「“グリンチ”は僕にとってスペシャルな役。子供のころから慣れ親しんできたキャラクターでしたから」(ジム・キャリー)。アメリカでは11月17日に公開され、3日間で60億円の興行収入と歴代オープニング記録を塗り替えてしまった「グリンチ」。12月16日の本邦上陸を目前に11月30日には日本劇場でジム・キャリーの舞台挨拶つきチャリティー試写を開催。明けて翌日、観客の熱気を受けたジムは上機嫌で帝国ホテルでの会見へ。会場入りの際は衝立てに隠れて登場し、顔を出し席につくと「『グリンチ』は自分の周りに立てている壁を乗り越えて、人と触れ合っていく映画です」とコメント。壇上でグリンチの動きを実演してくれたりとサービス精神たっぷりの1時間でした。ちなみに当日の記者席はグリンチにちなんで真緑のテーブルクロスがあしらわれていました。

#「僕の年代はみんなグリンチで育ってきた。それはもう、サンタクロースと同じくらい重要な存在で…」。DR.スース原作のグリンチは1957年生まれ。フィギュアはカルト的な人気を誇っています。「だからこそ、ファンに処刑されるようなことだけはごめんだった(笑)」。
 全身真緑、グリンチ・メイクを初めて鏡で見たときは「サッポロビールを飲んでカラオケを歌ったような気分!」だったとのこと。友人にグリンチ姿のビデオテープを見せると揃って大絶賛したそうです。「はじめ、メークがヘビーなので製作会社の人間は豊かな感情を出せるかどうか心配していた。最終的には表情を操作することができるようになったけどね」。会場から希望もあってジムはグリンチの顔真似(?)とウォーキングを披露。いわく、“ウォルト・ディズニーがペンでミッキーマウスを描いたように”、「僕はこの体でグリンチを描く。小指一本にまで神経を行き届かせないと生きているようには見えないんだよ」。
 とはいえ、撮影2週間目に入る頃は不安に駆られたというジム。そんな彼を見て、製作のブライアン・グレイザーは海軍捕虜たちの痛みを救ってきたカウンセラーを紹介した。「窮屈な状態が続くとトンネルに入ってしまう。みんなと一緒に仕事をしているのにそれじゃあ、話にならないだろう。地獄に行くならみんなで行くべきだよね(笑)」。オズの魔法使いの国に迷い込んだようなフーヴィルのセットともども、ジムはスタッフの力量に敬意を表しています。

執筆者

寺島まりこ

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