、大変だったけど一番楽しいプロセスでもあったね。オーディションには本職の声優さんからテレビに出ているタレントや俳優や、600人近い人が集まってくれた。結局、オズワルド役はフレッド・サベージという子供向けのアクターが獲得したんだ。
——脚本もヤッカリーノさんが手がけているそうですが・・・。
ヤッカリーノ 最初の15話までは一人で書いていて、それ以降はプロのライターさんと2人で作ってるね。僕には2人の子供がいるんだけど、アイディアは彼らからもらうことも多いよ。あとは・・・飛行機の中かな。飛行機に乗っているときにアイディアが浮かぶ。
——ということは・・・今回、日本に来る飛行機の中でも思いついた?
ヤッカリーノ まぁね(笑)。飛行機の中で全部のストーリーが思い浮かぶ時と断片的なアイディアが浮かぶ時とケースバイケースだけれど。
——前回の来日ではキディランドに9回も行ったとか。今回も行く予定ですか。
ヤッカリーノ もちろん。今回はこーんな大きいバッグ(両手を広げ)を持ってきたから(笑)。
——でも、お子さんと取り合いになるのでは?
ヤッカリーノ 実は全部2個ずつ買うんだよ。子供用と自分用と。自分用のは高いところに飾っておいてね(笑)。子供たちに買ったものは彼らが壊そうと何をしようとかまわない。僕のコレクションが無事ならね(笑)。
執筆者
寺島万里子