39歩の遠距離恋愛“愛とは何だかわかるか?”チョン・ジェヨンが愛を語る。 『小さな恋のステップ』合同インタビュー
近くてちょっと遠い、39歩の遠距離恋愛。
一途に1人の男性を思い続ける女の子・イヨンと、それに全く気付かない鈍感な男・チソンのポップでキュートなラブストーリー『小さな恋のステップ』。
長年付き合ってきた恋人から別れを切り出されたうえに、医師から余命3ヶ月と告げられたプロ野球のさえない2軍選手チソン(チョン・ジェヨン)。そんな彼を10年間変わらない想いで見つめ続けるのは、歩いて39歩の距離に住むイヨン(イ・ナヨン)。彼女の存在にすら気付いていなかったチソンだったが…
恋に鈍感でさえない男・チソンを演じるのはチョン・ジェヨン。今まで、『シルミド』や『ガン&トークス』で男らしくタフな役柄が多かった彼が3枚目風な役柄を見事に面白おかしく、そして真剣に演じている。
今回ジェヨン演じるチソンが本作の中でひたすら考えていた“愛って何だろう?”という疑問をジェヨンにもぶつけ、本音トークで愛について大いに語ってもらった。
$RED ☆『小さな恋のステップ』は2006年2月4日、新宿ジョイシネマ3、ほか全国順次ロードショー$
−−今まで男らしくてクールな役どころが多かったジェヨンさんですが、本作で3枚目の男性を演じてみてどちらの方が演じやすかったですか?また、気を使った点は?
これまで出演してきたキャラですが、私が思うに実は共通する部分がけっこうあるんじゃないかと思うんです。みんな愛に弱いという部分で。あと1番神経を使った点は?という事ですが、この映画はコメディだけど非常に真面目な部分もあるし時には少し空々しいというか…そういった部分もあったりして、色々な要素を持っているロマンティックコメディだと思ってます。僕たち(製作サイド)は実は正統派ラブストーリーだと思って作ってたんです。ただし、セリフや状況設定にコメディ要素が散りばめられていたのでロマンティックコメディに見えやすいのですが、実は正統派ラブストーリーと言えるのではないでしょうか?だからそこに重点を置いて演じてました。
−−チャン・ジン監督の演出方法は?また、他の監督との違いは?
特にどの部分を優先して監督が演出に望むかとかはないけど、例えばある部分のシーンで俳優のアドリブを活かす方が面白ければそうするし、シナリオの通りの方が面白いと思えばシナリオ通りにやるし、その時に応じて臨機応変に対応するのがチャン・ジン監督のスタイルだと思います。例えば本作の冒頭シーンでトン・チソンが恋人に別れ話を切り出され、その後の行動を想像する場面があるんですがあそこは全て俳優たちのアドリブで撮ったシーンです。
−−映画の中で何度も “愛とは何だかわかるか?”というセリフが出てくるが、ジェヨンさん自身“愛”とはどんなものだと思う?
愛というのはとても主観的なものだと思う。人にとって愛の捉え方は様々だと思うんです。今仰ったのは多分異性との愛だと思うんだけど、人それぞれで愛を育んでいく過程も異なるので一言でこれが“愛”だとは定義できないですね。私の個人的な愛する方法としては、徐々に愛を感じていく方だと思います。そして愛が永く続けば続くほど愛というものが深まっていくのだなと思います。
−−イ・ナヨンさん演じるハン・イヨンのように一途に同じ人を10年間も思い続けるような女性をどう思う?
一見ちょっとバカみたいな女の子に見えるけどとても純粋で本当に感動するくらい素晴らしい子だと思います。それに、相手がイ・ナヨンさんみたいにとても素敵な女性だとなおさら嬉しいですよね(笑)私も実はこのイヨンのように1人の女性をずっと長い間片思いしてた頃があるので自分でも似ている部分はあるなと。
純粋な愛を受け取った側にとっては有り難く、とても幸せな事だと思いますよ。
−−チソンはずっと想われていたにも関わらず全く気付いていませんでしたが、ジェヨンさんも割と好かれているという事に対して鈍感ですか?
私の場合、誰かが私の事を好きじゃなくても“あの人僕の事好きなんだな”と勝手に誤解してしまうタイプです(笑)相手の方はびっくりして、“この人何を考えてるの?”という風になってしまいますが。
−−イ・ナヨンさんが本作で見事2004年青龍賞主演女優賞を受賞しましたね。彼女はどのような人でしたか?
イ・ナヨンさんはとても女優さんとして純粋に心から溢れるような演技をする人だと思いました。テクニックや技法的な面を優先させるのではなく、彼女が本来持っている本能に近い部分を呼び覚ましながら演技をしていく…真心で演技していく女優さんだから韓国でも評価されて今回受賞したんだと思います。
撮影現場では、女優なんだけどほとんど鏡を見なかったり髪型も全く気にかけなかったりと非常に気さくで女優さんとは思えないほどカジュアルな感じの人でした。そういった彼女の基本的な姿勢が本作でも反映されたんだと思います。
−−本作の中でチソンは自分にはない3つのものがあると言っていました。そこで質問です。ジェヨンさんが今持ってないもの、これから欲しいもの、ジェヨンさんだからこそ持ってるものをそれぞれ3つ教えて下さい。
まず僕にないものですが、普段からあんまり着飾らないのでアクセサリー系のものは一切持ってませんね。これから欲しいものは、幸せ・健康・良い作品。演劇でも映画でも良い演技をしたいのでそういった作品に巡り合いたいです。今あるものはカメラのフラッシュが沢山ある事と(笑)、普段自分の周りにはいない女性が沢山いる事(この日は女性記者が多かった為)、そして今自分が日本にいる事。
−−今後チャレンジしてみたい作品や役柄は?例えば、日本映画は視野に入ってたりしますか?
これからやってみたい役柄というのは特にはないんです。これまでやった事がないものや、魅力的だと感じた役柄に挑戦したいですね。あと、日本映画は個人的に大好きです。でも日本語が話せないのでそこがちょっと壁になってて難しいのかな?って思うけど韓国人の役なら出演したいと思うし、ぜひ出演させて下さい!!!(笑)
執筆者
Naomi Kanno