愛する人の体に医学では解明できない変異が起こったら、あなたはどこまで寄り添う覚悟がありますか。それが地獄の始まりとしたら…。

監督は、映画美学校の卒業制作『大拳銃』で、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2009とPFF2009において審査員特別賞をW受賞した大畑創。人気TVシリーズ『怪談新耳袋』の『庭の木』の監督を経て、『へんげ』で初の劇場公開に挑む。タイトな台詞、特異なる力に牽引される恐怖をどこにでもいそうな夫婦の物語として展開させた確かな演出力が見所だ。
音楽は『恐怖』『接吻』 の長嶌寛幸。撮影は『怒る西行』 の四宮秀俊。特技監督として『長髪大怪獣ゲハラ』『ウルトラゾーン』の田口清隆、ミニチュア制作で『ウルトラマンサーガ』の特殊造形・寒河江弘がバックを固め、自主映画の枠を堂々と破壊する作品が完成した。

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で異例の2年連続公開、カナザワ映画祭と話題を集めてきた『へんげ』がいよいよ3月10日、シアターNにて公開となる。
この映画のジャンルを一言で言い表すのは難しい。ラブストーリー?ホラー?SF?
この映画が“何もの”かは、劇場で体感したあなたが決めて欲しい!





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■特技監督に火がついた
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——田口さんと『へんげ』監督の大畑創さんとの出会いは、プチョン国際ファンタスティック映画祭でしたね。

田口:僕が『長髪大怪獣ゲハラ』で大畑さんが『大拳銃』で招待されたときです。プチョンで飲んで仲良くなって、日本で会いましょう!って別れたんですけど、それ以来機会がなくて(笑)。新作の『へんげ』を撮るってことで相談を受けて、新宿の銀座ライオンで会ったんです。飯食わないで行って、勝手にオムライス頼んで(笑)。

——おごらせた訳ですね(笑)。

田口:脚本と、絵コンテも描いてあったんですね。「この内容をどうするつもりなんですか」って聞いたら「自分でダンボール箱でやろうかと思って」って。それをやったらズッコケ映画になるから、「どっちに振りたいんですか」って聞いたんです。
その答えを聞いて、何を思ったか、「俺がやりましょうか」って言ってしまったんです。自分から(笑)

——それは大畑監督も喜んだでしょう。

田口:逆に面食らってましたね(笑)。そのまま二人で街に出てロケハンして。

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■『ウルトラゾーン』の一流スタッフ集結!
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寒河江:スタッフはどういう経緯で集めたんですか。スタッフが一流なんですよ。

——どういった方々ですか。

田口:『ウルトラゾーン』のチームですからね。村川聡さんは『ガメラ3』『GANTZ』の特撮カメラマンで。

寒河江:操演の辻川明宏さんは『キル・ビル』のゴーゴーボールを飛ばしている人です。

田口:特殊効果の岩田安司さんは『ブラックレイン』で大阪の排水溝の蒸気を出してた人です。

寒河江:タイミングもよかったんですよね。作品が丁度ない時期で。

——寒河江さんはどういう経緯で参加されたんでしょうか。

寒河江:へんげの特殊美術はすでに原島徳寿さんに決まってたんですが、
mixiの日記で田口監督がそんな話書いてるのを見て、「俺は何やったらいいの?」って。
何か楽しそうって、スタッフ枠全部決まってるところから無理矢理参加したんです。

田口:ミニチュア使ってざわざわし始めているのを寒河江さんが察知して(笑)
原島は僕と同い年で、ウルトラマンの現場で知り合って、その後一回足を洗ったんです。僕がゴジラの特撮の美術として、今年の『ウルトラマンサーガ』を撮った三池敏夫さんに呼ばれたんですが、その頃僕は合成を始めてたから抜けられなくて「いいのいます」って連れて来たのがその原島。原島と僕が仲良くなった理由が「VSゴジラシリーズ」の台詞が掛け合いできたことで(笑)。
原島が『へんげ』の特殊美術をやり始めてすぐ忙しくなっちゃって。
困ったなーって時に寒河江さんからの書き込みが!

——これ以上は書けないのでそろそろお開きにしましょう。

田口:特撮は結構豪華なことやってるんで、お楽しみに!

執筆者

デューイ松田

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