世界各国の映画祭を席巻し、圧倒的な高評化を獲得した、絶望的な紛争の最前線で、若き兵士の決死のサバイバルを描く『ベルファスト71』が8/1(土)より公開される。

本作で主演を務めるのは日本でも続々と主演作の公開を控える、英国俳優の期待の新星ジャック・オコンネル。今、次世代の若手スター俳優として女性を中心に注目されている期待のイケメン俳優は2005年にTVドラマで俳優デビューし、2006年に映画『THIS IS ENGLAND』で長編映画デビュー。その後、『バイオレンス・レイク』(08)、『ユナイテッド ミュンヘンの悲劇』(12)、『タワーブロック』(12)など数々のイギリス映画で重要な役を演じ、キャリアを積み重ね、2013年に『300 スリーハンドレッド 帝国の進撃』でハリウッドに進出。この作品はオコンネルのイケメン振りと晒した均整の取れた裸体が話題を呼び、彼が注目を集めるきっかけとなった。翌年、アンジェリーナ・ジョリーの監督第2作『Unbroken』(14/未)では主役に抜擢され、日本軍に囚われた捕虜を熱演。

その演技力で戦争のむごたらしさを表現し、強烈なインパクトを残した。さらに10月に公開される主演作『名もなき塀の王』ではトロントとロンドン国際映画祭にて高い評価を得、さらに本作ではBIFA(英国インディペンデント映画賞)主演男優賞にノミネートされるなど着実に実力もつけてきている注目の若手俳優である。演技力もさることながら、そのイケメン振りは若い女性を中心に注目度が上がっており、プラダの2015年春夏コレクションの広告モデルに選出されるなど益々活躍の場は広がるばかり。彼の過去作を振り返るとジャンルを問わず、世にインパクトを残す過激な役どころが多いが、今後はラブストーリーやヒューマンドラマなどで活躍する俳優としても期待されるジャック・オコンネル。単なる美少年ではなく、少しふてぶてしさも感じる生意気な雰囲気も女性からの支持を大きく集めている要因の1つ。今後、ラブストーリーやヒューマンドラマで新境地を開拓すれば、さら世の女性を虜にすること間違いなく、さらにキャリアに裏打ちされた演技力でさらなる挑戦を続ければ、世界で活躍する次世代スター俳優になること間違いなしと言われている。そんな今大注目のジャック・オコンネルのインタビューが到着!!






Q:本作であなたはほとんど出ずっぱりですね。映画を牽引する重要な役柄ですが、プレッシャーはありましたか。

「そうだね。この映画の以前も『Starred Up』という作品で主演を務めたことはあるんだけど、ここまでタフなのは初めてだった。この映画は、まだ『Unbroken』(※オコンネルが主演したアンジェリーナ・ジョリーの監督作)を撮影する前だったし。でも僕はプレッシャーを感じるのはまんざら嫌でもないんだ。その方が頑張れる」

Q:この役を演じるにあたって、何がもっとも難しかったですか。

「肉体的にハードだったこと。撮影は春に北イングランドでおこなわれたんだけど、その年は誰も予想しなかったぐらい暑くなったんだ。この役は逃げたり追いかけたりと、走っている場面が多かったし、リハーサルを何度もやったから大変だった。いかに自分のスタミナをキープするかに気を配ったよ。映画では荒々しく即興的に見えるシーンも、カメラワークの準備も含めて何度もリハーサルしている。でも演じる側にとってはその方が良かった」

Q:どのような経緯で、この役を演じることになったのですか。

「ちょっと型破りなものだったよ。脚本を読んでから、ロンドンで監督に直接会ったんだ。驚いたことに彼がとても気に入ってくれてね(笑)。その後、出資者やプロデューサーたちを納得させるために、スクリーンテストを受けた。それで正式にやることになった」

Q:ドマンジュ監督はこれが長編初監督作ですが、一緒に仕事をしていかがでしたか。

「彼は最初から僕を信頼してくれたから、僕も彼を百パーセント信頼することができた。僕はほとんどヤンと同じぐらい長くセットに居たけれど、彼はとてもエネルギッシュだ。タフな撮影をものともしないようなガッツがある」

Q:あなたの父方はアイリッシュ系だそうですが、北アイルランド問題については、どんな印象を持っていますか。

「僕には半分アイリッシュの血が流れているだけに、北アイルランド問題はアイルランド人にとってとても切実な現実的問題だったのがよくわかる。とても複雑で特異な政治的状況だった。とくにこの映画が描く時代は、まだアイルランドが完璧に分断される前のカオティックでとても危険な状況だった。だからゲイリーのような状況に追い込まれる兵士が居てもおかしくはない。僕はゲイリーを出来る限り、どこにでも居そうなふつうの兵士として演じた。わけもわからずある状況に追い込まれて、とにかくサバイブするために必至で逃げるという、いわば誰にとっても感情移入しやすいキャラクターだと思う。この映画の好きなところは、答えがないところだ。どちらかを非難するわけでも、結論を出すわけでもない。ひとりの兵士の絶望的な状況を通して、あの時代の紛争をリアルに身近なものとして描いているところなんだ」

Q:本作は2014年のベルリン映画祭で披露されたのをきっかけに、ヨーロッパで大きな話題を呼びました。この映画の後すぐに『Unbroken』も世界的に公開になり、あなたは旬な俳優として注目を浴びるようになりましたが、とても地に足がついている印象があります。

「それは僕のバックグラウンドや性格が影響していると思う。僕はとてもリアリスティックな質でね。それにこう見えて早くからいろいろな経験をしてきた。僕の父は労働者階級の出身だ。2009年に亡くなったんだけど、鉄道会社に勤めていた。母も飛行機会社のオフィスワークをしていて、ふたりとも社交的で、さまざまな社会活動をしていた。その影響で僕も小さい頃からいろいろな人々に接してきた。決して裕福ではなかったけれど、両親は勉学を援助してくれた。その点で僕はとてもラッキーだったと思っている。障害を乗り越えるために闘うのは厭わない。オーディションで役を得るのは簡単ではないし、若ければ若いほど、多くのことを学ばなければならないのは当然だ。そのためには努力を惜しまない。それから、アンジェリーナからも多くのことを学んだ。彼女には虚栄というものがない。彼女の現場では誰もが平等なんだ」

Q:テレビシリーズの『Skins』が英国で人気となりましたが、早くから俳優業に興味を持っていたそうですね。ブレイクするまでの子供時代について教えて頂けますか。

「僕にとっては15歳のとき、シェーン・メドウズが『This is England』でパーキー役に選んでくれたことが大きかった。少なくとも英国レベルでは、あの映画に出たおかげで少し注目されたと言えるかな。子供時代は、サッカーが大好きだった父の影響で、僕もサッカーにはまっていた。肉体的にはその頃から鍛えられていたね(笑)。地元の学校ではなく、ちょっと離れたカトリック・スクールに通った。違う地域まで行けることは、僕にとって特別なことで楽しかったよ。学校では、期間限定でプログラムを選ぶことができて、パフォーミング・アーツの科目があった。小さいときに演劇に目覚めていなかったら、問題児としてとっくに退学になっていたかもしれない(笑)。それから地元の劇団に参加して、みんなで他の都市にも巡業した。とても民主的でいろいろな人々が集まっていて、精神的に学ぶことが多かった。先輩には、サマンサ・モートンやヴィッキー・マクルーア(『This is England』)が居た。だから、彼女たちの世代の俳優からとても強い影響を受けている。キャリアのあり方や、役へのアプローチの仕方などに対してね」

Q:いま英国映画は才能のある若い監督を輩出していますね。シェーン・メドウズ、スティーヴ・マックイーン、そして本作のヤン・ドマンジュなど。今後どんな監督と仕事をしていきたいですか。

「尊敬する監督は沢山居るから、あげるのが難しい(笑)。でもヤンやシェーンとは絶対にまた一緒に仕事をしたいと思うよ」

執筆者

Yasuhiro Togawa

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