「PANIC IN」鈴木太一&木村好克&SABU&永野宗典、オフィシャルインタビュー
マキタスポーツ連ドラ初主演!
名作映画をオマージュしたパニック&アクション作品!
監督は鈴木太一、木村好克、SABU、永野宗典という気鋭の監督4人!
1話も見逃せない!
非常事態とオンナの香りが、俺を呼ぶ。
冴えない中年男・車田寅雄(くるまだとらお)(43歳独身)。寅雄は毎回職を転々とし、その職場や通勤中に極限にヤバい状況へ巻き込まれてしまう。時にはバスジャックに、時には未確認生物やテロリストに…。しかしこんな非常事態でも毎回、極限に可愛いマドンナとの出会いが待っている!一目惚れしたマドンナにモテたい一心でこの極限状態を打開し救おうと奮闘するが…。果たして独身男・寅雄にバラ色の未来は訪れるのか!?
1話完結のパニックドラマ!
連続ドラマとは思えないほどスリリングで、緊迫感のある迫力の映像はまるで映画さながら!毎回変わるマドンナやオマージュされたストーリー展開、寅雄の恋の行方にもどうぞご期待ください。
「PANIC IN」4人の監督に話を聞いた。
Q:連続ドラマでパニック系という実験作だったと思いますが、発売を迎えいかがですか?
鈴木:実際に携わってみると撮影は楽しかったですが、いろいろ工夫が要りまして……。ハリウッド映画みたいなスケールの爆破とかはないわけですよ。CG映像を想像して撮ることも初めてだったので、難しい部分とかはありました。パニック的な描写を大々的にやったこともなかったので、いろいろ不慣れなことはありましたが、スタッフ、キャストに助けてもらって、なんとかできてよかったと思っていますけど。
SABU:実際にやってみると、普段挑戦できなかったこととか面白かったですね。毎回違うヒロインが登場することは聞いていましたけど、マキタさんがフラれて寅さん的な感じになることは、撮影終わってから聞いたんで(笑)。ちゃんと聞いておけばよかったと思いました(笑)。
木村:実際に撮影してみると、いい意味で制約がなかったというか、もちろん予算的、時間的な条件はありましたが、内容に関してはホンのとおりに好きなようにやれて、チャレンジングなことができる企画だったので、面白かったですね。連日深夜までスタッフにはけっこう無理言いましたけど、撮りたいモノは我慢せずに全部撮った、という感じですね。後は、マキタさんをいじりたおせることかな(笑)。興味がある俳優さんだったので、そこは面白いところでした。実際にリアクションなどが優れていて、瞬発力が高い方だなという印象でした。
永野:実際に撮影に入って、すごく助けてもらっちゃいましたね。まるでハイハイする赤ちゃんみたいな感じで、いろいろな質問をスタッフさんにして、プロの世界の流儀も勉強しました。現場ではすごく緊張していましたが、マキタさんの演技でものすごく作品が助けられたなあと。感情の機微というか、自分が描いていたイメージをより深く、細かく、彩ってくれたので、ありがたい日々でしたね。
Q:名作映画のオマージュも楽しいですね。元ネタについていくつかおうかがいしたいです。
木村:第2話の「沈黙のコック」は『沈黙の戦艦』(92)ですね。と、『ダイ・ハード』(88)も入っています。『沈黙の戦艦』(92)がメインで、シンプルにコックが厨房で戦うシーンをやってみたかっただけなんですけど(笑)。アクションのテイストとしては、往年の香港映画のやり方を入れました。だから、ジャッキーの『プロジェクトA』(83)しかり、『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(85)しかり、です。非力な寅雄がテロリストを倒すに当たって、その場にある道具を使って、知恵を絞って倒していく。セガールみたいに武術ができる人であれば戦えたと思いますが、そうではない人がどうなるかやってみたかったですね。
永野:第5話の「時をかける寅雄」は『ベルトルッチの分身』(68)をモチーフにしていて、元はドストエフスキーの小説ですよね。マキタさんがもうひとりのマキタさんに振り回される姿を見たくて、そのアイデア一点で攻めました。その撮影だけでも手間なのに、ミュージシャンでもあるから、もしマキタさんがデュエットしたらどうなるんだろうと(笑)。マキタさんが持っている武器を全部使いたいということで、それを軸に作っているので、やりたいことはふんだんにやれましたね。最終的にマキタさんが3人出てきますが、どの寅雄かわからなくなってパニックにもなりましたが、頑張って撮り切りました。
鈴木:第1話の「高速バス大爆破」は、最初は連続ドラマの最初ということでわかりやすく『スピード』(94)の設定で始めましたが、第4話の「大銭湯」は何かの打合せの時に「銭湯で大銭湯いいですね!」みたいな話があって、そのタイトルが先に残っていた感じはありますね。まあ、戦闘に怪物が出てくると面白いですよね。僕は『エイリアン』(79)のファンだったので、銭湯で卵を産ますみたいな。後は「BSスカパー!」さんなので、おっぱいが出てきても問題ないということで(笑)。銭湯だったら、普通に裸のお姉さんがいる日常なので、それはやってみたかっただけですけどね(笑)。後は団地妻ですね。もはや何のオマージュでもなくて、ただのあこがれですけどね。願望です(笑)。最後にランニングでボロボロになるアタリは、ブルース・ウイリスですが。
SABU:『ミスト』(08)がすぐ浮かんだんですよ。低予算なので、煙みたいなものでごまかせるかなと(笑)。まあ、途中からエッチなほうにいっちゃいましたけど、これは元ネタ、ないですね。自分の子供が『宇宙戦争』(05)を観ていて、面白そうだなと思って、『宇宙戦争』(05)みたいなことをしたかったんですけど、そうはならなかったですね(笑)。最初の志はパニック映画なんですけど、思わぬ方向に行くことが楽しかったですよ。笑って泣けるくらいになればいいなあと。寅さんは、後で知りましたけどね(笑)。
Q:最後になりますが、「PANIC IN」をこれから観るファンへメッセージをお願いいたします。
鈴木:バラエティーに富んでいますよね。マキタスポーツ主演で、監督もさまざまで、アクションあり、泣ける宇宙人の話あり、ナンセンスコメディーあり、一度観ると、こんな作品なかなかないなって感じると思います。特典もすごく充実していて、夏木マリさんスペシャル番組も必見ですよ。各監督がマリさんと裏話を語ったりしていますので、作品の裏側がわかる。買っていただくと、楽しめますね、売れればまた作れるので、お願いします(笑)。イケメンが主役ばかりのドラマが多いなか、オジサンが主役で、日本を元気にしてくれそうじゃないですか。まずはレンタルでもいいので、気にいったら保存用に買ってください(笑)。
木村:観れば元気になりますよ(笑)。あらゆる状況でいたぶられるマキタさんが観られるので。それはヒロインをピンチから救うために頑張っているので、大変な状況ではありますが、共感できる楽しいドラマになっていると思います。普段はヒーローになれない人がヒーローになれる気分を味わえると思うので、そこも注目ポイントかと思います。元ネタを探すことも一個の楽しみ方ですよね。
SABU:このパッケージが楽しいですよね、期待を煽るというか、面白そうじゃないですか。企画もすごいし、日本ではなかったものなので。連続ドラマで一話完結で、観やすい。写真もウソばっかりなんですけど(笑)、すごく楽しめると思いますよ、「BSスカパー!」さん、さすがですね(笑)。
永野:ずっと見ていられるジャケットですね。昔ファミコンのカセット買った時、ずっとジャケットを見て楽しんでましたけど、飽きないということはジャケットとしても優秀ということですね。一日中、眺める日があってもいい。棚にも飾れますし、楽しい。わくわくする。全部オマージュ作品が元になっているので、映画の知識が学べる。教材としてもいいパッケージだとも思いますね。しかも裏話まである。マキタさんがいろいろなシチュエーションで、パニックをして恋愛もして、表情や飽きさせない演技も注目と言いますか。教材と言いましたが、役者としても勉強になりました(笑)。
DVD-BOX「PANIC IN」 発売中
【DVD】⇒ 12,000(本体)+税/4枚組
※レンタル同時リリース
発売元・販売元:ポニーキャニオン
執筆者
Yasuhiro Togawa