バスジャックから2年、生き残った者たちの再生を描きカンヌ映画祭でも大絶賛を浴びた青山真治監督作品「ユリイカ」が20日、東京テアトル新宿で封切りを迎えました。“4時間近い尺に関わらず長さを感じさせない力量”と、評判が評判を呼び劇場には多数のマスコミが殺到。夜通し並んだ客の姿も見られたそうで場内は満員御礼。幸先の良いスタートのなか、青山監督以下、プロデューサーの仙頭武則、出演の役所広司、宮崎あおい、宮崎将、斎藤陽一郎、光石研、国生さゆりが舞台挨拶に立ちました。







舞台脇はカメラマンで埋め尽くされ、客席通路には座り込んだファン。「こんなにたくさんの方が観に来てくれまして、昨夜から寒い中並んでくれた方もいたらしく…感無量です。出来るだけ多くの方にご意見をお聞きしたいと思っております。皆さんの感想が明日への糧になります」(青山監督)。いまや日本を代表する俳優となった役所広司さんは本作でバスジャック事件を生き残った運転手を演じる。「念願の青山監督作品に出演でき、光栄です。えー、この映画面白かったら、隣近所のひとにどんどん薦めてください(笑)」(役所さん)。映画でも兄妹役、現実でも兄妹の宮崎将くん、あおいちゃんの2人は「撮影は一昨年、映画を観たのは昨年、それから公開をずっと楽しみにしていたんです」と嬉しそう。光石研さんは「一人でも多くの人に観てもらえれば…」と照れながらの挨拶。
また、青山監督への支持はキャスト全員に共通するようで「えー、青山を直訳すればブルーマウンテン。ビター&スィートでメロウ&リッチな作品です」(斎藤陽一郎さん)。国生さゆりさんは「いつになったらアップを写してくれるんだろう」と撮影中、密かに思ったとか。「背中ばかり撮ってるってことは私に演技力ないからかな、と傷ついたんですね。でも、映画を観てこんなに背中ひとつで伝えられる女優に撮ってもらえるなんて初めてでした」。本作が最初のプロジェクトとなる日本発信の映画ブランド「J−WORKS」の立て役者でもある仙頭武則プロデューサーは「3時間37分、モノクロ、シネマスコープ、こういう作品にこれだけの人が集まってくれてすごく嬉しいです」とコメントしました。

執筆者

寺島まりこ

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