いくつになっても、人は人を好きになる−。年齢差ある大人の恋愛を描いた、映画『娚の一生』が2015年7月15日(水)Blu-rayとDVDで発売決定!

恋に仕事に頑張りすぎて空っぽになってしまった女性の心を年上ならではの包容力と少年のような純粋さで埋めていく50代の男性。
昨今ブームの年上男性人気を予見したかのような男女の関係性を描き、累計160万部を突破するベストセラーコミックとなった西炯子原作「娚の一生」。

若者の恋と違い、お互い好き合っているのに素直になることが困難で、なかなか発展できない、じれったい大人の恋を『余命1ケ月の花嫁』(09)、『ストロボ・エッジ』(15)
を手掛けた恋愛映画の名手、廣木隆一が監督、映画化。

恋愛映画にふさわしい大人の男の色気を持つ豊川悦氏が演じるのは50代独身の大学教授。運命に導かれるように出会い、次第に相手に心を開いていく大人の女性の戸惑いを、繊細なしぐさや表情で、榮倉奈々がみごとに表現。

自立した一人の男女が出会い、やがて支え合う存在となっていく穏やかなラブストーリーには、廣木監督と『きいろいゾウ』(13)でタッグを組んだ向井理をはじめ、安藤サクラ、前野朋哉、落合モトキら、いまの日本の映画界を牽引する若手演技派俳優、また、根岸季衣、濱田マリ、徳井優、木野花といったベテラン勢、そして、美波、岩佐真悠子、坂口健太郎が加わり、実にバラエティ豊かな顔ぶれとなっている。

廣木隆一監督にインタビュー






Q:先日開催されたドイツの映画祭では見事、受賞の快挙でしたね。

受賞の際、僕は現地にもいまして、その瞬間に立ち合えてよかったです。映画を勉強している学生たちがナンバーワンだと言ってくれて、聞いてみると日本映画で感じるゆるやかな時間の流れや映像美などに感激したと。榮倉奈々さん含め、田園風景がまぶしかったみたいですよ(笑)。日本の場合は男と女の関係性に注目が集まりましたが、海外の人には日本の風景が目に留まるみたいです。気分は観光大使ですね(笑)。うれしかったです。

Q:榮倉奈々さん、豊川悦司さんの初共演、ダブル主演という意味で、撮影前に思ったことは?

榮倉さんで何かを、ということが出発点としてあって、まずは今まで見せたことない彼女を撮りましょうという話がありました。そこに『娚の一生』という題材が出てきた時に、相手役は豊川さんしかいないだろうということになった。そこで、ふたりとも今までにない側面を出していこうということになりました。といっても豊川さんとは前に『やわらかい生活』(06)で一緒に仕事していて、その後彼は男社会の中の役柄が多かったけれど、もともとはコミカルな部分も持ってる人だということは知っていた。だから、この題材は合うだろうと思いましたね。

Q:映画化に際して、西炯子さんの原作との距離感は、どう考えましたか?

どの映画でもそうですが原作に寄り添う形で映像的に拡げていくというのを考えてます。原作の世界観を、壊さずにいけるかなと。“足キス”のシーンも大胆だなあとは思いましたが、原作にあるのですごく重要なシーンだなと思ってましたし、撮っている時には自然光などに気を使って、大切なシーンにしようと心がけました。

Q:今後、撮りたい題材やテーマはありますか?

企画はいっぱいあるので、小説みたいな映画や群像劇みたいな作品を撮りたいです。でも、自由に撮ったら、絶対誰も観ないだろうなあとも思いますよ(笑)。たとえばある男がいて、彼は宅録をやっているミキサーで、家で宅録をしていて暮らしているだけの話とか(笑)。そこに奥さんが来る、子どもがくることはあっても、事件が起こることはない。そういう日々暮らしている男の話を撮りたいなとは思います。日常に興味がある。生きている空間と、その現実に興味がありますね。

Q:『娚の一生』を撮り終えて、思ったことは?

男と女の関係の前に、皆家族がいることを再認識しました。人間関係ですね。まず家族があって自分があって、皆にお父さん、お母さんがいて、すべてが存在している。その関係性について、それは改めて意識しましたね。親戚が集まってわいわいしていて、葬式の時にお母さんがいて、どうのこうのという家族の関係、勝手にふたりが存在していて、好きになってくっついたりするだけじゃないなってことは、すごく思いました。後は家そのものですね。何年も暮らしが続いている家には、そこで誰かが生まれたり、死んだり、そういうことへ想いが至るようになりました。そういうシーンもあるので、観た人には同じような何かを感じてほしですね。

『娚の一生』
2015年7月15日(水) ブルーレイ&DVDリリース!
【ブルーレイ】通常版⇒¥5,700+税
【DVD】通常版⇒¥3,500+税
【DVD】豪華版⇒¥4,700+税

発売元:ポニーキャニオン/小学館

執筆者

Yasuhiro Togawa

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