「the EYE(アイ)」オキサイド&ダニー・パン監督、主演女優アンジェリカ・リー来日!! ホラーの次はコメディをやりたい???
今最も注目のアジアの奇才、オキサイド&ダニー・パン監督が「the EYE(アイ)」の主演女優アンジェリカ・リーと来日した。「レイン」に続くお待ちかねの新作に選んだ題材はサイコホラー。角膜移植を受けた少女の瞳に見えるはずのないものが映るようになってしまった・・・。アジア各国で大ヒットとなった本作はトム・クルーズがはやリメイク権を取得。何かと話題の多い双子監督なのだが、当の彼らは脚光に酔うでもなく、至ってマイペース。一月下旬に行われた会見では質問を順序よく変わりばんこに回答、アンジェリカの笑いを誘ったジョークを幾度も飛ばしたのだった。
※3月29日よりシネクイントでロードショー
——この映画のテーマを教えてください。
ダニー・パン 幽霊が見えるという宿命的な人生を描きたかった。けれど、第一敲では心理ドラマにウェイトを置いたんだ。ホラー映画でも直接的ではなく、目に見えない部分に重要なメッセージをこめた。たとえば、自殺は絶対にしてはいけないとか、失明することは必ずしも不幸ではないということもだ。
——アジア映画はホラーがブームになっていますが。
オキサイド・パン もちろん、ホラー映画ブームを意識して作ったわけではない。ただ、ホラーというのは子供の頃から慣れ親しんできたものだから特異なジャンルという気はしないんだよ。いろんなホラー映画を観てきたけれど、本作ではお決まりのテーゼを破るようなことを敢えてしてみた。幽霊が昼間に出てきたり、長時間出てきたり・・・。
——アンジェリカさんは恐怖体験はありますか?
アンジェリカ 一度もありません(笑)。ただ、私が住んでいたマレーシアの田舎では霊の存在は信じられていて、怖い話はよく聞きました。私も幽霊の存在を信じてます。
——キャスティングはどの段階で決めましたか?
ダニー・パン 時々逆のこともやるけれどキャスティングはイメージに近い、その役と似た雰囲気、性格の人を選ぶようにしている。今回、アンジェリカを選んだのも脚本が完成してからだった。決め手はやっぱり雰囲気だったね。作品のタイトルは後になってプロデューサーがつけたものだから、その時点で彼女の美しく大きな瞳が決め手だったかというと、実はさほど関係がないんだ。
——はじめは目の不自由な、そして中途から目が見えるようになるという女性という難しい役柄ですが。
アンジェリカ・リー 脚本がとても細かく書かれていたことと監督との綿密な打ち合わせが役作りの助けになりました。実際に目の見えない人たちに会いにいったこともあります。その世界を理解するため、目の不自由な人たちのビデオを何本も見ました。どちらにしてもこの役は監督と一緒に作り上げたという気がします。
——トム・クルーズがリメイク権を買ったそうですが、それを聞いた時、どう感じましたか?
ダニー・パン 正直、これほどヒットするとは思ってもみなかった。監督として興行的に成功するかしないかは大切な問題だけれど、それ以上に心がけるべきことはある。リメイクの話はもちろん嬉しい。だけど、それがトム・クルーズだからどう、というほどの感情はないね。
——パン兄弟の現場はどんな感じなのでしょう?
アンジェリカ シリアスなホラー映画ですけど実際には笑ってばかりいたような気がします。監督は2人とももうおかしくって・・・。
オキサイド・パン まず撮影に入る前に笑いを目一杯取ってしまって恐怖心しか残らなくさせるというのが、僕らの狙いだったのさ。
アンジェリカ (笑)。
ダニー・パン 僕らは彼女と一緒に仕事して笑いのセンスに自信を持ったね。どんなことを言っても彼女は笑ってくれるんだよ。
オキサイド・パン そう、同時に彼女がコメディの素質を持っているのは十分わかった。今度は一緒にコメディをやりたいよね。
執筆者
寺島まりこ