ポップ!アバンギャルド!そしてバカ!…この3拍子がそろった伝説のカルトムービー『フォービデン・ゾーン』。1980年のアメリカ公開当時、『ロッキーホラーショー』『イレイザーヘッド』などレイトショーという時間帯の興行から火がついたこれらの映画同様にこの『フォービデン・ゾーン』も大きな話題を呼び熱狂的なファンを獲得していった。そして昨年、ニューヨークではDVD発売を記念して行われたイベントに多くのファンが劇場に長蛇の列をつくる事態が巻き起こり、公開から20数年を経て今まさにこの『フォービデン・ゾーン』熱が日本でも再燃しようとしている・・・!
 『シザーハンズ』『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』などの一連のティム・バートン作品、『スパイダーマン』などの映画音楽を担当し、今やハリウッドになくてはならない音楽家の一人でもある鬼才・ダニー・エルフマンが、自身のバンド「オインゴ・ボインゴ」をひきいてはちゃめちゃなパフォーマンスを繰り広げているというのだから映画ファン、音楽ファンおよびすべての好事家にとっては必見だ!
ダニーの実兄であり監督をつとめたリチャード・エルフマンへのインタビューをご紹介しよう。

『フォービデン・ゾーン< リミテッド・フォー・レイト・ナイト>』は、4月23日より吉祥寺バウスシアターほか全国にてロードショー




日本での『フォービデン・ゾーン』公開は、80年代当時のポップカルチャーを大いに刺激し、音楽やファッションなどを巻き込んで、日本のレイトショーブームを作り上げた作品の1つだ。そんな『フォービデン・ゾーン』の1980年公開当初のアメリカでの反響を聞いてみた。

「暴動・放火等々・・・う〜ん、ちょっと誇張したかな?でも本当にいくつかの劇場で放火があったんだよ。それでいくつかの大学で上映が禁止されたんだ。50年代の反共産主義的で右翼的な風潮とは逆に、70年代以降は、左翼派がメディアの中でも力を増してきて、皮肉る対象を彼らが選び始めた。例えば、南部の白人は皮肉ってもよいけれど、マイノリティの人種はダメだっていう風にね。『フォービデン・ゾーン』は全てを平等に皮肉ってる。僕がビックリしたのは、今の学生たちの間で未だに、『フォービデン・ゾーン』の古いビデオが寮から寮へ飛び回って生き続けているって事なんだ。」

そして2004年、『フォービデン・ゾーン』ディレクターズカット版DVDを全米で発売。そして同時に行った上映は、全米でのアート系シアターチェーンを埋めつくす完全SOLD OUT!の記録を作ってしまった。

「2002年頃、初めて僕のウェブサイトを立ち上げた時に世界中の『フォービデン・ゾーン』のファンから何十万通ものEメールを貰ったんだ。幸運なことに僕の周りの人たちががんばってくれたおかげで公開当初よりも良いものがDVDになったんだよ。上映に来てくれたお客さんはキャラクターの衣装を着て来てくれたし、彼らは全部の台詞を覚えてるんだ。本当にすばらしかったよ。」

そもそも、『フォービデン・ゾーン』を作ろうと思ったきっかけは?

「70年代の中頃僕は弟のダニーと一緒にクレイジーなミュージカルグループ、「ザ・ミスティック・ナイツ・オブ・ジ・オインゴ・ボインゴ」(後の「オインゴ・ボインゴ」)のパフォーマンスを残しておきたいっていうのが、この作品を撮ったきっかけなんだ。いくつかのキャラクターはライブから来ていて、残りのキャラクターは、この映画と共に生まれた。ステージ活動でもフィルムとアニメーションクリップを使っていたこともあって、映画でも同じようにしただけで、『フォービデン・ゾーン』は“ヒューマン・カートゥーン(人間漫画)”なんだよ。」

『フォービデン・ゾーン』のどの部分に注目して見て欲しいですか?

「おそらくルネ・ヘンダーソンがクライマックスで自殺を試みるシーンかな。僕はあんな自殺の仕方を人に勧めたくないけどね。」

最後に一言!

「こんにちは。僕は日本でこの『フォービデン・ゾーン』が公開されることになって光栄です。この映画が皆さんの顔に笑顔をもたらすことを心から願っています。」

執筆者

watano kaori

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□作品紹介『フォービデン・ゾーン<リミテッド・フォー・レイト・ナイト>』