渋谷の路上でスカウトマンに誘われてAV女優となった地味なOL・純子。コスプレ女優ルルとして人気を得たことで自分が変身できると知った彼女は、居場所を見つけたと感じる。そして撮影現場で知り合った同じ事務所の先輩女優でヤンキーあがりの綾乃と心を開きあえる仲となった。だが、ある日、1 人のAV女優が自殺した。人気がなくなれば使い捨てられる企画女優の残酷な現実は、ルルにも降りかかる。彼女がようやく手に入れた居場所は、果たしてホンモノなのか——。

そんな性を商品として扱う世界で生きる、日雇いでセックスを売る企画AV女優たちの性と生をインタビューで綴った同名ベストセラー・ノンフィクション(宝島社文庫/1〜4巻累計25万部)を劇映画化したのが、本作『名前のない女たち』である。

主演には、本作でデビューする新人・安井紀絵(新人)と「神の左手悪魔の右手」(06年/金子修介監督)、「エクステ」(07年/園子温監督)、「人が人を愛することのどうしようもなさ」(07年/石井隆監督)などで活躍の佐久間麻由。
彼女2人からメッセージが届いた。


■安井紀絵 Norie YASUI ■小倉純子=桜沢ルル Junko=Lulu
1988年10月1日、神奈川県生まれ。映画初主演。高校卒業後、養成学校で学ぶ。アルバイトの傍ら、Do As InfinityのPV、映画、舞台のほか、「いくつかのネットドラマやケータイドラマ、CMに出演。佐藤寿保監督直感で、本作オーディションで主役の純子=ルル役を射止めた。趣味は、散歩と献血。特技は剣道で初段。

MESSAGE

「小倉純子・桜沢ルル役の安井紀絵です。
今回が初めての映画主演ということで、お話を頂いた時は正直、緊張と不安に押し潰されそうでしたが、せっかく私を選んで下さったのだから、私だけの、私にしかできないルルを演じよう!と思い撮影に挑みました。純子とルル、どちらも私と似ているところが沢山あってとても共感が持てたのですが、特にルルは凄く遣り甲斐のある役で、なかなか思い通りに演じられず悔しくて撮影中何度も泣かされました。監督を始め、共演者やスタッフの方々に思いやりに支えられて演じきることができて、本当に感謝しています。
物語は、普通の女の子たちが切ないくらいに懸命に生きているお話です。
世代を越えて色んな方に見て頂いて、少しでも何か感じて頂けたら幸いです。」

■佐久間麻由 Mayu SAKUMA ■栗原綾乃 Ayano
1985年2月21日、神奈川県生まれ。秦建日子、坂元裕二、松浦徹、なるせゆうせいらの舞台で培った演技力で、近年は映画出演が増えている。主な映画出演は、「神の左手悪魔の右手」(06年/金子修介監督)、「エクステ」(07年/園子温監督)、「人が人を愛することのどうしようもなさ」(07年/石井隆監督)、「真木栗ノ穴」(08年/深川栄洋監督)、「誘惑として、〜デルタ 小川国夫原作オムニバス〜」(10年/与那覇政之監督)など。09年、週刊プレイボーイ8頁で披露したヌードが大きな話題となった。趣味は音楽鑑賞と料理。特技は一輪車(全日本一輪車競技大会準優勝)。

MESSAGE

「きっと何か強い縁があり、たくさんの偶然があって、今回『名前のない女たち』を沢山の方々と一緒に創れた日々はとてもとても楽しい時間でした。“初主演”とか、そうじゃないとか、少しの経験とか、そういうのは何も助けにも救いにもならず、常に不安定で真っ暗で、手探りでしか出来なかったけど、良いものにしたいというただそれだけの思いと勇気が、大きな力になって、映画作りに対し初めてちゃんと楽しめたように思います。
綾乃がどんな生き方をする女性か、私も演じながらも少し見えてない部分があるけど、やっぱりどう考えてもそうで、きっと私なんかよりもっとずっと大変なところで戦って、そして格好よく、可愛い人だと思います。
どうか、映画館で、一人でもたくさんの人に、触れてもらえますように。たくさんのみなさん、たくさんありがとう。たくさん、よろしく。」

執筆者

Yasuhiro Togawa

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