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CINEMATOPICS http://topics.cinematopics.com 最新映画情報とインタビュー、レポート、試写会などのプレゼントが豊富。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭などの公式映画祭Webスタッフが編集制作している Wed, 01 Nov 2017 11:59:55 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=4.8.3 「ブレーキを踏むな!真っ直ぐ進め!」攻めるぜ、インディペンデント映画『ミスムーンライト』松本卓也監督インタビュー http://topics.cinematopics.com/archives/17236 http://topics.cinematopics.com/archives/17236#respond Wed, 01 Nov 2017 11:54:39 +0000 http://topics.cinematopics.com/?p=17236

主人公・マキのキャラクターは監督自身でもある


水着!アイドル!グラビア!ゴースト!PVO撮影!
映像部に所属している高校生のマキ(梅村結衣)は、仲間たちと地元の観光PRビデオを撮影するが、平凡な仕上がりに不満を募らせ
る。新たな企画案を思いついたマキは、春休みの合宿で仲間と顧問を巻き込んで再度撮影に挑む。しかし、元映像ディレクターの博和の参加でマキの暴走に対する不協和音がマックスに!

明るく楽しい真っ当なアイドル映画かと思いきや、『グラキン★クイーン』(’10)『花子の日記』(’11)に代表されるように商業的な視点も持ち合わせつつ、ねじれていくストーリー展開とどこかいびつなキャラクターが癖になる松本卓也監督の作品なのだから、やはり真っ当な訳がない。

松本監督の最新作ミスムーンライトは、新潟県新発田市(しばたし)を舞台に、今まで観たことがないようなアナログかつ斬新な映像が展開される快作となっている。

6週間に及ぶイオンシネマ 新潟南のロングラン上映を経て9月には東京、神奈川、千葉のイオンシネマ3館で公開。引き続き、シネマート新宿で11/4(土)〜 11/10(金)、イオンシネマ和歌山で11/11(土)〜11/24(金)の上映も決定した。

 

――猪突猛進型の主人公・マキのキャラクターに特に思い入れがあるそうですね。

松本:最近映画祭で入選するようになって、感想として“うまい”とか色々言われることがあるんだけど、俺の映画の原点ってそこを目指して撮ったんじゃないっていうのがあって。自分はお笑いの脚本の延長で映画の脚本も書いていて、確かに “うまい”部分も狙ってやりたいところの一つではあるけど、楽しいから続けているし、楽しいことをやりたくて始めたことなんですね。
『ミスムーンライト』は群像劇なので、今まで以上に脚本にも時間がかかってます。“うまい”ところ以上に、“ぶっ壊れていて楽しいことやってんだ!”っていうことを劇中の彼女に重ねてて、心の叫びとして言ってもらってるんです。

――だからこそ生きたキャラクターとして感じたのかもしれないですね。松本監督自身が、過去に捉われて屈折しまくっている元映像プロデューサー・博和役で出演されていましたね。

松本:高校生の群像劇だけど、やっぱりエンターテインメントとして多くの人に見て欲しいって思いがあったんですね。企画が始まった時は具体的な上映が決まっていなかったけど、劇場にかけるってプロデューサーが言って。だったら金子先生とか博和、マキのお姉ちゃん、お母さんといった大人パートも、いわゆる大人の人が見ても楽しめるようにと考えて作りました。

博和役は撮影できる人が良かったから、監督仲間に打診したけど2週間の合宿となると難しくて俺が出ることにしました。
ちょっと引っ掻き回す役回りというか、“なんでお前が講師で来てんだよ”って言いたくなる奴がいても面白いかなと思って。

俯瞰で見てみるとやっぱり純粋に突っ走るだけだと、マキみたいにどっかでぶつかるだろうし。
『花子の日記』から一緒にやっている斉藤宣紀プロデューサーが、“松本監督みたいな人が全員じゃない。できる人できない人、色々な人がいて映画を作っているんだから受け入れなきゃダメだ”って口癖のように言っていて、それを結構拝借して劇中に盛り込みました。
本当にそうだと思うんだけど、それでもやっぱり自分の答えとしては、それでも進んだ方がいいんじゃないかって。そんな思いを雛形あきこさん演じるマキのお母さんに反映しました。

――雛形さんは、子どもたちを信頼することができる包容力のある大人の女性で素敵でしたね。

松本:めっちゃ良い役になりました。新発田の河沿いで桜の木があるで真っ直ぐの一本道があって、桜の季節とキャストとシナリオの方向が一気にあのシーンではまったと思います。

――私もあのシーンは凄く好きですね。

 

地方映画の醍醐味

『ミスムーンライト』は松本監督が『グラキン★クイーン』『花子の日記』で組んだプロデューサーの斉藤さんから、「田舎の女の子たちが頑張る話」をやってみないか?と再度声が掛かったことからスタートしたという。当初の仮タイトルは『カントリーガール』。
地方都市である新潟県新発田市が、様々な人が懐かしさや共感を得ることが出来る街だと考えたのがロケ地の決め手となった。松本監督は様々な地方で映画を撮り続けてきており、新潟では8本もの作品を撮っているため協力者も得やすかったという。

――地方で映画を撮る際に、もちろん今までの経験やつながりがある思うんですけど、どのように進めていくんでしょうか。

松本:ロケハンに行って地元で撮るのはもちろん当たり前だけど、地元の人にも出演してもらうことに結構こだわりがあって。東京からキャスト、スタッフを引き連れてドカンと行ってドカンと帰ってくるんじゃなくてね。宿とかロケ地でお世話になるといったことが地方で撮ることの魅力なのかな。

『ミスムーンライト』には総勢約60名もの老若男女が出演中、約半数が地元の人々だという。
――今回の映画で新潟の方が出ていたのはどの部分になりますか。

松本:メインキャストで言うと映像部では1年生のマッスル(金子みゆき)とアベちゃん(小林歩佳)、
先輩だと録音部のおフジ(坂井華) の3人が新潟だった。アイドルのストリングスムーン(坂元楓・小野桃花・新井花菜・入山智花・溝畑幸希)の中ではヒカリ(坂元楓)が新潟で。
後、新潟のお笑い集団NAMARAとお笑い活動時代からずっと繋がりがあって、それもあってよく新潟で映画を撮ってたんだけど、今回は代表の江口歩さんにクラの父親役、役場の広報・加藤役で中村博和くんに出てもらった。
中村くんの地元が新発田市で、ぜひ新発田市で撮ってくれとラブコールがあって。それが新発田市に決めた理由の一つでもありますね。彼は凄く頑張ってくれて、出演以外でも地元の人や場所を紹介してくれたり。彼の協力は大きかったです。

行政主導ではなく、完全なるインディペンデント映画である『ミスムーンライト』

松本:よく新発田市から資金が出てるんじゃないかと言われるんだけど 全く出てないんです。

――そうだったんですね!新発田市から依頼を受けての映画かなって思ってました。

松本:俺もプロデューサー的にも、あわよくば少しぐらいという気持ちがあったんだけど、水着で攻めてるせいか特に資金を出してくれたとかはなかった(笑)

――実は『ミスムーンライト』の公式ホームページの新潟版ポスタービジュアルを見たら、あまり水着はフィーチャーされてなくて。 水着をメインにした全国版と全然違うので、やっぱり気を遣ってるのかなと思ってました(笑)

松本:よくお分かりで(笑)。そうなのよ。プロデューサーもやっぱり全国版には水着出したいって、あのポスターになった。

――『ミスムーンライト』の制作体制はどのようなものですか?

松本:出資して貰ったお金で撮ってるから低予算の商業映画なのかもわかんないけど、インディペンデント系映画なのは確か。
元は斉藤プロデューサーが担当しているオーディション番組があって、若手女優やアイドルたちの映画出演を応援したいファンたちがクラウドファンディングのような形式で出資してくれて集まった資金に加えて、足りない分をプロデューサーがさらにプラスアルファで集めて制作しました。

オーディション番組で20位以内に入った人々がメインキャストとして参加したという。
――主役のマキを演じた梅村結衣さんはどんなところが決め手になったんでしょうか?

松本:プロデューサー判断で、ミュージカル経験のある期待の若手だって聞きました。初めての読み合わせでも上手かったですね。舞台の演技は出来ても自然な演技はあまり経験がなかったらしいけど、ワークショップで役をつかみ出すのが早かったですよ。

――目が凛としていて、何十人も女の子が出てるんだけども、埋もれない個性がありましたね。

松本:おお!ありがとうございます。

――公開規模は元々どのように考えていたんですか?

松本:インディペンデント系にありがちな計画性がないと言うか(笑)。作り終わってからプロデューサーが交渉しに行って。プロデューサーが頑張ってくれて新潟でまずイオンシネマ 新潟南が決まって。1週間の予定で始まったんだけど、結果的に6週まで行ってどんどん増えて行って、その成績があったからイオンシネマの東京、横浜、千葉へ広がっていきました。
9月に上映が初めてイオンシネマじゃないシネマート新宿が決まって。一館一館交渉して増やしていくやり方で『グラキン☆クイーン』と『花子の日記』の時と同じです。

――今回はもっと広がってきそうな感じですか?

松本:結構広がりそうな気が。プロデューサーが和歌山出身なもんで、関西では最初に和歌山に決まったけど、今後は大阪や名古屋も視野に入ってます!

 

ラストに込められた監督の思いとは?

――ネタバレしない程度に伺いたいんですが、何故あのラストの展開を選んだんでしょうか?

松本:いいところを訊いてくれてありがとうございます!

2016年の4月クランクインした『ミスムーンライト』。脚本に掛かったのは1月~3月。松本監督が新発田市で映画撮るという情報が流れ、好意的に受け止めてくれる人がいる反面、松本監督が以前手掛けた新潟県の離島・粟島(あわしま)の温泉「おと姫の湯」のオリジナルキャラクター“泡姫ちゃん”に言及して、新発田市で映画を撮ることに対してSNS上で非難されたこともあった。まわり回って松本監督について粟島の役場に問い合わせが入った際には、フォローしてもらったことを後で知ったという。
映画制作(4本)や上映活動の縁で毎年粟島に足を運んでいる松本監督は、粟島島民や役場の人々とのつながりが深い。キャラクターグッズは関係者の要望で再販もされており、その関係は良好だという。

 

松本:俺って本当に周りから支えてもらってるんだなって実感したし、関係を築き上げてきたんだなって嬉しかった。あと、それぞれの反応が面白いよなぁってなって。エピソード提供してくれてありがとうございますじゃないけど、映画だからこそストーリーに反映できる。昔から思ってきた“面白い限り続ける”っていうテーマに繋がっていて、例えば企画の発信がクライアントからだったとしても、インディペンデント系だったらなおさら自分たちがやりたいことやらなきゃいけないと思う。だから最終的には自分への鼓舞も含めて、何を言われてもやりたいものを最後まで貫き通すことを描いた映画になりました。

 

――今聞いて納得したのが、松本監督の映画の面白さは王道エンタメ系の要素もあるけども、インディペンデント映画ならではの挑戦がいびつな魅力になってるんでしょうね。

松本:ありがとうございます!エンターテインメントはプロデューサーの要望で必須だったから、プラスアルファ俺の持ち味を加えたら映画そのものの解体に(笑)。

――メタな構成が小気味良かったです。女の子達も、男性目線で見た可愛いだけの女の子達ではなかった。

松本:従来のアイドル映画のイメージで見られないように、できるだけ全員をインディーズ映画のリングに無理やりにあげたと言うか(笑)。みんな合宿で同じ合宿所で寝泊まりして、とにかく一本の映画を作るにあたって一つの釜の飯を食ってやって行こうぜっていう泥臭いスタイルで。ただ可愛くて綺麗に撮った映画にはしたくなかったんです。

 

『ミスムーンライト』というタイトル

――それでは最後になりましたが、『カントリーガール』という仮タイトルから、なぜ『ミスムーンライト』になったんでしょうか。

松本:プロデューサーから象徴的なロケ地の月岡温泉の「月」を入れようって言われて(笑)。
『ミスタームーンライト』って曲はビートルズがカバーしていて、俺の大好きな桑田佳祐の『月光の聖者達 (ミスター・ムーンライト)』って曲もあるから、『ミスムーンライト』って発想して、そこから脚本も走りました。
月は自分で発光しないけど、照らしてもらうと光るというところが丁度マキとクラ(かいり)の関係に当てはまる。クラはドキュメンタリーを撮っていて、何でも一人で出来るし周りからも一目置かれていてマキはうらやましく思ってる。マキから見たクラは太陽に見えるんですね。でも実はマキ自身も月として光っている。月明かりに照らされてストリングスムーンが踊るシーンがありますが、ミサコ(田中あさみ)も含めて映像部のメンバーもそれぞれがミスムーンライトなんですよ。

――そう思ってあのシーンを観るとまた感慨深いですね。ありがとうございました!

ヒミツの拘りポイントとして映画の中で画角が変わる訳を教えてくれた松本監督。これまでの上映では特に指摘されたことがないというから、ピンと来た方は映画を楽しみつつ、ぜひ劇場で松本監督にぶつけてみて欲しい。

【上映情報】
シネマート新宿:11/4(土)〜 11/10(金)
イオンシネマ和歌山:11/11(土)〜11/24(金)

 

(C)2017「ミス ムーンライト」製作員会

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西村喜廣流、血飛沫で問いかける社会派バイオレンススプラッターが関西へ!映画『蠱毒 ミートボールマシン』第七藝術劇場舞台挨拶&百合沙、村杉蝉之介インタビュー http://topics.cinematopics.com/archives/17194 http://topics.cinematopics.com/archives/17194#respond Thu, 26 Oct 2017 10:00:59 +0000 http://topics.cinematopics.com/?p=17194

大阪市淀川区の第七藝術劇場で10/14から公開中の『蠱毒 ミートボールマシン』。監督は西村喜廣、主演:田中要次、百合沙。

西村監督はスペインのシッチェス・カタロニア国際映画祭から帰った後、10/20の松本シネマセレクトでの舞台挨拶を経て、10/21第七藝術劇場にて主演の百合沙さん、出演の村杉蝉之介さん、仁科貴さん、大宮将司さんと共に舞台挨拶を行った。

 

『蠱毒 ミートボールマシン』は、謎の生物に操られたヒトとマシンの複合体、ネクロボーグの死闘を描いた『MEATBALL MACHINE ミートボールマシン』(05/山本淳一監督、山口雄大監督)を原型とする。その世界観を継承しつつ、オリジナル版で特撮・造型を手がけた西村監督が、脚本の佐藤佐吉さんとともに現代社会の労働環境の問題や格差問題にも言及したストーリーに発展させ、更に過激なバイオレンス・スプラッタームービーとして完成させた作品だ。

 

村杉さんから登壇の際にも流れた『蠱毒 ミートボールマシン』のテーマ曲について質問が上がった。

「あのロシア民謡的な感じは一応意味があるんですよね」

西村監督は某超大作の特殊造形プロデューサーを務めた際に赤字になったというエピソードを語り、

「『蠱毒 ミートボールマシン』のテーマは労働です。労働って何なんだろうと思った時にロシア民謡が浮かんで来てこの曲になりました(笑)」

 

村杉さんは「こういう作品に出たいがために役者を始めたようなもんなんです。シッチェス映画祭は僕らの世代では“シトフェス”言ってたの知ってます?ジャンル映画が大好きで、その頃から凄く憧れていて。今回は凄くかっこいい役で出してもらいました」と思い入れを語った。

 

村杉さんが所属する大人計画の公演で訪れたパリで、観客参加型の上映で知られる『ロッキーホラーショー』を体験した際の楽しさを語ったところ、

「絶叫上映とかやりたいね。百合沙がおっぱい出すところで、観客みんなでおっぱい出すとか(笑)」と西村監督が会場を沸かせた。

 

話は『蠱毒 ミートボールマシン』の海外上映の様子に。

西村監督が「反社会勢力の映画なんで(笑)」と称する本作。世界約55ヶ所の映画祭で上映され、平行して劇場公開も行われており、現在はインドのムンバイで上映中とのことだ。

 

百合沙さんからはシッチェス映画祭の報告が行われた。

「シッチェスでは【japan madness】 っていう特集上映があって、夜中の1時ぐらいから始まるんです」

梅澤壮一監督の『血を吸う粘土』、三池崇監督の『土竜の唄 香港狂騒曲』、最後に『蠱毒 ミートボールマシン』がそのプログラムだ。

「始まったのが朝の4~5時で皆さん帰らないんですね。電車もないし」

西村監督は「僕と三池崇監督と梅沢監督と3人で舞台挨拶ですよ。三池さんも“年寄りなのに夜中1時、大丈夫かな”と言いながら(笑)」

「三池さんもそうなんですけど、西村さんも立ってるだけで声をかけられるんですよ “NISHIMURA-SAN,PHOTO,PHOTO!”って。たくさん写真を撮ったり、舞台挨拶で観客にガム投げたりしましたね(笑)。絶叫上映でした。何かある度に“yeah!”、血が出る度に“yeah!”、おっぱい出たら“yeah〜!!!”(笑)」

 

最後に西村監督から観客にお土産が。

「お忙しい中、台風直前の中来て頂いたんで、欲しい人はジャンケンして持って帰りませんか」

西村映造の手ぬぐい3本と、西村監督がドイツのハンブルグ映画祭に行った際に、ニベアの本社で見学者が記念に作ることが出来る写真入りの二ベア缶が紹介された。しかも西村監督、『RE:BORN』の下村勇二監督、坂口拓さんの写真というレアなものだ。

観客とのジャンケン大会が盛り上がったところで、舞台挨拶もお開きの時間となった。

 

第七藝術劇場のあるビルの5Fシアターセブンにて田中健詞監督『パンチメン』も公開中の仁科さんと大宮さん。仁科さんはニベアつながりで
「今『RE:BORN』も京都シネマで上映中で、みなみ会館では石原貴洋監督の特集上映「大阪バイオレンス、3番勝負ニューバージョン」で、僕らも出てる『大阪蛇道』『大阪外道』といっぺんに来ました!皆さん是非よろしくお願いします」と観客にPRした。

 

「今日はご来場本当にありがとうございました。何度おっぱい見ても楽しいですよ。何度でも見てください。ありがとうございました!」

百合沙さんは堂々の挨拶で観客の笑いを誘い、大きな拍手と受けた。

上映後にサイン会が行われ、観客の皆さんとの交流を楽しんだ登壇者一同。

サイン会終了後に村杉蝉之介さんと百合沙さんにお話を伺った。

 

 村杉蝉之介「今回はストーキングなしで純粋に恋する男を演じました」

松尾スズキさん主宰の大人計画のメンバーである村杉蝉之介さん。個性的なルックスを生かしたインパクトの強い役柄で映画、TVドラマなどで活躍している。

『蠱毒 ミートボールマシン』では、主人公・野田勇次(田中要次)が憧れの三田カヲル(百合沙)会いたさに通う古本屋の店長・長谷を演じている。

 

――大好きな女性を下から支える役回りでしたが、どんなキャラクターと受け止められましたか。

村杉:いつもはストーカー役が多いんですけど、今回はどっちかっていうとストーキングなしで純粋に恋する男でしたね(笑)。
顔が半分なくなっても恋をする役で(笑)。

 

――西村監督の映画に出演されていかがでしたでしょうか。舞台上でも愛を語ってらっしゃいましたね。

村杉:オリジナリティですよね。よく漫画の映画化ってよくありますけど、西村さんは絵を描くように作っていくのが面白いですよね、全部やるっていうのが。頭の中のものを絵コンテに描いて、臓器も全部作って立体にしてそれをスクリーンで見せる。

ちょっと見れば西村さんの映画ってわかるのが面白いと思います。その上お笑いが入ってるっているのが凄く大切なことだと思っていて。本当に好きな監督なんです。

 

ここで西村監督が村杉さん演じる長谷さんの名シーンについて裏話を。

西村:「アスファルトだもん」ってその場で言いましたよね(笑)。

村杉:あれはどうだっけ。

西村:セリフにはないんですよ。

村杉:でも監督がその場で、台本にないことでも結構演出をされてましたからね(笑)。

このシーンについてはぜひ劇場でお楽しみいただきたい。

 

――これから観られる方に お勧めの言葉などお願い致します。

村杉:今日2回目観て気づいたんですけど、観れば観るほど面白い映画です。情報量が多いので何度でも楽しく観て頂ければと思います。

 

百合沙さん女優としていつかヌードになると思ってましたが、まさかこういう形で!」

映画『教科書にないッ!』シリーズに出演し、『LINKING LOVE』(金子修介監督)が公開待機中の百合沙さん。『蠱毒 ミートボールマシン』では主人公・野田勇次(田中要次)が思いを寄せる古本屋の店員・三田カヲルを演じた。純粋さが故に男に翻弄される薄幸の女性だが、混沌の状況の中で思わぬ強さを発揮する。

 

――『蠱毒 ミートボールマシン』では、ヌードを披露されましたが、ヌードという言葉から想像するものとは全く違うシチュエーションで、とても格好良かったと思います。脚本を読んでどう思われましたか?

百合沙:ありがとうございます (笑)。女優人生の中でいつかヌードになると思ってたんですけど、まさかこういう形でおっぱい出すと思ってもいませんでした。ただ“面白いなー。これならいいな。やりたいな!”と思いました。撮影は、東京・押上のマンションの屋上でやりました。晴天の中、開放的な気分で撮影しましたね。貴重な経験だったと思います。

 

――特殊メイクのある撮影はいかがでしたか?

百合沙:西村監督は撮影中は怖いよってずっと脅されてました。その通り怖いのは怖いんですけど、本当にみんな不眠不休でやってるんだなっていうことに驚いて。血も出ますし壮絶な現場でしたね。私は寝ることが出来たので、周りの皆さんの空気を感じ取って、テンションを合わせながらやりました。

 

――三田カヲルを演じてどんな女性と感じましたか?

百合沙:過去に色々あって 心の拠り所が宗教になっちゃうんですけど、宗教にはまって純粋に信仰している人を演じるのが難しかったですね。自分が信じているものをどう人に勧めるのか。西村監督からも詰められた部分で大変でしたね。ただ純粋に信じる心を自分でも信じて演じてみました。

 

――彼女の辿った人生はどう思われましたか。

百合沙:浮かばれない人生を送って来たと思うんですけど、最後に勇次さんや長谷さん(村杉蝉之介)、世話をしている男の子たちのように自分を守ってくれる人、大事に思ってくれる人が出来て、そういう意味ではいい人生だったんじゃないかなと思います。

 

――田中要次さんとの共演はいかがでしたでしょうか。

百合沙:田中さんは本当に裏表がない方で。待ち時間の間も事あるごとに「あるよ!」って言って笑わせてくれたりして、本当にリラックスして撮影することができましたね。

 

――これから観てみたいと思ってる皆さんにお勧めの言葉を頂ければと思います。

百合沙:西村さんが「これは恋愛映画だ」と言ってました。恋愛映画として楽しみつつ血が出る所もたくさんあるので、楽しく何も考えずに観てもらえたら。私もシッチェス映画祭も含めて何回も観てるんですけど、毎回必ず同じポイントで笑えるし新鮮に観ることが出来るので、何回観ても面白いと思います。

 

――ご自身で気に入ってるシーンはありますか?

百合沙:自分のロデオのシーンと、BoBAさん(田中要次さん)がランジェリーパブ天獄で楽しんでるシーンが一番好きですね!

 

『蠱毒 ミートボールマシン』は第七藝術劇場の上映に続き、兵庫・Cinema KOBEにて11/18(土)から、広島・横川シネマにて順次公開予定となっている。

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人生のリングから降りないあなたに贈る!人生とことんいてまえ映画『パンチメン』監督:中間健詞、主演:仁科貴、大宮将司インタビュー http://topics.cinematopics.com/archives/17133 http://topics.cinematopics.com/archives/17133#respond Tue, 24 Oct 2017 10:03:56 +0000 http://topics.cinematopics.com/?p=17133

監督・中間健詞、主演・仁科貴の『パンチメン』。

2016年に東京で3日間の興行を行い好評を博すも、何故かメイン撮影の地である大阪での公開はなく寝かされた状態に。ワインなら寝かせることに価値があるが、映画に寝かせる意味はない。さっさと公開せんかい!とファンから叱咤の声が上がったかは不明だが、満を持してシアターセブンにて10/21から10/27まで一週間の公開と相成った。連日の舞台挨拶予定は選挙戦のポスターをイメージした一覧表を劇場に張り出す演出も、大人の遊びゴゴロが溢れている。

ルール無用の地下格闘場・パンチメンスタジアムに踏みこんだバツイチサラリーマンの菊池浩二。年齢、性別制限一切なし、老若男女入り乱れ、時には力量のなさから滑稽とも言えるバトルが繰り広げられる中、君臨する無敵のビースト北直樹。ファイターたちの真剣さに菊池が見たものとは….?

シアターセブンの初日舞台挨拶時に中間健詞監督、主演の仁科貴さん、大宮将司さんにお話を伺った。

 

 

仁科貴さん

「菊池は社会の中で選ばれた生贄のような男

最近ではTVドラマ『刑事ゆがみ』や北野武監督『アウトレイジ 最終章』にも出演し活躍の場を広げている仁科さん。10/21、22京都みなみ会館では、石原貴洋監督の特集上映【大阪バイオレンス、3番勝負ニューバージョン】が開催され、仁科さん、大宮さんがそれぞれ主演を務めた『大阪蛇道』『大阪外道』も久々に公開された。

初の単独主演作品『パンチメン』では、リストラ寸前の落ちこぼれサラリーマン菊池を、仁科さんの真骨頂である自虐のユーモアを持って悲哀あるキャラクターとして熱演した。

 

 

――菊池はどういうキャラクターと捉えて演じられましたか。脚本読んだ時や実際演じられての印象をお聞かせください。

仁科:菊池は社会の中で選ばれた生贄のような男ですよね。駄目な人には人間共感するもので、みんな自分が駄目だと思いながらも一生懸命生きているじゃないですか。とことん駄目な人間は、逆に人を勇気づける可能性を持っているなって感じました。

僕は結婚してないので離婚とか子どもの問題もないんですが、年齢的にそういった役をオファーされることが多くなって来て、自分の未来像みたいに思うと演じ易かったですね(笑)

 

――格闘技映画としての『パンチメン』の魅力も教えてください。

仁科:前回の東京上映の時に改めて観て思ったのは、監督も僕も映画をやっていて、スポーツとはかけ離れたところにいるんですけど、この映画ってスポーツの本質を見事に描いてるなって。

それはスポーツってアスリート自身が勝利に向かって闘うことで達成感や幸せを得るじゃないですか。でも実はその本人が全く意識してないところでそれを見ている人たちの心をどれだけ救っているか。

そのスポーツのあるべき姿っていうのが、菊池からも感じ取ってもらえるんじゃないかなって思います。

 

――最後にこれから『パンチメン』を観る方に一言お願いします。

仁科:『パンチメン』は、撮影期間も予算もない中、中間監督の明確で綿密なイメージと僕らの必死のコラボレーションで出来上がった映画です。皆さんにもいつまでも愛して頂ける映画になるよう、今後ともお力添えをよろしくお願いします!

 

 

大宮将司さん

「北直樹は『機動戦士ガンダム』のシャアのイメージ」

大宮さんは今まで石原貴洋監督『大阪外道』に代表されるような作品で、その強面を生かした役柄を演じてきた。『パンチメン』で演じるのは、謎の地下組織「パンチメンスタジアム」に君臨する無敗のファイター・北直樹。リングの外での北直樹は完全無欠のヒーローとは程遠く、人間味溢れる面も覗かせる。そんなところも『パンチメン』の魅力だろう。

 

――今回久しぶりに上映で本編は改めてご覧になりましたか?

大宮:実は家でたまに観るんですよ。仁科さんがよく家に遊びに来られたりするんで、そんな時にちょいちょい観たり。

 

――大宮さんが演じた北直樹はどのようなキャラクターと感じましたか?

大宮:今まではヤクザな男が多かったんですが、オファーを頂いた時に中間監督から『機動戦士ガンダム』のシャアみたいな役です、みたいなことを言われたんで、“おおっ!”ていう感じで。やってやるぞっていう気持ちになりました。

 

――ご自身は人間のキャラクターとして北と菊池、どちらに惹かれますか?

大宮:自分が演じたから北でしょうか。客観的に見れない部分もありますが。僕と北は共通点はあまりなくて、僕は無口でもないし影とかもないですし。北直樹の魅力は影があるところですかね。人間誰しも多少なりと背負っているものがあると思うので。

 

――映画『パンチメン』を知らない方にその魅力を伝えてください。

大宮:格闘技映画と言えば殺伐としたものが多いと思うんですけど、今までにない心温まる格闘技エンタメになっています。どういう風に違うのかを確かめに、ぜひ劇場に観に来てください!

 

 

 

中間健詞監督

「仁科さん演じる菊池には“割り切った人生”を選び始めた中年世代を投影しました」

もともと、芸人さんの物語を企画していたという中間監督。ゆうばり国剤ファンタスティック映画祭のオフシアターコンペティション部門グランプリを目指すために、コンパクトで極力シンプルな物語にしようと発想を切り替えた。ゴロンと寝転んだ時に「おっさんの殴り合い」というアイディアが浮かんだという。

 

中間:僕のカラーという色付けはするとしても、直球ど真ん中の部分を描いたエンターテイメントができないかなっていう風に考えて。ど真ん中っていうのは勧善懲悪ではなく、物語の中には悪役じゃなくて敵や色々な人々がいて、面白くてハラハラするような基本的な映画の楽しみ方ができるシンプルな物語を作りたいっていうのがもとの発想ですね。

 

――主演の仁科さんは最初からイメージされてたんでしょうか。

中間:仁科さんにはいつかお願いしたいと思っていて、芸人さんの物語で振り回されるマネージャーの役でイメージしてたのもあって、僕の脳内でいきなり『パンチメン』の主人公としてぽこっと浮上して来ました。

仁科さんならこう演じてもらえるだろうという直感で書き終わった頃、たまたま電話で話すことがあって、「実は全然伝えてなかったけども、仁科さんを主人公に宛て書きさせてもらっていたのでぜひ出演して欲しい」と伝えたんです。それで快く受けてもらえました。

 

――大宮さんはどうやって選ばれたんですか。

中間:2012年にゆうばり映画祭で会ったんですが、見た目の存在感がありましたね。当時彼は大阪だったんで、一緒に何か面白いことができたらねって言ってたのが、おっさん同士の二人の物語を作るにあたって繋がりました。

 

――撮影に入ってお二人の演技はいかがでしたか?

中間:想像で始めた作業だったんですけども、思った通りいい感じで二人とも僕の期待に答えてくれたし、二人のコンビネーションもよかったと思います。

 

――撮影時に苦労されたことはありましたか?

中間:撮影に関しては全然問題なかったですが、問題はお金の面でした。この映画を途中で一緒にやろうと言ったプロデューサーが途中で降りちゃったんで、それで苦労しましたね。あとは時間的な問題で、芸人さんの話から『パンチメン』に切り替えたことで本来かけられる時間が短くなって、いろんな人に負担かけたのが申し訳なかったと思っています。お金と時間どっちもなかったけど、現場は穏やかだったし上がりに悲壮感がないというのが良かったです。いろんな事情を感じさせずに、純粋に映画として楽しんでもらえる出来になったのが良かったかな。

 

――そんな苦労があったんですね。それでは各キャラクターの人間的な魅力を教えてください。仁科さんが演じた菊池はいかがですか?

中間:主人公の菊池は僕が投影されたわけではないんですけど、大雑把な平成20年代の中年男性像という感じにしたかったんです。僕はバブル時代に就職活動をしていて、有名な会社に入った同級生がいるんですけど、この年になると出世レースから取り残されて、そのつもりで残りの人生を消化していく生き方を選ぶ人も多いんです。とりあえず割り切って生きていこう、みたいな決断を迫られる年齢に差し掛かっていて。キャラクターを作り込むにあたっては、出来ない男にアレンジにしましたけど、 菊池に全般的な現代中年男性を投影しました。

 

――大宮さんの北はどうでしょう。

中間:北に関しては悪役にはしたくなかったんですね。影があって悪い奴ではないんだけども、何故か敵役になっている。シャア・アズナブルやダースベイダーみたいに、悪役というよりは「魅力のある敵役」であって欲しかったんです。多少道を踏み外しかけたところがあっても真面目に仕事をしてきたのにうまく行かなくて、元が純粋だったからその壁を突き抜け抜けることができなくて、腕っ節だけで人生を模索しているそんなキャラクターにしたかったんですよ。

全く会うはずがないこの二人が、変なおっさんに連れて行かれた場所で出会ってしまう。

人の出会いってどんな所で起こるかわからないというか。ストーリーの紹介でよく「ひょんなことから」って言うけど、絶対使いたくなかった。「ひょん」は一番大事ですよ(笑)。「ひょん」という言葉を使わずに二人を引き合わせるんでしたら、「主人公がちょっと自暴自棄になった時にある事件に巻き込まれてしまって、本来は被害者になるところが人と出会うことで回避されて、人生の転機を迎えることにつながった」。それを「ひょん」とは言わせないよ(笑)。

ラストで皆が皆、大ハッピーになるようなそこまで極端なものにはしたくなかった。まあ色々あるけど、そこそこハッピーぐらいのラストにしたかったんです。

 

――人生のように、またこの後も続いていくって感じですね。

中間:書けと言われれば、続きも書けますよ。スポンサー待ってます!(笑)

 

――最後に初めて『パンチメン』を観る方に、一言で魅力を伝えて頂けますか。

中間:その辺のおっさんがカチッと何かのスイッチが入った瞬間に面白いドラマの登場人物になっていく。そんな映画です。基本コメディテイストなんですけども、誰でもドラマチックな瞬間が訪れることがあると思うんです。そんなところを楽しんで観てもらえたらなと思います。

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『サバイバルファミリー』矢口史靖監督インタビュー http://topics.cinematopics.com/archives/17126 http://topics.cinematopics.com/archives/17126#respond Thu, 12 Oct 2017 15:57:36 +0000 http://topics.cinematopics.com/?p=17126

●意外にもシリアスな作風でしたが、本作の公開後、どういう反響がありましたか?

僕あてに直接、作品の感想が届くことは少ないのですが、マスコミ向けの試写会の際、こっそり立ちあうことはあります。おっしゃるとおり、僕は笑う映画を作ったつもりはまったくなかったのですが、意外と皆さん笑っていたので驚きました。そこは怖がるところ、そこは泣くところなのに、と思っても、皆さん笑っているのでびっくりしましたね。たとえば通天閣のシーンで主人公のお父さんがお母さんになじられる場面では、女性は皆笑っていて。ただ、男性は冷や水をかけられたようにぞっとしているように感じたので、観る人によって見えかたが違うことが面白いなあと思いました。お父さんはあそこまで言われたらショックで死んじゃう、お母さんにとってはしてやったり、その一言を言ってしまった、という感じなんでしょうね。

●実際にいそうですよね。10日後とかに家を出る家族が。

鈴木一家も判断が遅いですが、けっこうな確率でいるとは思います。ずっと待とうって、食べ物と水がなくなるまでとにかく我慢し続けちゃう。待っていても助けが来ないんだって判断をどのタイミングでするかって、何の情報もないので自分で決めるしかない。それが命取りになるかもしれないけれど、そういう判断って日本人は基本的にしたことがないですから。地震や津波は起きちゃったどうしようという災害の瞬間が目に見えてあるものですが、この話はディザスターが起きていることが誰にもわからないんですよね。時間が経過すると、まだ停電が続いていることは実感するけれど、その時はもう手遅れなんです。ヘンテコな構造の話ですから、パニック映画のようでそうじゃない。誰も作らないなら自分で作ろうかなと。

●それこそハエだけでCGでも、リアリティーがグンと下がりますよね。

何かにつけてデジタル技術が発展してきていて、ハリウッド映画がわかりやすいと思いますが、そこそこ本物に見えるなら、実写で撮らなくてもCGでやればいいじゃないかってなってくる。日本の技術もどんどん上がって来ていて、わざわざそこは実写でやらなくてもという誘いが耳に入ってくる。スタッフのほうからもわざわざスケジュールを切って、安全を確保して、天候に左右されずにやれるという話が来るんです。ただ、僕は特撮好きなので、CGはすぐわかっちゃう。それくらいちゃんと撮ればいいじゃないという映画がたくさんあって、本当にやればいいことをデジタル技術ですましているんです。

●「矢口史靖監督のサバイバルのススメ」など、映像特典について教えてください。

僕があったほうがいいと、つい言い出しっぺになってしまったので作ることになった特典で、最初は猫缶食べ比べなどのバラエティー番組風のアイデアが出てきましたが、実際に使えるものにしたいとリクエストしました。なるべく実践的なもので、「この特典映像を見れば、知らない人よりは一週間くらいは生き延びられる」ものをと、それで5種類ほど映像を作りました。水、食料、体温保持、排泄、火、これくらい知っていればすぐには死なないだろうと。映画の中にも出てきますけど、それを実現可能なものに絞ってやってみたわけです。

●初めて本作を観る人に向けてメッセージをお願いいたします。

今の世界で電気がいきなり消滅したら、どれだけ大変なことになるか、誰も本気で考えたことがないと思います。しかしもし、それが起きた時にはいきなりサバイバルが始まる。この映画の主人公はあなた自身です。崩壊した世界でどうやったら生き残れるのか、映画を観て疑似体験してほしいですね。

■リリース情報
「サバイバルファミリー」 発売中 ※レンタル同時リリース

●Blu-rayスペシャル・エディション (本編Blu-ray+特典Blu-ray)
PCXC-50129 ¥7,600+税
●Blu-rayスタンダード・エディション (本編Blu-ray)
PCXC-50130 ¥4,700+税
●DVDスタンダード・エディション (本編DVD)
PCBC-52567 ¥3,800+税

■関連サイト
映画「サバイバルファミリー」ブルーレイ&DVD HP
survivalfamily.ponycanyon.co.jp/
映画「サバイバルファミリー」HP
survivalfamily.jp/
©2017フジテレビジョン 東宝 電通 アルタミラピクチャーズ

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映画『我は神なり』ヨン・サンホ監督インタビュー http://topics.cinematopics.com/archives/17121 http://topics.cinematopics.com/archives/17121#respond Thu, 12 Oct 2017 15:32:20 +0000 http://topics.cinematopics.com/?p=17121

人間の暗部や格差社会の問題を起点にした社会派アニメーターとして韓国を牽引し、初の実写映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』が日本でも公開され話題を呼んでいる鬼才ヨン・サンホ監督。そんなサンホ監督の長編アニメ2作目にして、世界各国の映画祭で高評価を獲得した映画『我は神なり』が、10月21日(土)より公開となります。この度、ヨン・サンホ監督のインタビューが到着致しました。

Q監督自身がこの作品で追及しようとしたテーマ、思いをお教えください。
記憶をたどってみると、この作品を書いた時は、エセ宗教を通じて、人間の信念の本質のようなことを問いかけてみたかった気がします。「果たして人間は信念がなくても生きることができるのか?」。あるいは、「間違った信念を持った人をあざ笑う権利が、私たちにはあるのか?」など、人間が持っている信念、信頼の本質について問いかけたかったのです。

Q『我は神なり』は実写映画を想定してシナリオを書いたそうですが、長編アニメーションで表現した理由をお教えください。また、『新感染 ファイナル・エクスプレス』という実写の傑作を撮り終えた今、今後はどのように実写とアニメーションを撮り分けていこうと考えていらっしゃいますか?
韓国のアニメーション産業はとても小さいんです。また、私のように大人を対象としたアニメーションを作る人間は、ほぼ皆無といっても言い過ぎではないでしょう。私はもともとアニメーションの監督ですので、自分の作品をすべてアニメーションとして作るのが夢でした。しかし現実的な様々な問題で、アニメーションだけに固執するのは難しい状況でした。それで、『我は神なり』を実写映画として作ろうかとも考えたのです。しかし、実写映画としても投資が集まらない中、非常に低予算で『The King of Pigs』をアニメーションとして製作する機会が巡ってきました。そこから、『我は神なり』のアニメ化が自然に実現したんです。現在は実写映画の『新感染 ファイナル・エクスプレス』が、私の作った3本のアニメーション作品より興行成績がよいため、投資者の立場ではリスクの大きなアニメーション作品より実写映画を強く勧める状況です。しかし、今後もよい機会があれば当然、アニメーションを作り続けたいと思っています。

Q『我は神なり』は、ダム建設で水没を運命づけられた村という舞台の設定がとても印象的です。この映画の世界観を、どのようにイメージを膨らませて作ったのでしょうか。
『我は神なり』の舞台である韓国の田舎の村は、十数年前までは「温かくて人情の厚い」という言葉で語られる場所でした。しかし、ポン・ジュノ監督の『殺人の記憶』以降、韓国の田舎の村の持つ不気味なイメージが台頭し始めました。私も『我は神なり』で、一件スリラーと似合いそうにない田舎野村という設定で、怪しげな雰囲気を作ることができるだろうと思いました。また、最初に設定を考える時、この村を「終末が運命づけられた村」にしたいと思いました。そして、現実の世界において「村の終末」とは何だろうと悩んだ末に、ダム建設による水没予定地域の村という設定にたどり着きました。そのことが、村の住民たちの感じる喪失感や疎外感の底にあるのです。

Q監督は、影響を受けた監督としてイ・チャンドン監督を挙げています。また以前、本作に関して、デビット・リンチの「ツインピークス」への憧れがあったとおっしゃられています。イ・チャンドン監督の『シークレット・サンシャイン』や「ツインピークス」からの影響はあったのでしょうか?また他にイメージした監督や作品はありますか?
『シークレット・サンシャイン』の持つ「許すことの二重性」「和解の二重性」など、私たちが普段当然視していることを、裏面から眺めるイ・チャンドン監督の視線が好きです。また「ツインピークス」の場合は、平和に見える田舎町がはらむ奇怪で恐怖に満ちたイメージが好きだったような気がします。他にも日本の漫画家・古谷実の「ヒミズ」という作品がとても好きです。『我は神なり』の絵柄や表現、雰囲気に多くの影響を受けたと思います。

Q主要キャラクターの造型について、どのようにつくりあげていったのかお教えください。
当初の企画から、「真実を語る悪人」と「偽りを言う善人」の対決を描くのが目標でした。私たちはしばしば、ある人が真実を語っているにもかかわらず、その語っている人のイメージが自分の望むものと違っていたり、自分が認めることができない悪人であったりする時、彼の言葉を嘘と見なしてしまいます。逆に、言葉を語っている人が善人だという理由で、彼の話をすべて真実だと思ったりもします。これが、人が間違った信念を持つようになる重要な契機だと思いました。このことを宗教的なものに限らず、様々な事柄で見ていく中で、ストーリーを引っ張る主要キャラクター2人の設定が決まりました。

Qキム・ミンチョル役のヤン・イクチュンの声優としての評価をお教えください。
ヤン・イクチュンはとても繊細な人です。そんな繊細な人が、キム・ミンチョルという会話がまったく通じない壁のような人物を演技することで、キム・ミンチョルのキャラクターがより複雑になり、深みを増したと思います。ヤン・イクチュンは、監督と声優という立場ではなく、共に映画を作った同僚のように感じています。

Q監督自身の「信仰」についての考え方を聞かせて下さい。
私自身は、信仰についてそんなに深く考えてみたことがないので、何を申し上げていいかよく分からないですね。しかし言えるのは、私はほとんどすべてのことについて疑問を感じる人間だということです。

映画『我は神なり』は、10月21日(土)ユーロスペースほか全国順次公開。
©2013 NEXT ENTERTAINMENT WORLD INC. & Studio DADASHOW All Rights Reserved.

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「女神の見えざる手」 ジョン・マッデン監督 オフィシャルインタビュー http://topics.cinematopics.com/archives/17116 http://topics.cinematopics.com/archives/17116#respond Wed, 11 Oct 2017 15:30:49 +0000 http://topics.cinematopics.com/?p=17116

オスカー7部門受賞『恋におちたシェイクスピア』、そして大ヒットした『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』のジョン・マッデン監督がメガホンと撮り、『ゼロ・ダーク・サーティ』でアカデミー賞R主演女優賞にノミネートされたジェシカ・チャステインが主人公のエリザベス・スローンを怪演した『女神の見えざる手』が10月20日(金)TOHOシネマズシャンテにて公開致します。

監督は『恋におちたシェイクスピア』、『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』のジョン・マッデン。
主人公のエリザベス・スローンを演じるのは、『ゼロ・ダーク・サーティ』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたジェシカ・チャステイン。本作では“仕事人”としての矜持と人間くささの両面を見事に体現し、観る者の目をクギづけにする演技で、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞にノミネートされている。

Q:ジェシカ・チャステインについて
エリザベス・スローン役はジェシカ・チャステインにぴったりだ。以前「ペイド・バック」(2010・日本未公開)という作品で彼女と一緒にしたことがある。当時「ツリー・オブ・ライフ」の撮影は終わっていたが、まだ公開はされていなかったから、彼女は有名人じゃなかった。その頃のジェシカは僕にとって埋もれたダイヤだった。当時から彼女の実力には驚いていた。今回の主役も彼女しかいないと思ったよ。脚本を読み、すぐに決めた。そして初めて本作の打ち合わせをした日にジェシカ側から連絡があった。僕はあるイベントでニューヨークにいたんだが、「脚本が気に入ったから出演したい」と電話が来たんだ。

Q:脚本のどこが気に入っているか
実によくできた脚本だ。台詞がごく自然な会話になっている。アイロニーや間接的な表現が多く、ウィットに富んでいて非常におもしろい。だが、一番の売りは「驚き」だろう。すべてが策略によって進められる業界だからね。ロビー活動のポイントはいかに他人を感化し、賛同得るかということなんだ。そのためにはあらゆる手を尽くす。最近ではすっかり評判の悪い仕事だ。

Q:エリザベス・スローンを動かすものについて
エリザベス・スローンは監督にとって最高のキャラクターだ。彼女はすっかり仕事に取りつかれている。彼女の言動の動機は、どうしても議論に勝ちたいという意地と法案を勝ち取ることだ。お気づきのとおり、彼女は目的のためなら、なりふり構わず行動する。まったく手段を選ばないから法廷で批判を受けることもある。彼女は、とてつもないエネルギーの持ち主であり、そのすべてを仕事に注ぐ。ほとんど休むことなく猛進していくんだ。

Q:脚本の特徴について
本作の脚本が持つ最強の武器は、ネタバレになってしまうが、「驚き」に満ちていることだ。予想できるような方向には決して進まず、思いもよらない展開が続いていく。だからこそ本作には他とは違う魅力がある。そして、2番目の特徴として挙げたいのは、キャスティング中に気づいたんだが、複数の物語が同時進行し、魅力的な人物が大勢登場することだ。

Q:ジェシカ・チャステインの演技について
ジェシカは驚くほど才能のある役者だ。内面の感情の動きが手に取るように分かる。動作でいちいち表現しなくても気持ちが伝わる。特別な才能だと思う。感情をどこで表現すべきか的確に見極め、自在に調整できる。僕らは以前にも一緒に仕事をしたから、お互いへの理解がある。とにかく彼女はあふれる才能の持ち主だ。この役には重要なことだ。

Q:物語の魅力について
僕にとって今回の脚本の魅力は業界をのぞき見るようなストーリーだ。ドアの鍵穴から見ているような感じだね。ロビイストの仕事を知る人は少ないと思う。普通の人には全く分からない世界で、説明も難しい。だが本作を観ることによって業界の実態も分かるだろう。良くも悪くも、これはアメリカの政治の一部であり、彼らは絶対に欠かせない存在だ。それだけでも興味深いが、本作にはさらに別の見どころがある。主人公が業界の裏の面までも徹底的に利用する点だ。僕たちはそんな姿にどこか魅了されてしまう。そしてこれも本作の重要な要素の一つだが、物議をかもすような題材が扱われている。結局のところ、本作が描いているのは、主人公の人となりだと思う。ある人物の驚くべき生き方を追っていく物語だよ。

Q:本作の見どころについて
映画が小説より優れているところは、総合的なメディアだから、登場人物の心の中に入りやすい点だ。彼らの視点を体験できる。本作の主人公エリザベスは少し変わったキャラクターだ。特殊な職業に就き、普通ではない働き方をする。ある意味、古典的なアメリカ映画だと言えるね。主人公は業界のアウトサイダーで、ルールに従うことを拒絶している。どこまでも世の中の流れに逆らって進む人間だ。そう聞いて、普通、頭に浮かぶのは男性だろう。だが、本作の場合は男性ではなく女性だ。そしてこれも特筆すべきことだが、この女性キャラクターが中心となって物語が展開する。普通なら男性が演じるような役だよ。

Q:エリザベスと彼女の部下・エズネの関係について
主人公と特別な関係を築くのがエズネという女性だ。ググ・ンバータ=ローが演じている。これは間違いないと思うが、エリザベス・スローンという人物が親しくなる相手にはある共通点がある。昔の彼女と似ていることだ。最初の会社でもそうだった。そこでジェーンという女性と親しかった。アリソン・ピルが演じた役だ。エリザベスが転職を決めたとき、ジェーンは元の会社に残ることを選んだ。そこで、エリザベスは再び自分と似ている人物を探し、転職先の会社で頭の切れる若い女性を選ぶ。かなりの野心家でエネルギッシュな社員だ。

Q:ググ・ンバ―タ=ローとジョン・リスゴーについて
この二人の関係も重要になってくる。ググは新人ではないが、最近注目を浴びている俳優だ。すぐにベテランとして認められるはずさ。ジョン・リスゴーとは35年も前に舞台演劇の仕事をしたことがある。あの時以来ずっと彼を尊敬しているよ。

Q:マイケル・スタールバーグについて
今回、スケジュールが合い出てくれたマイケル・スタールバーグもすごい俳優だ。役によってかなり印象が変わる。まったくの別人に見えるよ。今回は主人公の最大の敵を演じている。エリザベスの元同僚で彼女の転職後、正反対の立場で対立するという役だ。マイケルには驚かされっぱなしだった。自分が演じる役を徹底的に掘り下げてくれる。台詞の読み方ひとつでも、撮影中のテイクでも、常に予想外の演技を見せるんだ。

Q:マーク・ストロングについて
この役はマーク・ストロングが演じるには意外な役だろう。エリザベスに次ぐ準主役で彼女を雇う上司の役だ。モラルを教える立場にもあるが、ある意味、敵役とも言える。マークはイギリスでは名優として知られている。彼と一緒に仕事をした監督や俳優はみんな彼を絶賛するよ。

ジョン・マッデン
監督/製作総指揮
1949年、イギリス、ポーツマス生まれ。イギリスのTVシリーズ「主任警部モース」や「シャーロック・ホームズの冒険」などの演出を手がけ、1993年、『哀愁のメモワール』で長編映画を初監督。『Queen Victoria 至上の恋』(97)を経て、長編監督4作目の『恋におちたシェイクスピア』(98)がアカデミー賞?作品賞を受賞する。その後、『コレリ大尉のマンドリン』(01)、『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』(05)、『キルショット』(08/日本劇場未公開)、『ペイド・バック』(10/日本劇場未公開)、『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』(11)、『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』(15)を監督。スティーヴン・スピルバーグ監督の『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』(16)では製作総指揮を担当し、脚本にも参加した。キャリアの初期は舞台での演出がメインで、ロンドンのナショナルシアターやNYブロードウェイで演出家として活躍。「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」は、映画版と同じグウィネス・パルトロウを主演に舞台版も演出した。

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『愛を綴る女』ルイ・ガレル、インタビュー http://topics.cinematopics.com/archives/17111 http://topics.cinematopics.com/archives/17111#respond Thu, 28 Sep 2017 15:31:53 +0000 http://topics.cinematopics.com/?p=17111

『死刑台のエレベーター』のフロランス、『アデルの恋の物語』のアデル.H、『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』のベティ、『髪結いの亭主』のマチルド、そして『アデル、ブルーは熱い色』のアデル…フランス映画史に燦然と輝く、狂おしいまでの愛に魂を捧げた、美しくも勇気あるヒロイン像の系譜に、今、新たな一ページが加わった――それが本作『愛を綴る女』のガブリエルだ。
2006年に出版されたイタリア人作家、ミレーネ・アグスのベストセラー小説「祖母の手帖」(新潮社)の設定を、1950年代のフランス南部に移し替え、17年に及ぶひとりの女性の自由への希求と理想の愛のゆくえを、ストイックかつ官能的に見つめた注目の問題作である。昨年、第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、「闘いと狂おしいまでの愛への讃歌」(ELLE)、「情熱的な欲望の美しい旋律」(Le FIGARO)と称賛を浴び、フランスのアカデミー賞であるセザール賞では作品賞、監督賞をはじめ、主要8部門でノミネートされた究極のラヴストーリーが今秋、ついに日本公開となる。

Q:帰還兵アンドレとあなた自身の共通点はありますか。
ルイ・ガレル:僕は人を殺した経験はないから(笑)、このアンドレという役柄と自分を関連づけられないよ! 冗談だけどほんとさ。役柄が自分とあまりにかけ離れているとき、役柄を理解するのはとても難しい。アンドレは人を殺し、部下にも人を殺すように命令した。僕には未知の人間だ。果たして僕にこの役ができるのか、自問したよ。僕はケンカの仕方さえ知らないし、勇敢な人間でもないからね。マリオン(コティヤール)はガブリエルという役柄にぴったりだ。生命力にあふれ、欲望にあふれ、常にエネルギッシュだ。一方の僕は、アンドレと自分が重なるところがまったくない。気持ちがふさぎ込むことは僕にだってあるけれど・・・。

Q:実際に演じはじめたとき、ガブリエルにどう見られているかを意識しましたか。
ルイ・ガレル:最初は難しかったよ。アンドレという役は、彼を理想化しているガブリエルの目を通して描かれる。ガブリエルによって完全に理想化されている。だから僕は、余計な色が出ないように淡々と演じることを心がけた。アンドレは、ガブリエルがさまざまなことを投影する的なんだ。だから、そういった投影を受けられるように、無色でいることが必要だった。

Q:ルイ、ガルシア監督との仕事について聞かせてください。この役のために減量しましたか?
ルイ・ガレル:この映画の脚本をはじめて読んだとき、とても美しいと思った。ニコールは自分の考えややり方をしっかり持った監督だ。キャスティングにはあまり悩まなかったそうだけど、僕にはとても厳しかったんだ! ニコールは僕に「ルイ、ぽっちゃりしてるわね!(笑)」って言った。「えっ、ああ、そうかな」って返すと、「ぽっちゃり、ふっくら、でっぷりよ!」って言うんだ。だから「よし、減量する!」って言うと、「がんばってやせてきて!」って。で、それから2週間経っても、ニコールはまだ「もう少しやせてもらわないと」って言うんだ。それで、ここまで体をしぼった。とてもうまくいったと思うよ。減量は大変だったし、ベッドで横たわっているシーンが多かったけどね。僕が撮影に加わったとき、ニコールはとっても喜んでくれたよ(笑)。「おお、ルイ! ついに登場ね! 素晴らしい!」って。

Q:今回の役柄のアンドレはいつも気持ちが塞ぎこんでいると言っていましたが、実際にそのような精神状態と闘った経験は?
ルイ・ガレル:何度もあるよ。いまのフランスで暮らすのは、容易じゃない。去年の事件は衝撃だった。いまフランスはとても緊迫しているんだ。みんな懸命に笑おうとし、希望を持ちつづけようとしている。でも、いまのような状況がさらに重く強くなっていくと、神経がまいってしまう。去年は本当にきつかったよ。

Q:マリオン・コティヤールとの共演はいかがでしたか。
ルイ・ガレル:ニコールは演技の簡潔さに、とことんこだわるんだ。動きも身ぶりも、ごく小さなものを求める。最初はそれが難しかった。僕はいつも手で表現するからね。だからニコールから、常に気持ちを落ち着かせているようにってアドバイスを受けた。一方のマリオンは、〝極めている〟んだ。フランスではこういう言い方をするんだけどね。彼女は小さな鉛筆で書くことができるんだ。まさに驚嘆したよ。小さな空間でも、絶妙の動きができるんだ。非常に深みのある演技をする、素晴らしい女優だよ。

Q:本作は、カンヌ国際映画祭という大舞台でプレミア上映されました。
ルイ・ガレル:自分の演技を観客に観てもらうという点では、素晴らしい経験だね。なかなか経験できないことだよ。俳優が自分の出ている映画を観るときは、暗くなってから1人で劇場に行き、暗い館内でそっと映画を観る。でもカンヌでは、逆なんだ。自分が出ている映画を大勢で観て、そのあと拍手喝采を浴びる。観客も演劇を観るときのように楽しいと思う。映画を観るのは、とても個人的な経験だ。誰かといっしょに観ても、個人的な経験だよ。

【プロフィール】
1983年6月14日、パリ生まれ。祖父は名優モーリス・ガレル、父は名匠フィリップ・ガレル、母は女優のブリジット・シィという映画一家に生まれる。代表作にベルナルド・ベルトルッチ監督『ドリーマーズ』、クリストフ・オノレ監督の『ジョルジュ・バタイユ ママン』(2004)、ベルトラン・ボネロ監督『SAINT LAURENT/サンローラン』(14)など。

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『愛を綴る女』ニコール・ガルシア監督インタビュー http://topics.cinematopics.com/archives/17106 http://topics.cinematopics.com/archives/17106#respond Thu, 28 Sep 2017 15:28:04 +0000 http://topics.cinematopics.com/?p=17106

『死刑台のエレベーター』のフロランス、『アデルの恋の物語』のアデル.H、『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』のベティ、『髪結いの亭主』のマチルド、そして『アデル、ブルーは熱い色』のアデル…フランス映画史に燦然と輝く、狂おしいまでの愛に魂を捧げた、美しくも勇気あるヒロイン像の系譜に、今、新たな一ページが加わった――それが本作『愛を綴る女』のガブリエルだ。
2006年に出版されたイタリア人作家、ミレーネ・アグスのベストセラー小説「祖母の手帖」(新潮社)の設定を、1950年代のフランス南部に移し替え、17年に及ぶひとりの女性の自由への希求と理想の愛のゆくえを、ストイックかつ官能的に見つめた注目の問題作である。昨年、第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、「闘いと狂おしいまでの愛への讃歌」(ELLE)、「情熱的な欲望の美しい旋律」(Le FIGARO)と称賛を浴び、フランスのアカデミー賞であるセザール賞では作品賞、監督賞をはじめ、主要8部門でノミネートされた究極のラヴストーリーが今秋、ついに日本公開となる。

Q: どのようにして、原作になった本を見つけたのですか。
ニコール・ガルシア: そのとき、私は空港にいたの。書店で友人が、絶対にこの本を読むべきだと言ったので、買うことにした。私はその本を持って飛行機に搭乗した。パリからマルセイユへの便だから、だいたい1時間か1時間半の空の旅ね。飛行機がマルセイユに着いたとき、すぐにプロデューサーに電話して映画化の権利が空いているか確認したわ。

Q: それはいつのことですか。
ニコール:少なくとも5年くらい前、その本が出版されたときね。脚色がとても難しくて、一度はあきらめて別の映画をやったけれど、何かが私の心の奥に残っている感じだったの。

Q:どうして脚色が難しかったのですか。
ニコール:本には、現実的な構成がなかったからよ。その本には、様々な時代がすべて混在している。小説は主人公の孫娘の視点で語られている。祖母は亡くなり、孫娘が祖母の人生を語る。本の最後のページで、物語が祖母の空想だったことがわかるの。でも、その点に私は興味が湧かなかった。それに私は、主人公がひとりの方がいいと思ったの。祖母は彼女自身を外に出さなければならなかった。彼女の狂気を外に、彼女の空想の世界を外に。原作は短い小説で、1時間の空の旅で読めるくらいだったけれど、私はその本のなかで語られている女性の物語に、すっかり引きつけられた。彼女の奔放さ、動物的なセックスアピール、情熱。ガブリエルはとても神秘的な人物なの。私は、人はみな男も女も欠けることなく相手のすべてを手に入れることを望んでいると思う。身体、性格、知的レベルといったすべてを。現代生活のなかでは、それらは相手に欠けているところを補うもので、絶対的なものではない。けれど、彼女にとっては、それが絶対的なものだった。どちらか一方を選べるものではなかったの。まっすぐな道が一本あっただけ。

Q:  マリオン・コティヤールは主人公のキャラクターを、芸術家みたいだと言っているが、その意見に賛成ですか。
ニコール:そのとおりね! ガブリエルは1950年代のとても抑圧的な社会で狂ったように見えたけど、今だってきっと同じだと思うわ。彼女は自分の欲望をあまりにはっきり表すから狂ったように見えるけど、彼女の狂気はとても創造的で、まるで芸術家のようなの。彼女は、自分の空想力によって救われたから。現実があまりに困難で、ガブリエルの運命が厳しく辛すぎるとき、彼女はそのなかに引きずり込まれることなく、空想力によって救われる。私が関心を持つのは、人間。男であれ女であれ、危険と隣合わせで正常と異常の境界にいる人たち。そんな人たちに、私は詩的なものを感じ、自分との共通点を感じるの。私たちはいつも、自分のなかのそんな部分を隠そうとしているのだと思うわ。

Q: 飛行機の上で初めてこの本を読んだとき、主役にすぐにマリオンが浮かんびましたか。
ニコール:ええ、すぐに。「この役に他に誰がありえる?」という質問への答えが、私には浮かばなかったの。マリオン・コティヤールはこの役に必要な神秘的雰囲気を備えていて、いっしょに仕事をすれば彼女にはフランス映画にはまれな官能的なところもあることがわかるはず。ラブシーンだけではなくて、ガブリエルはあらゆる場面で官能的なの。歩いているときや自分の部屋で本を読んでいるときもね。彼女の身体はいつもおしゃべりしているの。冒頭のシーンで、ガブリエルが川の水のなかに入り、スカートがめくれて水中で彼女の性器があらわになる。それこそ私が見せたかったことなの。クールベの描いた〝世界の起源〟ね。それが、この映画のテーマなの。

Q: この種の情熱につき動かされるキャラクターの物語、あなたにとって魅力的でしたか。
ニコール:それが、この物語のすべて。この本からほとばしるのは、そうした衝動であり、情熱なの。人生をただの人生じゃないものにしてくれる見知らぬ誰かを見つけたいという、葛藤や夢ね。この物語のためのお手本は何かって? 本や文学かしら。『嵐が丘』みたいな。でもね、たくさんの人が自分のなかに持っているのよ。必ずしも最優先のものじゃないとしても、人生で一度くらいは経験したいと思うのではないかしら。

Q: あなた自身女優として、俳優たちをどのように監督しましたか セットでは、たくさん準備しておくか、その場で自然にやるかどっちが好きですか。
ニコール:そうね、私は舞台出身だから、リハーサルについてはよくわかっているわ。舞台では稽古を繰り返すものだから。でも、映画で同じことを繰り返すのは好きじゃないの。マリオンの場合、ダルデン兄弟と仕事をしていたときは、5週間のリハーサルがあったそうね。私とは、事前にしたのは衣装と髪型の打ち合わせくらいだった。リハーサルは重要だけど、結局はセットでどうなるかが大事だから。たくさんの言葉はいらないの。私は、撮影のまえに場面を自分ひとりで準備する。とても長い時間をかけてね。すべて準備は整っている。俳優同士ならわかると思う。俳優は必ずしも会話をとおしてではなく、身体から伝わってくる感情だけで場面の感情をつかむわ。

Q: あの風景のなかで映画を撮影するのはどんなふうでしたか。 何時間も俳優たちといっしょに過ごしたのですか
ニコール:いいえ、私はすごく疲れていたの!(笑い)チームと俳優たちはいっしょにビールを飲みに行っていたけど、私は行かなかったわ。この映画はすごく疲れるものだったの。気楽なお楽しみじゃないわ。優雅な瞬間もあるけど、大変な日々もある。この映画には楽しいこともたくさんあった。私は、エクス=アン=プロヴァンスや地中海やアルプスの風景が気に入ったわ。私にとって、ガブリエルはこの映画の地形のようなものだった。彼女はラヴェンダー畑から、地中海から、そしてこの地球から生まれたの。

【プロフィール】
監督・脚本:ニコール・ガルシア
1946年4月22日、アルジェリア生まれ。パリのフランス国立高等演劇学校で演技を学び、『愛と哀しみのボレロ』(81)など多くの映画、舞台などで活躍。また映画監督としては『ヴァンドーム広場』(98)など8本の作品を制作している。

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DVD好評発売&レンタル中!「ショッピング王ルイ」出演ユン・サンヒョンの誕生日を記念して、インタビュー到着! http://topics.cinematopics.com/archives/17099 http://topics.cinematopics.com/archives/17099#respond Sun, 24 Sep 2017 13:52:30 +0000 http://topics.cinematopics.com/?p=17099

TCエンタテインメントは、「ナイショの恋していいですか!?」「元カレは天才詐欺師~38師機動隊~」ソ・イングク主演で、韓国では同時間帯視聴率1位を獲得した話題作「ショッピング王ルイ」のDVDを好評リリース中です。

本作で主人公の御曹司ルイを演じるのは、日本でも大人気のソ・イングク。
ヒロインのボクシルに懐くその姿は、尻尾を振りながら飼い主にまとわりつく子犬そのもの。
殺人的にキュートな仕草と笑顔に悶絶必至!
また、大ヒットドラマ「シークレットガーデン」でもヒョンビンの従兄を演じたベテラン俳優ユン・サンヒョンが今作ではルイの恋敵であり、通販会社の本部長ジュンウォン。
その有能さとファッションセンスで周りから一目置かれるジュンウォンは、ヒロインのことを見守るあしながおじさん的な存在。
ユン・サンヒョンの紳士×コミカルなキャラクターが恋のバトルを盛り上げます。

本日、9月21日はユン・サンヒョンの誕生日!
誕生日を記念して、インタビューが到着いたしました。

家では“ユン執事”です(笑)

■今作で演じたチャ・ジュンウォンはどんな人物ですか? ご自身と似ているところはありますか?
チャ・ジュンウォンは表向きは高慢で冷たく見える近寄り難いキャラクターですが、実はとても温かくて情のあるキャラクターです。ボクシル(ナム・ジヒョン扮)がジュウォンに“口だけ悪いやつ”というあだ名を付けますが、そのあだ名はチャ・ジュンウォンの役柄にぴったりだと思います。僕と似ているところは…、僕は口も性格もいいやつです(笑)。

■視聴者からは“口だけ悪い男、チャ執事”と呼ばれてましたね。その名称は気に入っていますか?
ドラマに出演していると、意図してないところで皆さんに名前を付けていただけることがあります。今回も状況に合うニックネームを作ってくださいました。「ショッピング王ルイ」がそれだけ視聴者の皆さんに愛されているということなので気に入ってます。

■実際にご自宅ではいかがですか?
家では“ユン執事”です(笑)。

■チャ・ジュンウォンはツンデレのキャラクターでした。コメディの演技も光っていましたね。
ドラマの設定が面白いことと、ルイ役のソ・イングクさんやナム・ジヒョンさんとの3人の相性が良かったので、面白くて笑えるんだと思います。僕は本作でコミカルな演技をしているつもりはないんですよ! でも、チャ・ジュンウォンは他のドラマでは見せなかった雰囲気で演じました。それを視聴者の皆さんが楽しんでくださったんだと思います。

■ルイとはボクシルを巡って恋のライバルになります。
ライバルになりますが、でも、チャ・ジュンウォンはルイとボクシルとの揺るぎない関係の間に無理に入れないということを悟るんですよね。ドラマでそのように演じましたが、僕も同じ状況に置かれたら、ルイとボクシルを応援して傍らで見守る、助っ人の役割をすると思います。

■チャ・ジュンウォンは、ルイとボクシルの仲を邪魔をする時に咳払いをします。この咳払いがジュンウォンの特徴の一つになったと思うのですが、この設定はどのように誕生したんでしょうか?
撮影中、台本通りではなくアドリブが入ったりすると、監督が「カット!」と言うタイミングが分かるような合図といいますか、このシーンは“ここで終わり”と分かるような合図が必要になってきます。表情やリアクションなどでそれを示すこともありますが、あるシーンで僕がその終わりの合図をどうしようかと考えていた時に「んんッ」と咳払いをしたんです。監督が「それ、すごく面白い! サンヒョンさん、それを活かそう!」と言うので、撮影を締める時には「んんッ」とするようになったんです。ドラマが進むにつれ、視聴者の皆さんがそれを楽しんでくれるようになりましたね。

■ルイとボクシルがチャ・ジュンウォンの家に入るシーンで3人のケミストリーが韓国では視聴者に大人気だったそうですね。このケミストリーはどのように作られましたか?
ナム・ジヒョンさんは、ジヒョンさんならではのボクシルというのを追求していましたし、ソ・イングクさんもルイというキャラクターを作るために本当によく考えていました。僕も今作ではどんな姿を見せられるか、そういうところから考え始めて、チャ・ジュンウォンの目つきや動作やセリフのトーンなど、たくさん考えました。だからこそ楽しく面白いキャラクターの3人が合わさって、いい味わいが出たのでしょう。

■本作は回を重ねるごとに視聴率がどんどん上昇していきました。
最初は「ショッピング王ルイ」がこんなに視聴者に応援していただけるとは正直、思っていなかったんです。でも、ドラマが進めば進むほど、演出をしている監督も役者たちも、少しずつ自分に合った服を着てるような、そんな感覚になりました。見ていて飽きるシーンは1シーンもありません。面白いだけでなく、感動したり、甘い恋のシーンもある。そうしたたくさんの要素がつまっているからこそ、評判が高まり、皆さんに応援されるようになったんだと思います。

■最も記憶に残るシーンは?
コ・ボクシルと最初に会社で会った時、水に滑って空中に舞い、尻餅をつくシーンです(笑)。

■本作は俳優ユン・サンヒョンにとって、どんな作品として記憶に残ると思いますか?
本音を言うと最初はあまり期待をせずに出演した作品でした。前作の「僕は彼女に絶対服従 ~カッとナム・ジョンギ~」で体力の限りを尽くしたので、本作ではそこまでのエネルギーは出せないと思っていました。でも、作品に没頭していくうちに、チャ・ジュンウォンが視聴者の皆さんに愛されるキャラクターとして受け入れられ、視聴率もどんどん上昇していきました。撮影現場でもそれに呼応するかのように、ソ・イングクさんもナム・ジヒョンさんもイム・セミさん(ペク・マリ役)も楽しく盛り上がっていきました。そんな雰囲気がカメラに収められ、それがまた視聴者の皆さんに伝わっていったんでしょうね。そうした相乗効果を感じた作品ですね。

■最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
本作を見て、みなさんがどんな感想をお持ちになるか分かりませんが、僕にとってはいい印象として記憶に残るドラマとなりました。ソ・イングクさんとナム・ジヒョンさんの新鮮で甘いケミストリー。そんなときめきを皆さんに余すところなくお伝えできるドラマだと思います。またチャ・ジュンウォンのツンデレの部分。この素晴らしいキャラクターを皆さんに笑いとしてお届けできるいい機会になった作品だと思います。最後までぜひお楽しみください! 多くの愛と応援をよろしくお願いいたします。


「ショッピング王ルイ」
DVD-BOX1  好評発売中
DVD-BOX2  10月4日(水)発売
各15,200円(税抜)  ※好評レンタル中
発売元:コンテンツセブン
販売元:TCエンタテインメント
(c) 2016 MBC
【予告編】

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歩み寄れない寂しさを抱えたヒロイン像に共感!映画『ろくでなし』遠藤祐美さんインタビュー http://topics.cinematopics.com/archives/17084 http://topics.cinematopics.com/archives/17084#respond Sun, 17 Sep 2017 21:52:02 +0000 http://topics.cinematopics.com/?p=17084

大阪市淀川区のシアターセブンにて追加上映中の映画『ろくでなし』。

山本政志監督が主宰する“実践映画塾シネマ☆インパクト”のワークショップの企画として始まった作品だったが、プロデューサーの山本政志監督がきわどい描写を求めるのに対して、奥田監督が“映画としてのリアル”にこだわり決別に至った経緯もあり、完成から1年経ってもなお、奥田監督が割り切れない複雑な思いを残している。

『クズとブスとゲス』のハイテンションさと対極にある作品で、奥田監督作品の魅力である過激な暴力描写とセリフの妙の合わせ技の中、バランス的に人間描写の面白さが色濃く出ている。

遠藤祐美さんは、山本政志監督のワークショップに通っていたが、山本監督の紹介で『ろくでなし』のオーディションを受けヒロイン・優子に抜擢された。

シアターセブンで9月9日(土)に行われた遠藤祐美さんの舞台挨拶では、前作『クズとブスとゲス』では鍛え上げた身体で主演も務めた奥田監督について、一見強面だがシャイで繊細な性格の裏返しではないかという印象を語っていた。

そんな遠藤さんに映画『ろくでなし』についてお話を伺ってみた。

 

――撮影の場で奥田監督の演出はどのようなものでしたか?

遠藤:あんまりうるさくは言わないんですけど、ちょっとでも私が嘘っぽいことしちゃうとすぐばれるというか。感情が乗ってなかったりニュアンスが違うと見逃さないんです。 リハーサルで脚本読みを行った時に、「優子はこの言い方じゃない」という言われ方は結構してましたね。正直、その時はあまり自分自身で優子ってどんな人かよくわからないでやっていたので。何回も止めてやり直しになって、大和田獏さんと大西信満さんがいるのですごく緊張しましたね(笑)。でも、大きいところでは「あなたを選んでるんだから、あなたがやるその役で良いですよ」って言ってくださってました。

 

――遠藤さんご自身は優子という女性をどの様に捉えられましたか。舞台挨拶でも結構複雑な役だというお話がありましたけども。

遠藤:第一に寂しい人だなというのがありますね。どう感じるかは見てもらった人に委ねるにしても、やはり誰かと居るより一人で居る人なんだなって。すごく悪い人でもないのに、細かく人を裏切っていったり。それってすごく寂しいと思うんですね。以前私と共通するところを聞かれたときに“寂しいところ”としか言えなかったんですけど、そう思ったら少し理解できたと言うか。相手は様々なことを投げかけてくれてるんだけど、自分がそこに歩み寄れない。歩み寄りたいと思えないとか、自分が選択して寂しい思いをする、そんな感じなのかなと。

 

――優子は大西さん演じる一真をどういう風に受け止めていたんでしょうか。

遠藤:すごくわかりやすいですよね。不器用だし自分が好意を寄せられてるって事も見ればすぐわかるし。わかりやすさがあるから安心感はあるんですね。自分のことを好いていてくれるんだって言うそれは心地いいことだし、それを可愛らしいって思う気持ちもあるんですけど、どこか距離がある。優子なりに一真に対する気持ちの変化があるんですけどね。

 

――優子の家族、妹・幸子(上原実矩)と会話するシーンは、「あんたコーヒー飲めたっけ」の一言で、姉妹の断絶の時間と、ひろし(渋川清彦)を巡る女同士の複雑な感情が透けて見えて非常に面白かったです。祖母の下着を洗っているシーンは、優子の孤独が染みました。

遠藤:祖母を探しに行くシーンとか、優子が唯一まともに自分の寂しさと対峙していましたね。誰も見てないし、自分が選択して家族から離れたのに、それが自分に返ってきている現実を見せつけられた様な感じでしたね。後は割とクールというか表情が動かないことが多いので、優子の感情をちゃんと見せたいと意識して演じていました。

 

――遠藤さんが考える映画『ろくでなし』の魅力を教えてください。

遠藤:奥田監督と言うと暴力描写のイメージがあると思うんですけど、前作と大分雰囲気も違いますし、ものすごくリアルで生っぽい表現がたくさんあります。私はそういう映画が好きで、自分もそういう風に映画の世界の中に居られたらいいなと思って演じたので、楽しんで頂けたら良いなと思いますね。気まずい一真と優子の空気感を。

 

――食事のシーンとかめっちゃ気まずかったですね。

遠藤:わかる!って感じで。そういったものの積み重ねが映画だと思いますので。

 

――一真とひろしのキャラクターは遠藤さんから見てどちらが好みですか?

遠藤:優子ではなく私から見てですか?(笑)。どっちだろう。私は多分愛情をもらって安心したいタイプなので、どういう人かわからない人に賭けるよりは、“しっかり君のこと見てるよ”って人の方がいいなと思う傾向がありますね(笑)

 

――幸子とひろしは離れられないだろうけど、辛いなこの関係は……と思って見ていました。

遠藤:そうですよね。自分だったら、絶対やだと思っちゃいました(笑)

 

――映画をよくご覧になるそうですが、どんな映画がお好きですか?
好きな映画はたくさんあると考え込みながら『ピアニスト』(02’/ミヒャエル・ハネケ監督)を挙げた。イザベル・ユペールが大好きだという。

遠藤:自分は映画に出る度に女優としてもっと上手に、器用になりたいと思うばかりですが、逆に観ていて好きなのは、どうしようもなくその人の個性が出てしまっているような瞬間です。ストーリーや役を超えて、人間が映っている瞬間に惹かれます。

 

――『ろくでなし』では、ご自分が出たシーンでそういった瞬間はありましたか?

遠藤:個人的に好きなのは、レストランのシーンとクライマックスのシーンですね。二人の間の空気をちゃんとお互いに共有して感じ合って会話ができたので、良かったなと思っています。

 

クライマックスの一真と優子。衝撃の言葉を、優子が映画の中で一番美しい顔でつぶやくシ-ンはぜひ本編でお楽しみ頂きたい。
映画『ろくでなし』(奥田庸介監督)は9月22日(金)まで大阪・シアターセブンにて上映中となっている。

 

 

 

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