「今度のシベ超は泣けますよ。いや、冗談みたいですけどホントなんですよ。ラスト近くの三田さんの演技にはホロリとさせられますから」(西田和昭)。さる9月24日、東京FMホールで「シベリア超特急3」の披露試写会が行われた。司会進行はお馴染み佐伯大尉役の西田和昭。ゲストに水野晴郎こと閣下、パート3を彩る三田佳子、大浦みづき、子役の真柄佳奈子、江成大輝、安藤一平の面々が駆けつけた。「三田さんなしではこの映画は完成しなかった」という閣下に対し、「女優デビューした時からお目にかけてくださって・・・。芸能界にいるんですから、水野ワールドを避けて通るのはもったいなくて・・。お声を掛けて頂いた時はすぐにOKいたしました」(三田佳子)。実はパート6にまであるという「シベ超」シリーズ。続くパート4はなんとお芝居バージョンで、ただいま出演者を交渉中とのこと。なにやら、閣下の若い時分には若乃花を考えているのだとか・・・!?

  







ベテラン三田佳子と宇津井健の泣かせる演技もあいまってか、「シベ超3」は第20回コニャック・ミステリー映画祭特別賞受賞という快挙に。映画祭に向かう飛行機で偶然にも閣下憧れのブライアン・デ・パルマ監督と対面したとか。「閣下がデ・パルマのところ、行きましてですね。『オレ、オレ、あんたと一緒!!』って。デ・パルマはなんて言ったと思います?『それがどうした?』って(笑)」(西田)。「そんなこと言ってませんよ」(水野)、「だって閣下怒ってたじゃないですか。あいつは天狗になってるって(笑)」。ともあれ、受賞に気をよくした「シベ超」一行は「ベルリン映画祭に出して、みごと落選しました(笑)」(西田)。
 さて、「シベ超3」は60年の時を隔てた2つの事件が交錯。戦前の顔を探すためにオーディションには七ヶ月を費やしたとか。今回、映画初出演になる大浦みづきは戦前のシベリア超特急で得意のダンスをご披露してくれる。「いやぁー、オーディションの時にね、大浦さん3人目だったでしょ。この人だと思ったんです。握手したでしょ、あれが合図だったんです」(水野)。
 三田佳子の今回の役どころは75歳。けれど、「特別なメイクはやめましょうと言ったんですよ。女優さんは常に美しくないとダメだと思っているので」と閣下。「逆に75歳なのになんだか年齢不詳っていう感じがね、いいんじゃないかって話したんですね」(三田)。いや、しかし、本当に泣けます。うまい人がいるとここまで映画は引き締まるものなのかと、実感せざるをえないのだった。(敬称・略)

執筆者

寺島まりこ

関連記事&リンク

作品紹介